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小児科医お薦め!「すくすくもぐもぐガイド」 キッコーマン総合病院小児科部長 芥 直子

第6回 台風の季節と喘息


こんにちは。キッコーマン総合病院の芥です。

当病院のある千葉県では、今年、国民体育大会が開催されます。9月はじめから水泳、水球などを皮切りに県下各地で競技が始まります。千葉国体のマスコット『チーバくん』は千葉県の形をしています。当病院のある野田市はチーバくんの鼻の部分にあたり、バドミントンの競技が行われます。


秋と一緒に、喘息がやってくる


9月になると暑い日が続いていても、空の色と雲の様子がやさしくなって、あぁ、秋だなぁと感じます。また、秋を感じることのひとつに、喘息の常連さんの顔が、外来に増えることがあげられます。夏の間は、心配になるほど病院にあらわれなかった子どもたち。それが、台風が来る前後には「今年もごくろうさまです」といいたくなるほど、いつもの顔が並ぶようになるのです。


喘息に似た乳幼児の病気


気管支喘息(以下喘息)とは、「発作性に笛声喘鳴(てきせいぜんめい)を伴う呼吸困難を繰り返す疾患である」という定義は内科や小児科の教科書に必ず書かれています。突然、ゼーゼーとかヒューヒューという音(喘鳴)が聞こえて、咳が止まらなくてつらそうというのが典型的な症状です。

喘息の病気の本態は、気管支(気道)の慢性炎症です。子どもの喘息はアレルギーによるアトピー型が多いのですが、中には『風邪』などの感染症をきっかけに喘息を発症することもあります。

1歳前の赤ちゃんが、熱を出して咳がひどいと思ったら、ゼーゼー聞こえますという場合に、よくつけられる病名に「喘息性気管支炎」というものがあります。乳幼児の気管支炎で、ゼーゼーときこえる音の中には、喘鳴と『水泡音』と呼んでいる痰の中を空気が行き来する音が混じっていることが多く、『喘鳴も伴う気管支炎』といってもよいと思います。


喘息と呼吸困難


また、喘息の定義の中に「呼吸困難」とありますが、乳幼児では自覚症状を表現できないこともあり、判断に困ることが少なからずあります。

あまりにも息苦しくて、落ち着かないのを「咳がたくさん出る割には元気です」といってこられる親御さんもいます。咳き込んだり、鼻をぴくぴくさせたり、喉元がべこべこへこんだりというわかりやすい息苦しさの症状の他に、興奮状態で走り回ったり、泣き叫んだり、スムーズに喋れない、横になって眠れない、息を吐く時間が吸う時間より長くかかるなどというのも呼吸困難の症状なのです。


悪化させないために


喘息だけでなく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、子どもには少ないといわれてきたアレルギー性鼻炎などアレルギーの子どもが増えてきているのは確かです。

一方で、新しい抗アレルギー剤やステロイドの吸入が治療に取り入れられ、重症の喘息患者の入院が減ってきたのも明らかです。こうした治療の進歩に加え、家族や本人の病気に対する積極的な取り組みが、重症化を防いでいる一因になっています。

どんな病気でも同じですが、病気の本質を知って、悪化させない方法、慢性化させない手段を知ることは大切です。

いつもの喘息発作だと思っていたら、実は心不全や、気管支にピーナツなどの異物が詰まっていたという、命に関わる事態だったということもあります。肺炎や無気肺の合併で、いつもより痰の量が多かったり、痰を出す力がなかったために、命取りになったということもあるのです。


発作が起きたら


発作時の吸入や予備の薬を持っていても、発作時の薬を使ったら、できるだけ早く小児科を受診してください。咳が出なくなっていても、治ったように見えてもです。

重症の患者さんは減ってはいますが、喘息で亡くなる子どもはゼロではありません。また、必要以上に薬を飲まないためでもあります。

台風が来るとなぜ喘息の患者が増えるのか、よくわかっていませんが、気圧の変化や気温の変化で喘息発作がおきやすいことはよく知られています。ですから、実際に発作を起こしている子どもも増えますが、それに加え、発作がおきているかどうか判断してほしいと受診される方も外来に増えるのです。

9月は小児科が尻上がりに忙しくなる月です。


キッコおすすめの<9月の食生活>

季節の変わり目は、子どもも大人も食欲が衰えたり、体調を崩しがちです。新学期を健康に過ごすためにも、ホームクッキングを参考に、この季節に合ったバランスのよい食事を考えてみてはいかがでしょう。

今月の食材しりとり

しめじ しんまい(新米) いか

収穫の秋。おいしいお米に海の幸、きのこ類や野菜、果物もたわわに実る季節です。食欲の秋を満喫しながら、でも食べ過ぎず、家族の食卓を豊かに楽しみたいものです。


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