麹菌ゲノム解析

麹菌の電子顕微鏡写真
麹菌は、しょうゆをはじめ、みそ、日本酒の生産にも利用され、日本人の食生活に深く関わってきた微生物であり、「国菌」とも呼ばれています。麹菌の育種や菌株の改良は、品質や生産性の改善を目的として古くから行われてきましたが、従来の研究手法では膨大な手間と時間がかかっていました。
そこで、新たな可能性を探るため、日本の国菌である麹菌のゲノム解読を日本人の手で行おうと、当社を含む日本の研究機関が産官学連携でコンソーシアムを結成し、2001年から麹菌ゲノムの解読に取り組みました。これまでに、麹菌のゲノムは約3,700万塩基からなり、約1万個の遺伝子が存在することが明らかにされました。
現在では、コンソーシアム参加研究機関が中心となり、ゲノム情報を基にしたポストゲノム研究が精力的に進められています。麹菌は、原料中のタンパク質を分解するプロテアーゼやペプチダーゼ、旨味成分であるグルタミン酸を生産するグルタミナーゼ、デンプンを分解するアミラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を大量に生産します。今後、ポストゲノム研究によってこれらの酵素遺伝子の構造や発現のメカニズムがわかれば、品質や生産性の向上だけでなく多様な製品の開発につながると期待できます。


