研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第60回「とうがん」

沖縄県のほか、愛知県などでも栽培

 

 とうがんはインドが原産といわれ、3世紀頃に中国に伝わり、5世紀頃に日本に伝来したと考えられています。奈良時代の『正倉院文書』などには「冬瓜」や「鴨瓜(冬瓜の和名)」の記載があり、平安時代の『本草和名(ほんぞうわみょう)』には「白冬瓜」の項目で、「和名 加毛宇利(かもうり)」と記載され、昔から日本に存在していたことがうかがえます。
 とうがんは夏が旬の野菜ですが、日持ちがよく冷暗所で保存すれば冬まで貯蔵できるためこの名がついたといわれます。円筒形の「長とうがん」や、丸形の「大丸とうがん」、沖縄の「琉球種」などあり、皮は緑色で、多くは完熟すると皮全体に白い粉をふきます。また、各地域に在来種があり、サイズも重さ2~3kgの小さなものから15kgほどの大型までさまざまです。大きなものはカットして売られていることも多いです。
 平成26年度のとうがんの収穫量のうち最も多いのは沖縄県で、約2,893tの収穫量があります。2位は約2,120tの収穫量がある愛知県、3位は約1,730tの収穫量がある岡山県です。

むくみの改善効果も期待

 とうがんは、体内のナトリウムを排出する作用があるカリウムを比較的多く含んでいます。このため高血圧予防、利尿作用によるむくみの改善が期待されます。さらに、カロリーが低いので、ダイエット向け野菜としても注目されています。
 とうがんは中国、東南アジアなど広い地域で食用とされており、中医学(中国漢方)では古くから薬用に供されてきました。薬効は“水を利す、痰を消す、清熱する、解毒する”などと伝承されており、魚毒や酒毒にも有効であるといわれています。近年の薬用食物の研究では、とうがんに抗アレルギー効果が期待されるヒスタミン遊離抑制作用が確認され、その活性成分としてとうがんに含まれるいくつかのトリテルペン類が見出されています。

完熟すると白っぽい粉をふく

 とうがんは未熟なうちは全体にうぶ毛が生えていて、熟するにつれてうぶ毛が落ち、完熟すると全体が白っぽくなります。果皮全体が白い粉でおおわれているのは完熟した証拠です。調理する時は縦にカットし、中のわたと種をスプーンなどで取り出して皮をむきます。口当たりをなめらかにしたい場合は皮を厚めにむくとよいでしょう。逆に皮を薄くむくと、表面にうっすらと緑色が残って見た目が美しくなります。とうがんの味は淡泊で、加熱するとやわらかくなります。そのため、だしやしょうゆなどの味を含ませた煮物や汁物によく使われます。
 キッコーマンでは、ホームクッキングでとうがんを使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「とうがん」のおすすめレシピ

 

 かつおだしを効かせた豆乳仕立ての冷たいスープです。とうがんのやさしい味わいにほっと癒やされます。