World Wide Kitchin
モンゴル モンゴル国
講  師 トゥムルバータル・オユーンエルデネさん
(モンゴル国大使館)
コーディネーター 山本道子先生(村上開新堂五代目)
講習会実施日 2003年7月3日

第68回「世界のしょうゆクッキング」は、モンゴル国大使館のダワージャルガルさんにモンゴルの食文化について伺い、夫人であるトゥムルバータル・オユーンエルデネさんに家庭料理をご紹介いただきました。モンゴルの料理は、遊牧民族の文化に根ざした特徴が見られます。いつも移動しながらの生活のため、料理は簡単で道具もいらず、飾りもなく味つけも素朴なものです。しかし小麦粉を使う料理のバラエティーの豊さには目を見張ります。餃子風、うどん風、ラザニア風、肉まん風、ピロシキ風、パイ風…と様々な料理を作ります。これも遊牧民としての生活の知恵なのかもしれませんね。
トゥムルバータル・オユーンエルデネさん
トゥムルバータル
オユーンエルデネ
さん
今回は小麦粉を使った料理、2品をご紹介いただきました。「ツイブン」は、モンゴル風の焼きうどん。小麦粉を練ってのばしフライパンで軽く焼いた後、くっつかないように上に油をぬります。それをたたんで切りうどん状にします。モンゴルのうどんは、日本のものより短め。深鍋に油を入れ、にんにくと羊肉や牛肉、たまねぎ、にんじんなどの野菜を炒め、塩、しょうゆ、こしょうで味つけをし水を加えます。その上に生のままのうどんをのせ、混ぜずにそのままふたをして蒸し煮します。ここで絶対にふたを開けてはいけないとのこと。出来上がってから、うどんと具材を混ぜ合わせます。この料理は温かくても冷たくなってもおいしく、このモンゴルの手作りうどんは、見た目も味もどこか私たちになつかしさを感じさせる料理でした。

ここでは「バンシタイ・シュル」をご紹介しましょう。これはバンシと呼ばれるモンゴルの小さな餃子の入った野菜スープです。いつも小麦粉を扱いなれているオユーンエルデネさんは、あっと言う間に、生地を練りうすく丸く伸ばし、餡を包んで小さな餃子をつくります。モンゴルの味つけは、伝統的には塩で、オユーンエルデネさんは、中身の餡の塩かげんを鼻を使って香りで判断していました。これもまたひとつの文化でしょう。この料理も私たちに親しみを感じる味わいで、これ1品でバランスの取れた食事となる素敵なスープでした。バンシは「バンシテー ツァイ」といって、塩味のミルクティーで煮て、おやつや食事として食べることもあるそうです。モンゴルの広い草原で食べたら、より一層おいしいのでしょうね。

メニュー写真 ※写真メニュー:
バンシタイ・シュル(左)
ツイブン(右)


レシピバンシタイ・シュル(バンシ入り野菜スープ)(Banshtai Shul)
●材料(4人分) 1カップ=200ml
牛肉  150g
玉ねぎ 1/3個
にんじん 1本
じゃがいも  1個
キャベツ  50g
生しいたけ 1〜2枚
にんにく 1〜2片
青ねぎ 1/2束
月桂樹の葉 1枚
水  1.5リットル
キッコーマン特選丸大豆しょうゆ 大さじ1と1/2
塩  適量
こしょう  少々
サラダオイル 適量
バンシ 40個 (下のバンシレシピの半量を作る)
メイン
バンシタイ・シュル

●作り方
(1) にんにくはみじん切り、玉ねぎは細切り、にんじんはいちょう切り、他の野菜は角切り、肉は好みの大きさに切る。
(2) 熱した鍋にオイルを入れ、肉、にんにく、玉ねぎを炒める。すぐふたをして火が通るまで蒸し煮にする。
(3) にんじん、キャベツ、生しいたけを入れてかき混ぜ、しょうゆ、塩、こしょう、水を加える。煮立ったらじゃがいもを入れ、柔らかくなるまで約5分煮る。
(4) 月桂樹の葉を入れ、バンシをひとつずつ入れてかき回し、約5分煮る。
(5) 月桂樹の葉を取り除き、小口切りの青ねぎを彩りに添えて供する。
【バンシ 80個分】
〔皮〕材料
薄力粉  500g
卵  1個
水  120ml(必要ならもう少し足す)
●作り方
(1) 割りほぐした卵に水120mlを入れてかき混ぜる。
(2) ボウルに小麦粉を入れ、水と卵を混ぜたものを少しずつ加えながら、耳たぶの堅さになるまでこねる。堅すぎる場合は水を足す。
(3) 使用する分だけ取り出し、なめらかになるようによくこねてから使う。
〔あん〕材料
牛ひき肉(脂のあるもの) 300g
玉ねぎ  1/2個
にんじん  1本
生しいたけ  1〜2枚
キャベツ  100g
にんにく  2〜3片
青ねぎ  1/3束
塩  適量
こしょう  少々
●作り方
(1) 青ねぎは小口切り、にんじんは粗めにすりおろし、他の野菜はみじん切りにして、ひき肉と混ぜ、塩、こしょうをし、全体がなじむように混ぜる。
(2) 材料が混ざったらフライパンで一口分くらい焼き、塩味の加減を見る。少し辛めに味付けした方がよい。
〔バンシ〕
(1) 生地を1/3に分け、手のひらを使って直径2cmくらいの棒状にのばし、はじから5mmくらいずつ包丁で切る(1個約5g)。
(2) 生地を厚さ0.5mm、直径3〜4cmの小さな円形にのばし、あんを小さじ1くらいのせ、2つに折り、ふちを親指と人差し指でつまんで閉じる。半月形の両端をもって少し引っ張ってから重ねてしっかりととめる。出来上がったもの同士がくっつかないように、平らなところに並べておく。


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