研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第61回「うなぎ」

ニホンウナギは絶滅危惧種に

 7~8世紀に編纂された歌集、万葉集には「武奈伎(むなぎ)」という記載があり、これはうなぎを指すといわれています。日本では古くからうなぎが食べられてきました。
 うなぎの代表的な料理に「かば焼き」があります。このことばが最初に登場するのは延宝8(1680)年の「噺(はなし)物語」だそうです。うなぎを開かずに丸のまま竹串に刺して焼いた形が「蒲(がま)の穂」に似ていることから「がまやき」。それが、変化してかば焼きになったのではと考えられています。
 日本には、東アジア一帯に分布する「ニホンウナギ」と、インド洋から南太平洋におよぶ広大な海域に分布する「オオウナギ」の2種類が生息しています。ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の減少により、平成12年度に16万t近くあったうなぎの国内生産量は、平成27年度には5万t程度まで減りました。平成26年6月には国際自然保護連合が絶滅危惧種のリストに掲載しました。
 平成28年度のうなぎの国内生産量は約1万9千tで、輸入量(中国、台湾など)は約3万1千tです。国内生産のうち最も多いのは鹿児島県で7,990t、2位は4,742tの愛知県、3位は3,255tの宮崎県で、99%以上はシラスウナギの養殖です。

高い健康効果

 

 夏のスタミナ源として知られるうなぎには、体によいとされるさまざまな栄養素が含まれています。
 ビタミン類では視力の維持に大切なビタミンAが多く、うなぎ100gで成人1日に必要な摂取量に達します。
 このほか、抗酸化性が高く老化防止に役立つビタミンE、各種ビタミン類(B1、B2、D など)、鉄、亜鉛、カルシウムなどのミネラルも含まれています。
 ほかに、EPAやDHAなど生活習慣病予防に役立つ高度不飽和脂肪酸が豊かです。さば、いわし、うなぎから搾油した魚油と種々の植物油を試験的に投与した実験では、EPAやDHAを豊富に含む魚油は、体重増加の抑制、中性脂肪の低下が観察されたとの報告があります。
 皮膚によいとされるコラーゲンが豊富であることも見逃せません。うなぎのコラーゲンペプチドを女性に8週間摂取してもらったところ、肌水分値が上昇し、色素沈着を抑制したとの研究結果も報告されています。

関東は背開き、関西は腹開き

 うなぎの調理は、関東では「背開き」で関西は「腹開き」です。これは江戸時代武士文化であった関東では、腹を開くことは切腹を連想させて縁起が悪いと嫌われたから。一方、商人文化の関西では「腹を割って話せるように」と腹から包丁を入れたと伝えられます。
 日本ではうなぎをかば焼きで食べることが多く、外国でもすしネタとしてかば焼きで食べたりしています。独特の食べ方をしている国もあります。例えば、中国や台湾では薬味と一緒に蒸したり、煮込んだりした料理で食べます。フランスではワインを使った煮込み料理、ムニエル、網焼き、フライなどもあります。ドイツではうなぎの燻製がサンドイッチの具などに使われています。
 キッコーマンでは、ホームクッキングでうなぎを使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「うなぎ」のおすすめレシピ

 

 かば焼きで手軽につくる混ぜご飯。ねぎや青じそなどの薬味が、うなぎのおいしさを引き立てます。