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『食道楽』に学ぶ

台所論(2)
台所は食物を調理することから最も不潔を嫌う場所である。そのため家の中で一番明るい所にしなければならない。台所全体を明るくすることは、塵 ちり 一つ隅に落ちていても直ぐ見えるため、自然と台所の清潔が保たれる。また衛生とか生理とかを土台にして家庭の食物を料理するのには、不衛生な戸棚も適当ではなく、台所の清潔を保つために台所用具購入費が家計のなかに占める重要性を見直すべきであるともいっている。その身近な例に布巾や塩・アルコール・炭酸ソーダなどの効能を挙げている。さらに台所で使う道具について「台所用具は人生の必要物」と記し、食物調理に必要な道具を揃えることを奨励していた。
『食道楽』の中でいくつかの台所用具を図解して紹介し、西洋風の食器についても付録のなかで69種、118点の用具をそれぞれの品質と価格を示した。この食器の購入にあたっては、よく品質を択んでその使い方に注意しないと役立たないと述べ、家庭で用いるべき台所用具の改善を説いた。
弦斎考案の料理服を着た多嘉子夫人
弦斎考案の料理服を着た多嘉子夫人
(神奈川近代文学館蔵)
弦斎考案の天火 弦斎が考案したと伝えられる調理器具
弦斎考案の天火
(平塚市博物館蔵)
弦斎が考案したと伝えられる調理器具
(平塚市博物館蔵)
フライ鍋の図『食道楽』 スープ鍋の図『食道楽』 コーヒー挽き『食道楽』
フライ鍋の図
『食道楽』
(岩波文庫)
スープ鍋の図
『食道楽』
(岩波文庫)
  コーヒー挽き
『食道楽』
(岩波文庫)
イラスト
台所論(2)