しょうゆの種類と特徴

用途に応じたしょうゆのいろいろ

しょうゆというと、多くの人がイメージするのはこいくち(濃口)しょうゆではないでしょうか。ですが、関西地方を中心に広く使われているうすくち(淡口)しょうゆをはじめ、用途に応じたいろいろなしょうゆがつくられていて、それぞれに独特の味わいをもっています。

日本のしょうゆ生産量の8割以上はこいくちしょうゆ。
うすくちしょうゆの生産量は約13%です。うすくちしょうゆは、上方料理から発達した調理向きのしょうゆで、今では全国で生産され、家庭でもこいくちと併用されることが多くなってきています。

しょうゆを分類するには、いろいろな方法がありますが、日本農林規格(JAS)では 「種類による分類」「製法による分類」「等級による分類」 と大きく3つに分けています。

種類による分類

まず最初に「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5つの種類が定められています。それぞれの特徴をみていきましょう。

こいくち(濃口)しょうゆ

日本のしょうゆ生産量の8割以上を占めるもっともスタンダードなしょうゆです。食塩分は約16%。
用途は、つけ、かけ用としての卓上調味料をはじめ、煮物、焼物、だし、たれなど調理用しょうゆとしてもほぼオールマイティです。原料に「丸大豆」を使ったものや有機JASの認定を受けたものなど、付加価値の高い商品が続々と登場してきています。

こいくちしょうゆの麹は、大豆または脱脂加工大豆を蒸したものに、ほぼ等量の炒って砕いた小麦を混ぜてつくります。江戸期以来、関東を中心に発達し、香りと色、味のバランスに優れているのが特長です。

うすくち(淡口)しょうゆ

日本のしょうゆ生産量の13%程度を占めています。
「淡口」とは「色が淡い」という意味で「食塩分が薄い」という意味ではありません。食塩分は18~19%とこいくちしょうゆより約2%ほど高いのです。料理素材の魚や野菜などの持ち味や色合いを生かすのに向いていて、淡(あわ)めの色合いとおとなしい香りが特長になっています。

醸造食品であるしょうゆは、発酵・熟成が進むほど色が濃くなり、風味が豊かになります。うすくちしょうゆの色が淡いのは高濃度の食塩で発酵・熟成をおさえ、併せて醸造期間を短くしたため。醸造過程の仕上げには甘酒や水あめを加えるのも特徴で、しょうゆのうま味も淡い色と同様、控え目に仕上がっています。また香りもうすいため、つけ、かけ用には不向きですが、野菜の煮物や吸物、うどんつゆなどにはとてもよく合います。

たまり(溜)しょうゆ

国内生産量は全体の2%弱くらいです。食塩分はこいくちと同程度です。 こいくちやうすくちは大豆と小麦をほぼ等量ずつ用いるのに対し、このしょうゆはほとんど大豆だけでつくられます。大豆を蒸してみそ玉を作り、これに麹菌を植えつけ、塩水に仕込んで1年間熟成させます。愛知県を中心に中部地方で愛用され、刺身のつけじょうゆはもちろんのこと、加熱すると美しい赤みを帯びるので、煎餅やあられなどのつけ焼きなどによく使われます。

たまりしょうゆの諸味(もろみ)はとても固く撹拌(かくはん)できないので、諸味の中に細長い竹篭を入れ、この篭にたまってくる液汁を汲んでは諸味の上にかけるという、古式ゆかしい製造方法がとられています。熟成したら、底のほうから液を抜き、そのまま製品にします。こうしてつくられるたまりしょうゆは、大豆のタンパク質から得られるうま味成分が多いため、とろりと濃厚で、香りも重たい感じがしますが、最近では香り立ちを重視すべく、小麦を1割程度加えた製法が主流になってきています。

さいしこみ(再仕込み)しょうゆ

国内生産量は約1%で、食塩分は約16%。 しょうゆを2度醸造するような製法をとるため「再仕込み」しょうゆと呼ばれます。一般的に色が濃く、どろりと濃厚な味に仕上がります。価格も高いことから、多くは卓上調味料として、主に刺身や鮨に用いられます。発祥は山口県の柳井地方。わずかな生産量ですが、今ではほぼ全国で造られています。

麹をタンクに仕込むとき、食塩水を合わせるべきところを、ほぼ同じ塩分濃度の「生揚げ(きあげ)しょうゆ」を合わせて仕込みます。ふつうのしょうゆは加熱処理(火入れ)しますが、この生揚げしょうゆと呼ばれるしょうゆは加熱処理がされていません。酵素がまだ活発に活動している生のしょうゆを食塩水の代わりに仕込むのです。別名甘露しょうゆと呼ばれています。

しろ(白)しょうゆ

国内生産量は全体の1%弱、食塩分は約18%です。たまりしょうゆとは反対に、蒸した小麦を主原料に、炒った大豆を少量用いて麹をつくります。小麦中心につくられた麹は香りを生かし、低温・短期間発酵させ、うすくち以上に発酵を抑えてつくられます。生産地は主に三河地方で、歴史的には江戸末期に開発されたもので、比較的新しいしょうゆの一種といえます。

色調はビールくらい淡いもので、うま味やコクも抑えてあります。糖分が12~16%と高く、素材本来の色を活かしたり、高級料理のかくし味、うどんの汁などに利用されます。

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