研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第55回「山芋」

原産地、形により分類

 

 日本では、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の中でも、特に食用として栽培されているものを中国原産の山芋、日本原産の自然薯(じねんじょ)、東南アジア原産の大薯(だいしょ)の3種類に分け、これらを総称して「やまのいも」と呼んでいます。
 さらに山芋は、いもの形により円筒形の「長芋」、扁平形の「いちょういも」、球形の「大和芋」の3つの品種群に大別されます。「長芋」は、日本での栽培量が最も多い品種で、長いものは1m以上にもなります。関東以北での栽培が多く、青森県と北海道が大産地です。「いちょういも」は、関東では「大和芋」とも呼ばれており、主に千葉県、群馬県、埼玉県などで栽培され、とろろによく利用されます。「大和芋」は、つくねいもとも呼ばれており、にぎりこぶしのような形をしています。
 現在、「やまのいも」の流通の8割以上を占めているのは「長芋」で、平成28年度の出荷量は105,800tであり、青森県47,800t、北海道42,500tや長野県5,940tが主要な産地となっています。

胃腸のはたらきを促進

 山芋は、中国では「山薬(さんやく)」と呼ばれ、皮を薄くはいで乾燥させたものを滋養強壮剤の漢方薬として利用しています。山芋は高血圧予防に効果があるといわれるカリウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群、ビタミンCなどをバランスよく含む健康野菜です。
 昔から「とろろ麦飯は何杯食べても腹を壊さない」といわれますが、これはでん粉の分解酵素であるアミラーゼを豊富に含んでいるからで、アミラーゼには胃腸のはたらきを促す効果があるといわれています。最近の研究では、山芋に含まれるサポニンのディオスゲニンは、体の抗酸化、血中コレステロール低下などの脂質代謝改善に効果が期待できることが報告されています。さらに、このディオスゲニンには、認知症やアルツハイマーの予防効果が期待されるような実験結果も得られています。

皮をむいたら酢水でさらす

 山芋の種類によって料理法を選びましょう。
 「長芋」は水分が多く粘り気が少ないので、せん切りやたたくなどして酢の物に。山かけや揚げ物のつなぎにも便利です。
 「いちょういも」はアクが少なく粘り気が強いので、とろろに最適です。
 「つくねいも」は粘り気が最も強く肉質もよいので、和菓子の原料やかまぼこなどの練り物のつなぎによく利用されます。
 山芋は、皮をむいたら酢を入れた水にさらし、アクを抜きましょう。こうすると変色や手がかゆくなるのを防ぐことができます。また、金属製のおろし器は変色することがあるので陶器のすり鉢を使い、周りに軽く当ててまわしながらすりおろすとよいでしょう。最後にすりこぎで仕上げると、一段と口当たりのよいフワッとしたとろろができます。
 キッコーマンでは、ホームクッキングで山芋を使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「山芋」のおすすめレシピ

 

 長芋のみずみずしさ、しゃきしゃきした歯応えを、すっきりとしたぽんずで楽しみます。