研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第38回「いわし」

古くから親しまれている魚

 いわしは弱く死にやすい魚であることから、「弱し」が転じていわしと呼ばれるようになったといわれています。いわしにはマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシがあります。
 海面近くを群れで泳ぐ回遊性の魚で、古くから親しまれている魚です。その一方で数量の変動が大きく、数十年周期で増減を繰り返すことでも有名です。昭和の終わり頃まではとにかく安い魚だったのですが、今ではどんどん漁獲量が減り、価格もそれに合わせて年々上がってきています。
 平成24年のいわし類の漁獲量は、千葉県、三重県、茨城県で全体の約35%を占め、長崎県、島根県と続いています。

EPAやDHAの健康効果

 いわしは栄養価が高く、ヘルシーな食品で、その健康効果が注目されています。いわしには歯や骨の素となり骨粗鬆症を防ぐカルシウムと、そのカルシウムの吸収を助けるビタミンDの両方が含まれています。成長期の子どもや中高年の方におすすめです。
 さらに、いわしにはEPAやDHAといった高度不飽和脂肪酸が、青背の魚の中でも多く含まれています。また、これらは血中のコレステロールや中性脂肪を減らすはたらきや、脳のはたらきをよくしたり、老化防止に役立つなど、生活習慣病の予防に効果があるといわれています。
 最近、消費者庁は、EPA、DHAを含有した申請食品に対し、「DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています」との機能性表示を認めています。

骨ごと食べてカルシウムを吸収

 

 いわしは干物(目刺し、丸干し、開き)や缶詰・魚肉練製品(つみれ、かまぼこ、ちくわ)など非常に多くの食品に加工されます。
いわしを刺し身にする時は、皮をはぐと食感がよくなります。また、いわしは小骨が多いので、手開きにしたいわしを細かくたたいて、みそ、しょうが汁、酒、片栗粉などと混ぜてつみれにし、汁物にするのもおすすめです。ふわっとした食感と独特のうま味が楽しめ、鍋物に入れてもおいしいです。
 たっぷり含まれているカルシウムをうまく取るには、いわしを骨ごと食べるのが一番です。梅干し煮は、梅干しの酸で骨まで柔らかくなるので丸ごと食べられます。しょうがを一緒に使えば、いわし独特のにおいを消してくれます。EPA・DHAは、酸化されやすいので新鮮なうちに調理をすることがコツです。
 もっと手軽にいろいろな料理でいわしを食べてみませんか。キッコーマンでは、ホームクッキングでいわしのレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「いわし」のおすすめレシピ

 

 手開きにしたいわしに、しょうゆとみりんのたれを絡めて焼いた一品。手軽につくれ、いわしの健康効果も期待できます。