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過去の展示

江戸醤油の復元

「下り醤油」にせまる
19世紀はじめ、江戸のしょうゆは、はぜ「下り醤油」から「地廻り醤油」に変わってしまったのでしょう


1726年(享保11年)当時、江戸市場のしょうゆの約76%は、上方からの「下り醤油」でした。ところが、わずか百年たらずのちの1821年(文政4年)には、約98%が関東産の「地廻り醤油」一色になってしまいました。
なぜ「下り醤油」は、江戸の人の嗜好に合わなくなってしまったのでしょうか。また、「下り醤油」と「地廻り醤油」にはどんな違いがあったのでしょうか。
そうした疑問を解くために、18世紀頃のしょうゆ=「江戸醤油」を復元して調べることにしました。復元にあたっては1732年(享保17年)に刊行された『萬金産業袋 ばんきんすぎわいぶくろ 』をもとにして、原料を始め道具や装置も可能な限り、当時の状態を再現しました。
また出来上がった「江戸醤油」を使って、当時書かれた料理本にしたがって「江戸料理」にも挑戦してみました。
パネルでは「江戸醤油」を復元する過程と、「江戸料理」をご紹介しながら、前述の疑問の答えに迫ってみます。
『萬金産業袋』(ばんきんすぎわいぶくろ)
『萬金産業袋』
(ばんきんすぎわいぶくろ)
1732年(享保17年)刊。三宅也来著。衣服、筆記具、傘といった、当時の暮らしの中で使われた様々な産品の作り方などを書いた全6巻の書。今回参考にした巻之六「酒食門」には酒、しょうゆ、酢、などの食品の製造法がまとめられている。
『熈代勝覧』より江戸・日本橋のにぎわい
『熈代勝覧』より江戸・日本橋のにぎわい
「下り醤油」にせまる
復元されたしょうゆ造りの道具と装置
江戸料理の復元~その一~