研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第49回「牛肉」

日常食になったのは大正以降

 

 牛肉を食用としたのは、縄文から弥生時代とされています。しかし、飛鳥時代以降肉食が禁じられるようになり、牛は農耕や運搬にのみ使われるようになったそうです。その後、戦国から江戸時代に外来文化の影響を受ける中で、健康回復や病人の養生として肉食が始まり、大正時代には日常的に食されるようになったといわれています。現在では日本人に欠かせない食材となっています。
 国産の肉用牛には3種の区分があり、「肉専用種(和牛)」、「乳用種(国産若牛)」、「交雑種(F1)」と呼ばれています。「肉専用種」は牛肉を生産する目的で飼育されたもの、「乳用種」は乳用の雄牛を肉向けに肥育したもの、「交雑種」は乳用の雌牛に肉専用種の雄を掛け合わせて肉質の向上をはかったものです。
 牛肉の品質を示す目安として、A5ランクなどの「牛肉の格付け」があります。牛肉の格付けは、歩留等級と肉質等級によって決められています。平成28年2月の肉用牛の飼養頭数は247万9千頭で、とくに北海道(51万3千頭)、鹿児島県(31万9千頭)、宮崎県(24万4千頭)が多くなっています。

カルニチンが脂肪燃焼を促進

 牛肉の魅力は何といってもそのおいしさです。その要因には味、香り、食感などがあげられますが、とりわけ香りが大きく関わっています。
 牛肉はおいしさだけでなく、健康維持のために欠かせない効能もあります。牛肉はたんぱく質の栄養価が高いだけでなく、さまざまな生体調整機能が期待されています。例えば、必須アミノ酸のトリプトファンからつくられるセロトニンは、その一部が脳神経に含まれていて、不足するとうつ病など脳の病気になりやすいといわれています。牛肉の赤身に多く含まれるトリプトファンを摂ることは、うつ症状の改善、脳の健康維持に大切といわれています。
 赤身肉にはカルニチンも豊富に含まれています。カルチニンには、運動により、食事で摂った脂肪や体内の余分な脂肪を燃やしてエネルギーに変える時に、脂肪の燃焼を促進する作用があるといわれています。
 現在、日本人の平均寿命は世界最長レベルを維持しています。これには医療技術の進歩、衛生面の改善とともに、牛肉を始めとする動物性たんぱく質の摂取増など、栄養面の向上があげられています。十分にたんぱく質を摂ることで、体内の免疫系が満たされて感染症にかかることも少なくなり、平均寿命の延びにつながっていると考えられます。

部位の特徴を知って調理を

 牛肉をよりおいしく食べるために、部位の特徴を知っておくとよいでしょう。焼くだけで最高においしいサーロイン、きめ細かくやわらかいヒレ、じっくり煮込むと濃厚な味わいのバラなど、肉質を知ってぴったりの調理法でおいしさを引き出しましょう。
 キッコーマンでは、ホームクッキングで牛肉を使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「牛肉」のおすすめレシピ

 

 手軽な切り落とし肉で、主菜にもなるボリュームサラダを。牛肉ならではのおいしさ、香りが楽しめます。