マンズワイン小辞典
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ワインの種類
ワインにはさまざまなタイプのものがあって、 世界中で多種多様なワインがつくられています。 この小辞典では、そのうち代表的なワインについての、 基本的な説明をします。 ワインの種類として・・・
以上の10種類を採り上げます。ワインによっては、二つの製法の組み合わせによるものもありますが、それはそのワインのところで解説します。
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あ行
赤ワイン 葡萄の黒い色の果皮や、種など固形分が混ざったままアルコール発酵をおこない、固形分に含まれている色素や渋味が液体の方に抽出するようにつくったワインが赤ワインです。 その渋味と葡萄の酸味、甘味など複雑な味わいを持つのが一般的です。新鮮なうちに楽しむワインもありますが、長い熟成によってみごとにバランスのとれた味わいに成長していくのも赤ワインの魅力です。
甘口ワイン ここでいう「甘口ワイン」とは一般的な甘さのものではなく、きわめて甘味の強いものです。

貴腐ワイン、アイスワインの醸造について詳しく説明します。

<貴腐ワイン>
貴腐ワインは「貴腐」(pourriture noble、noble rot)という特殊な状態になった葡萄からつくられるワインです。貴腐は、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)というカビが特殊な条件の下で白ワイン用品種に生育した場合にのみおこります。

貴腐は次のように進みます。

まず適度な湿気のある状態で、完熟した葡萄にボトリティス・シネレアの胞子が付着。そうすると菌糸が伸びて、果皮の微細な裂け目からその下に侵入します。菌糸は果皮に沿う形で全体を覆うように伸びていきますが、この状態では空気がほとんどない状態なので、糖分はあまり消費しません。

やがて菌糸は果粒の外に出てきますが、そのとき大気の湿度があまり高くなければ、葡萄の水分を消費したところでカビの生育は止まってしまい、葡萄は糖分が濃縮された乾し葡萄のようになります。カビによって果皮の組織が破壊されているので自然蒸発もこれを助長します。

貴腐の進行は一粒ずつ異なっているため、収穫は同じ畑に繰り返し出て葡萄の状態を見ながら、おこなわなければなりません。通常の白ワインと同様に仕込んでいきますが、除梗、破砕は不要です。また、果汁の清澄化は果汁の濃度が高すぎてほとんど不可能です。発酵も浸透圧が非常に高いために酵母の活性が低下して緩慢にしか進みません。一言でいえば収穫、醸造とも大変な作業が必要になります。しかし、得られるワインは黄金色ですばらしい芳香ときわめて濃縮された甘味を持つ、高価で長命なものになります。

貴腐ワインで世界的に知られるのは、フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ(製法は特殊)など。

<アイスワイン>
葡萄が完熟した後も収穫せずにそのまま畑においておきます。初冬の最初の寒波が襲来して葡萄が凍ったら、日の出前に収穫して搾汁します。葡萄のもっとも完熟して味の濃い部分のみがこうして搾汁され、これをもとにつくられるワインは貴腐ワインに勝るとも劣らないものになります。 アイスワインと同じ原理で、収穫したぶどうを冷凍庫で凍らせてつくるワインもあります。この方法をクリオエクストラクション(低温搾汁)と呼びます。
アルコール強化ワインと天然甘口ワイン 保存性を向上させたり、風味を向上させる目的で発酵によるアルコール以外に、蒸留したアルコール度数の高いスピリッツを添加してつくるワインです。ここで使われるスピリッツは一般的にワインを蒸留して得たものです。

発酵が完全に終わる前、果汁の糖分が残った状態でアルコール添加をおこなうと発酵がそれ以上進行せず甘口のワインができます。これらは「天然甘口ワイン」とも呼ばれます。

もっとも有名なものにポルトガルのポルト、マディラ(加熱熟成により独特の風味を持つ、辛口タイプもある)、スペインのシェリー(甘口のオロロソ・タイプが単純なアルコール強化ワインであるのに対し、辛口のフィノ・タイプは上面酵母→「上面酵母ワイン」を利用して独特の風味を持つ)、フランスのミュスカやバニュルス、イタリアのマルサラなどがあります。
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さ行
白ワイン 葡萄の果汁だけを発酵させてつくるのが、白ワインです。果皮の黒い葡萄でも、果汁だけを集めてワインをつくると白ワインになります。
上面酵母を利用したワイン 樽にワインを満杯にせず、ワイン表面に膜のように増殖した酵母(ワインに咲く「花」と呼ばれます)で覆って熟成させたワインです。この酵母が独特な風味を醸し出します。

この製法でつくられる代表的なワインは、スペインのシェリーのフィノ・タイプとフランス東部のジュラのヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)です。前者は「アルコール強化ワイン」でもあります。
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は行
発泡性ワイン(スパークリングワイン) 文字通り、発泡性のあるワインです。フランスのChampagneのものがもっとも有名ですが、世界中にいろいろな発泡性ワイン(スパークリングワイン)があります。

スペインではカヴァ、イタリアではスプマンテ、ドイツではゼクトと呼ばれています。なお、フランスにはChampagne以外にも発泡性ワインがありますが、それらはヴァン・ムスーと呼ばれています。

