過去の記録

東京本社 2016年1月23日

概要

講師

柳原尚之先生

2013年に和食が、ユネスコ無形文化遺産に認められ、世界中から日本の食材や調理技術、食文化全体が注目されています。そういった中、文化庁から文化交流使(http://culturalenvoy.jp)に任命され、ニュージーランド、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国の4ヶ国を回り、3ヶ月間28講義を行い、和食への理解を深める活動をしてきました。

今回の活動では、各国のシェフから中高校生まで幅広い交流がありました。その中でも特に注力し、多くの講義を持ったのが、大学や、料理学校の料理を専攻する学生達への講義です。これから料理界で活躍する若い人たちに本当の和食に触れてもらうことが、これからの和食発展の種まきになると思ったからです。

講義では、座学、実演、実習の3つの柱を作り、学校側の希望や講義の期間や人数に応じて、プログラムを立てました。

座学では、和食の特徴である、季節感、豊富な食材、健康的な献立、年中行事との関わりの話から、歴史的、文化的背景などに至るまで、動画や画像を多く用いて説明しました。(写真1) 実演では、日髙や利尻など4種類の昆布や鰹節削り器の実物を見せながらだしをひき、魚を下ろし、お椀や煮物、すしなどを作りました。(写真2)

実習では、実演でみせた3、4品の料理を学生達に作ってもらいました。日本からは昆布、鰹節などの基本食材や漆器などの器も持ち込み、扱い方の勉強をしました。学生達が魚を下ろす場合は、日本から持ち込んだ出刃包丁と柳刃包丁の和包丁を、学生達が使えるようにしました。切れ味の良い和包丁はいつも順番待ちになるほど人気でした。(写真3)

3ヶ月の活動を通して思ったことは、早い段階で本当の和食を教えることの重要性です。世界には日本人にとっては首を傾げるような和食料理屋が多くあります。しかし、その料理は現地の方々にとって、すでに魅力的でおいしい日本料理であることも多いのです。そこで、そういった料理は木に例えると枝葉と考え、ある程度認めつつも、まずは根幹である本当の和食の技術や知識を最初に知ってもらうことで、和食の成長する方向性が決まってくるのではないかと思います。

講義を重ねる中で、学生達の和食に対する熱意をひしひしと感じ、とても勉強している印象があり、すでに色々な知識も持っていました。技術や食材というものは、時代と共に世界中へと簡単に広がる時代となりました。しかし、和食の情緒や雰囲気、季節感という概念的なものは、やはり日本人や日本に長くいた方でないと伝えられないことなので、日本への和食留学や海外料理学校への日本人料理講師派遣などをすすめる段階へときているのではないでしょうか。

最後になりましたが、御社には、各国活動先に調味料、食材の提供をしていただきました。(写真4)御社の多大なサポートのおかげで、よりよい活動になりましたことを報告し、深く感謝をお伝えします。

写真1 講義座学風景 (CIA ハイドパーク校 アメリカ)

写真1 講義座学風景
(CIA ハイドパーク校 アメリカ)

写真2 実演風景 (オークランド工科大学 ニュージーランド)

写真2 実演風景
(オークランド工科大学 ニュージーランド)

写真3 実習風景 (ジョージブラウンカレッジ トロント カナダ)

写真3 実習風景
(ジョージブラウンカレッジ トロント カナダ)

写真4 実習風景 (CIA ナパバレー校 アメリカ)

写真4 実習風景
(CIA ナパバレー校 アメリカ)

以上

2016年1月23日
キッコーマン国際食文化研究センター