研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第58回「三つ葉」

露地や水耕栽培で

 

 三つ葉はにんじんやパセリなどと同じセリ科の植物で、数少ない日本原産の野菜です。名前は1本の茎に3枚ずつ葉がつくことに由来します。古くは、湿地などに自生したものを食用にしていました。野菜として栽培されるようになったのは江戸時代といわれています。
 三つ葉は露地や水耕栽培で密生させてつくられます。葉柄が全体に青い「糸三つ葉(青三つ葉)」、軟化栽培して根を切り取った「切り三つ葉(白三つ葉)」、根に土寄せして根つきのまま出荷する「根三つ葉」の3種類に大別されます。
 現在流通している三つ葉の主流は、水耕栽培の糸三つ葉で、平成28年の東京都中央卸売市場の取扱いでは、糸三つ葉1,820t(89.1%)、切り三つ葉48t(2.4%)、根三つ葉174t(8.5%)となっています。糸三つ葉は家庭用として店頭で見かけることが多く、切り三つ葉や根三つ葉は外食などに使われることが多いようです。平成28年の出荷量は1万4,300tで、千葉県2,630t、愛知県2,440t、茨城県1,530t、埼玉県1,410t、静岡県1,250tが主要な産地となっています。

独特の香りには抗菌、抗酸化作用など

 緑黄色野菜である三つ葉はβカロテンが豊富で、3種の中では糸三つ葉に最も多く含まれています。3種ともカリウム、カルシウム、鉄などのミネラルが豊富で、ビタミンC、E、Kなどのビタミン類も含んでいます。
 三つ葉には独特の香りがあります。最近の研究では三つ葉の精油から53の香り成分が検出され、そのほとんどがテルペノイドであることが分かりました。テルペノイドはさまざまな香味野菜に含まれており、抗菌、抗酸化、食欲増進、鎮静などの作用があるといわれています。また、三つ葉の地上部を風邪や咳の民間療法として使っている国もあり、三つ葉の抽出物が炎症を抑制するという研究も報告されています。

料理を引き立てる日本のハーブ

 糸三つ葉と切り三つ葉は、生のまま吸い物や丼、茶碗蒸しなどにちらして風味づけにしましょう。ゆでる場合は香りが飛ばないよう、熱湯に軽くくぐらせる程度に。天ぷらやかき揚げにしても香り豊かでおいしいです。根三つ葉は食感がしっかりしているので、サッとゆでておひたしや和え物、卵とじなどがおすすめです。
 さわやかな香りとみずみずしい緑、シャキッとした歯ごたえの三つ葉は、日本料理を引き立てる日本古来のハーブです。お吸物や茶碗蒸し、雑煮などに入れて香りを味わったり、おひたしや和え物などで食感を楽しむなど、もっと日々の食事に取り入れたい野菜です。キッコーマンでは、ホームクッキングで三つ葉を使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「三つ葉」のおすすめレシピ

 

 さわやかな緑色、独特の香りの三つ葉が、淡泊な鶏ささ身の味わいを引き出します。おもてなしにも向く品のいい小鉢です。