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もっと健康ずっと健康 家族を守る食事の話
ドクター発 健康メッセージ
Vol.6

キッコーマン総合病院
院長 久保田 芳郎

ご飯を食べないと太る! ~糖質主体の食事のすすめ~

 栄養バランスは糖質を60%、タンパク質を15%、脂肪を25%とるのが理想的といわれています。諸外国の栄養バランスをみると、アメリカは脂肪が極端に多く糖質が少ない状況で、フランスも同様です。イタリアは、糖質はほぼ良好ですが脂肪がまだ多く、わが国はバランス的には優等生といえます。これは戦後、低脂肪、低タンパク質、高糖質の従来の日本食に、欧米型の食事がミックスされてほど良い状態になったといえます。
 こうした日本人の食生活にも少しずつ問題が出始めています。私たちが食べている食品を主食、主菜、副菜と3つに分けて戦後の変化をみてみると、全体の量はほとんど変わっていませんが、主食としてのご飯が減り、主菜の肉、魚、豆腐などが増え、副菜の野菜やいも類は減少傾向にあります。
 ごはんに比べておかずが増えてきたのは昭和40年代後半からで、徐々に脂肪の割合が増えはじめ、理想ラインの25%を越えて25.5%になったのが昭和63年でした。平成になったあたりから、主食が不足し、逆に脂肪をとり過ぎる時代に入ってしまったということです。

 ご飯とおかずのバランスは、肥満とも大きく関係しています。肥満の原因を調べた研究では、バランスのとれた食事に比べて脂肪の多い食事は、カロリーが同じでも体重が増えやすいという報告があります。
 その理由は以下のとおりです。食事をすると体温が上がりますが、これは体温を上げてエネルギーを使うことで、食べ過ぎた分を調節しようとしていると考えられます。高脂肪食と高糖質食とで食後の体温を比べると、高糖質食のほうが体温上昇の幅が大きいのです。つまり、おかずよりご飯を多く摂る食事のほうが、食後のエネルギー消費が大きく、それだけ太りにくいということになります。
 また、中学生の主食とおかずのバランスを比較してコレステロールや動脈硬化指数を調べた日本大学の大国真彦教授の研究では、ご飯がありバランスが取れた食事、ご飯はあるがアンバランスな食事、ご飯がなくてアンバランスな食事の3つのグループに分けて比べています。その結果、ご飯がなくてアンバランスな食事をとったグループが最も動脈硬化指数が高く、中性脂肪と総コレステロールも高くなっていました。

 「ご飯を食べると太る」というのが大きな勘違いであることは当然ですが、「ご飯を食べないと太る、さらには不健康になる」といっても過言ではないのです。
 そこで心配なのが、若い人のお米離れです。栄養教育の歴史を振り返ってみますと、戦後の低栄養を解決するために、「ご飯よりもおかずを食べなさい」と教育された時代がありました。この教育は大成功をおさめ、ビタミン欠乏症や発育不良をなくし、さらに感染症に対する抵抗力も高まりました。
 しかしながら、現在のような栄養過多の時代には、「おかずよりもごはんを主食としてしっかり食べ、これに肉、魚、卵、豆腐の主菜、野菜、いも類の副菜をつけ加える」と考えたほうが正しいかもしれません。

 すべての生活習慣病は肥満から始まります。ご飯ををしっかり食べる、日本食の良さをもう一度見直しましょう。

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