2008年4月3日

News Release No.08018

キッコーマングループ将来ビジョン
「グローバルビジョン2020」策定
~キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料に~

キッコーマン株式会社は、昨年の米国進出50周年を契機に、グループの将来ビジョン「グローバルビジョン2020」を策定しました。2020年を目標とする、キッコーマングループの「目指す姿」およびそのための「基本戦略」を定めたものです。

[目指す姿]

「グローバルビジョン2020」では、定性的な目標として、キッコーマングループが「目指す姿」を以下の通り、3つ定めています。

  • (1)キッコーマンしょうゆをグローバルスタンダードの調味料にする
  • (2)食を通じた健康的な生活の実現を支援する企業となる
  • (3)地球社会にとって存在意義のある企業となる

[基本戦略]

「目指す姿」を実現するための柱となる基本戦略は以下の4つです。

  • (1)しょうゆ世界戦略
  • (2)東洋食品卸世界戦略
  • (3)デルモンテ事業戦略
  • (4)健康関連事業戦略

(1)しょうゆ世界戦略

高収益を上げてきた「海外のしょうゆのビジネスモデル」を世界に広げていく「しょうゆ世界戦略」がグローバルビジョンの核です。

2020年目標 売上3000億円、しょうゆの販売量100万KLを目指しています。数量シェア12%、金額シェア世界No.1となります。
日本 高付加価値化を進めるとともに、しょうゆ関連調味料の拡大を図っていきます。
北米 安定成長期に入っており高付加価値化と業務・加工用のさらなる開拓を進めます。
欧州 今後とも2桁成長を目指します。主要市場の深耕とロシア、中東欧の開拓をすすめます。
アジア 10年後の成長を支える市場として考えています。本醸造しょうゆを浸透させていくとともに、中国、インド市場の開拓が重要です。
南米、アフリカ アジアに続く当社の成長を支える潜在力を持つ市場であり、2020年以降の成長のための助走期間と考えています。

このように、しょうゆのビジネスモデルを順次、世界各地に展開していくことで、2020年およびその後の成長シナリオを確実にしたいと考えます。

製造拠点 現在6つの海外の生産拠点は、2020年にはその倍程度になると考えています。北米、欧州ともに現在の生産拠点の増産だけでは販売量をまかなえなくなるため、2015年前後に北米第三工場および欧州第二工場が必要となります。南米は可能性を検討します。アジアの生産拠点については、現地企業との提携等も含めて検討を行います。
研究開発拠点 現在、国内には商品開発本部と研究開発本部があり、さらに2005年シンガポール、2007年欧州に研究開発拠点を設置しました。既にある米国や欧州のマーケティング会社と合わせて、グローバルな研究開発体制の充実を図り、各地域のニーズに合わせた商品開発をより迅速に行えるようにします。シンガポールの研究開発拠点では、中国人向けの漢方薬入り醤油の開発が進んでいます。

(2)東洋食品卸世界戦略

しょうゆに次ぐ、第二の柱となるのが「東洋食品卸世界戦略」です。海外における日本食ブームは今後とも続くと思われ、日本政府も日本の食文化の普及を支援しています。その追い風を活かし、拠点ネットワークの整備と物流体制の強化を図り、蓄積してきたノウハウを活用することで、世界No.1 の東洋食品卸としての地位をより強固なものにします。

本年、米国ではJFC本社をロサンゼルスに移転するとともに、物流体制を強化します。また、欧州でも倉庫の移転・拡張を行うなど、既存拠点への投資を今後とも行います。さらに、新たに南米、南欧、中東欧、中近東、中国、東南アジア等へ拠点を拡大していく予定です。

(3)デルモンテ事業戦略

デルモンテ事業は、アジア・オセアニア地域の商標使用権を活かし、国内および海外での展開を図ります。アジア・オセアニア地域では、タイおよび、本年5月から生産が始まる中国の生産拠点を活用し、商品の競争力を向上させていきます。中国市場については、生産拠点と合わせて販売拠点を構築し、本格的に参入することが課題です。
国内では、グループ経営資源を活用し、飲料事業の成長およびチルド分野への本格進出を図ります。

(4)健康関連事業戦略

しょうゆ醸造で培ってきた技術と日本の食文化の中心的役割を担ってきたノウハウを活かして、「食と健康」の分野で成長を果たすことを目指します。
現在、国内では臨床診断や衛生検査の分野で展開を行っており、海外では企業買収により健康食品事業を展開していますが、これらの成長を果たすとともに、新たな企業買収も視野に入れて、健康関連事業の拡大を図ります。

地球社会にとって存在意義のある企業となる

4つの戦略を実行していくことで、世界の人々に価値ある商品、サービスを提供できるものと考えています。合わせて、社会の公器としての責任を果たしていくことで、キッコーマンという会社があってよかったと世界中の人々に思っていただけるような企業を目指します。

以上