発泡性ワインの製法もいくつかありますが、まず、Champagneの方法を紹介して、それからほかの方法を説明します。
  1. シャンパーニュ方式
    (Methode Champenoise、Methode Classique、Methode Traditionnelle)

    まず、辛口の白ワインをつくります(ベースワイン=vin de base)。これに適当な量の糖分と酵母の混合液(びん詰のリキュール=liqueur de tirage)を再添加してびん詰、王冠で打栓してセラーに置きます。糖分と酵母がありますから、びんの中で再度アルコール発酵が起き、炭酸ガスが発生します。発生した炭酸ガスは出口がないのでワインに溶け込み、発泡性のワインができあがります。
    このままでは、びんの中に酵母が澱として残っていますので、これを取り除く必要があります。そのために、まずびんをゆすりながら口を徐々に下に向け倒立させ、酵母をびん口部分に集めます(動びん=remuage)。現在では、このびん口部分を-20℃程度の冷却液に浸して凍らせ、正立に戻してから栓を開けます。そうするとびん内の圧力でびん口に凍った酵母の澱がびんの外に飛び出し清澄なワインがびんの中に残ります(首抜き=degorgement)。
    そして、目減りした分を同じワインと砂糖を混ぜた甘味調節のためのリキュール(門出のリキュール=liqueur d'expedition)で補い、コルク栓で打栓、包装します。この製法の要点は、消費者の手に渡るびんそのものの中で泡を取り込むための発酵がおこなわれ、その中に入ったワインが飲まれるまで一度も外に出ていない点です。
  2. トランスファー方式(Methode Transfer)
    びん内の発酵までは、シャンパーニュ方式同様におこないます。そのあと、炭酸ガスを保ったままのワインを、酵母の澱ごと密閉タンクへ移して合一し、ろ過、甘味調整をしてびん詰めします。
  3. 密閉タンク方式(Methode Chalma、Cuve Close)
    泡を取り込むための発酵をびん内ではなく、最初から密閉タンクでおこなって、ろ過、びん詰します。
  4. 一次発酵方式(Methode Rurale)
    ベースワインのアルコール発酵が完全に終わる前、適当な糖分が残った状態でびん詰して、あとはシャンパーニュ方式と同様にワインを仕上げます。発酵の最後の部分がびん内で進行して、そのときに生じた炭酸ガスがワインに溶け込みます。スパークリングワインをつくるためのもっとも古い方法です。
  5. 炭酸ガス封入方式(Vin Gazeifie)
    ベースワインに、密閉タンク中で炭酸ガスを封入します。
フレーヴァード・ワイン ワインに香草などを漬け込んでつくります。有名なものにイタリアやフランスのヴェルモット、ギリシャのレッチーナなどがあります。多くはアルコール強化ワインでもあります。
葡萄を乾燥させてから仕込むワイン 葡萄の収穫前か、収穫後に、果実を乾燥させてから仕込む独特の製法のワインです。

代表的なものに、フランス東部ジュラ地方のヴァン・ドゥ・パイユ(藁ワイン)、イタリアのパッシート、ヴィン・サント、レチョート、アマローネなどがあり、多くは甘口です。シェリーも仕込む前に葡萄の乾燥工程があるので、アルコール強化ワインであるとともにこの仲間でもあります。
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ら行
ロゼワイン ロゼワインはその名の通り、バラ色のワインです。

色だけでなく、香味も赤ワインと白ワインの中間的なもので、白ワインに近いものから赤ワインに近いものまで千差万別です。実際、赤ワインとロゼワインを厳密に区別する定義は存在しないので、あるロゼワインの色が別の赤ワインの色よりも濃い、ということもありえます。当然、製法も赤ワインづくりと白ワインづくりの中間的なものになります。

ロゼワインには大別すると以下、4つのつくり方があります。
  1. 赤ワイン用の品種(果皮の黒い葡萄)を用いる方法
    醸造のはじめは赤ワインと同じで、醪(もろみ)にすこし色が出てきた段階(通常数時間から半日程度)で固液分離をおこなって、あとは白ワインと同様に液体だけで発酵を続けてつくります。
  2. 果皮の色が赤から紫のように中間的な色の品種を用いる方法
    赤ワインと同様に比較的長いマセラシオンの期間をとって醸造します。このタイプの色はロゼでも、香味は赤ワインに近いものになります。
  3. 果皮の黒い葡萄と果皮に色のない葡萄を混醸する方法
    黒葡萄と白葡萄を混ぜて赤ワインと同様に仕込みます。マセラシオンの期間は、黒葡萄と白葡萄の比率などによって変わりますが、一般的には赤ワインほど長くはありません。
  4. 赤ワインと白ワインを混ぜる方法
    これらの方法、およびその組み合わせによってさらに多くのバリエーションが存在します。

    ロゼワインの命はその淡く可憐な色ですが、色が薄いため退色が早く進みます。一般的には、新鮮なうちに飲まれます。
リキュールワイン まったく発酵していない葡萄果汁にアルコールを添加してつくる甘口の酒で、厳密には「ワイン(葡萄または葡萄果汁が発酵してできた酒)」ではありません。ミステルとも呼ばれ、有名なものにコニャック地方のピノー・デ・シャラント、アルマニャック地方のフロック・デ・ガスコーニュなどがあります。
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