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ドクター久保田のアンチエイジン・ベリーグッド!

第3回 「お腹いっぱい」では、いっぱい生きられない!?

アンチエイジングな言葉 『ひみこの歯がいーぜ』 「噛む」効用の標語(学校食事研究会作)。ひ=肥満予防、み=味覚発達、こ=言葉をはっきり、の=脳の発達、は=歯の健康、が=がん予防、いー=胃腸の健康、ぜ=全身の体力向上と全力投球。噛む回数が多かった卑弥呼の時代を少しでも見習いたいものです。 キッコーマン総合病院 院長 久保田 芳郎

「腹八分目」が長生きできる理由

日本には「腹八分に医者いらず」という諺があり、大食をしないことが健康な生活を維持するうえで大事であるという戒めとなっています。食べ物から摂取するカロリーを制限することで、より少ないブドウ糖などから効率的にエネルギーをつくれるようになり、身体の酸化の原因である活性酸素の発生量が減少します。その結果、老化の速度が抑えられることになります。

また、身体が「食べ物が足りない」と感知すると、長寿遺伝子「サーチュイン」のスイッチが入るということもわかっています。サーチュインは、がんや糖尿病の予防、筋力の強化、脂肪の燃焼などさまざまな効果があるといわれています。

猿やマウスを「カロリー制限」すると?

栄養のバランスをとりつつ、カロリーをうまく制限すれば、寿命が伸び、加齢による病気の発症が遅くなることが、マウスや猿を使った実験により明らかになっています。1935年、米コーネル大学の栄養学の専門家クリーブ・マッケー博士の実験によれば、摂取カロリーを30%減らしたマウスは、そうでないマウスと比べると寿命が40%伸びたのです。

また、アメリカ、ウィスコンシン大学のコールマン博士らは、20年にわたりアカゲザルを飼育し、カロリー制限の影響を調査しました。その結果、カロリーを70%に制限すると老衰で死亡する時期が明らかに遅くなりました。カロリー制限をしないグループの生存率が50%であるのに対し、カロリー制限をしたグループの生存率は80%でした。

腹八分目には、生活習慣病予防効果も

アカゲザルもヒトと同様に、加齢に伴って糖尿病、がん、心血管系疾患が増加しますが、カロリー制限をすることでそれらの病気の発症を遅らせることができました。がんと心血管系疾患の発症が50%減少。その他の疾患も含めると病気にかかる頻度が、カロリー制限をしないグループの3分の1程度に抑えられることが明らかになりました。

腹八分目には、生活習慣病予防効果もあるのです。

噛めば噛むほどいいことが

“噛む”という行為は、身体にとって非常によい効果があります。噛むと胃液や消化酵素が出てきますし、満腹感が得られるため、腹八分目に効果的です。さらに、歯を丈夫にするという副産物もあります。いくつになっても自分の歯で食べられるのは、まさにアンチエイジングの理想型です。

また、噛むことで脳神経が刺激され、記憶や人格をつかさどる前頭前野にはたらきかけることで、脳の活性化にもつながるのです。

アンチエイジン・ベリーグッド【食】

おいしく「カロリー制限」するために

ホームクッキングには、200kcal以下の主菜や100kcal以下の副菜、腹八分目の「物足りなさ」をカバーできるスープのレシピなどがあります。参考にされてみてはいかがでしょう。また、よく噛んで食べるヘルシー食材として、「こんにゃく」も低カロリーでおすすめです。

おいしく「カロリー制限」するために

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