研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第42回「春菊」

地中海が原産

 

 春菊の原産地は地中海沿岸で、日本へは中国から室町時代に渡来したと考えられています。江戸時代の事典『和漢三才図会』には「春に花を開き、菊に似るが故」というような名前の由縁が書かれています。関西地方では、“菊菜(きくな)”とも呼ばれています。
 春菊の種類は、葉の大きさや切り込み方で3種類に大別されます。切り込みが浅く、柔らかくえぐみの少ない大葉(おおば)種、切り込みがあり、香りの強い中葉(ちゅうば)種、切り込みが深く、香りの強い小葉(こば)種に分けられます。
 春菊の平成26年産の出荷量は全国で24,800t、県別では千葉県が第1位で3,580t(14.4%)、次いで大阪府が第2位3,540t(14.3%)、第3位が茨城県で2,100t(8.5%)になっています。春菊は葉がしおれたりするので消費地近郊で栽培されていることが多く、そのため、産地も千葉県や大阪府、茨城県、福岡県など大都市に近いところが上位となっています。

「食べる風邪薬」の異名も

 春菊には、ビタミンやカリウム、カルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。中でもβ‐カロテンは、小松菜やほうれん草よりも多く含まれており、春菊に特徴的な機能性成分ということができます。
 β‐カロテンは、体内でビタミンAに変わり、抗酸化作用により活性酸素のはたらきを抑制したり、肌の老化防止にも効果があるとされています。
 近年の研究で、春菊に含まれるイソクロロゲン酸誘導体(カフェオイルキナ酸類)という化合物が、強い抗酸化作用を持つことが示されました。今後の研究に期待が持たれています。
 春菊の独特の香りは、α-ピネンやぺリルアルデヒドなどの成分に由来します。これらは、自律神経に作用して胃腸のはたらきを促し、消化吸収を良くしたり、痰を切って咳を鎮める作用があります。このようなことから、春菊は漢方薬の本場中国でも昔から珍重され、「食べる風邪薬」といわれています。

葉は生食もできる

 春菊はアクが少ないため、下ゆでの必要がない野菜です。やわらかい葉は生食もでき、独特の香りが口いっぱいに広がります。加熱の際は、時間のかかる茎部分を最初に、葉を最後に加えると均一に仕上がります。
 鍋料理の具材やてんぷらなど、和風で食べるのが一般的なイメージですが、洋風ではグラタンに加えるほか、バジルの代わりに春菊を使ったジェノベーゼ風パスタなど、一風変わった食べ方も人気があります。
 キッコーマンでは、ホームクッキングで春菊のレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「春菊」のおすすめレシピ

 

春菊とにんじんの彩りが楽しい副菜です。すりごまを加えてコクを出しています。