研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第63回「栗」

縄文遺跡からも出土

 栗の歴史は古く、縄文時代の遺跡「三内丸山遺跡(約5000年前)」からも数多くの栗が出土しています。平安時代初期には京都・丹波地域で栽培され始め、徐々に地域が拡大していきました。古事記(712年)や日本書紀(720年)にも登場し、平安時代の「延喜式(927年)」には乾燥させて皮をむいた「搗栗子(かちぐり)」や、蒸して粉にした「平栗子(ひらぐり)」なども記されています。丹波では現在でも栗の栽培が行われていて「丹波栗」はブランド品として有名です。
 「栗」は、大きく分けて4つの種類があります。国内で一般的に売られている「ニホングリ」、天津甘栗でおなじみの「チュウゴクグリ」、マロングラッセなどに使われる「ヨーロッパグリ」、国内ではあまり見かけない「アメリカグリ」です。見かけはあまり変わりませんが、それぞれ地域に合った特徴があります。
 2015年の栗の収穫量のうち最も多いのは茨城県で、約4,690tの収穫量があります。2位は約1,360tの収穫量がある愛媛県、3位は約1,350tの収穫量がある熊本県です。

カリウムや葉酸が豊富

 栗はカリウムが豊富に含まれているので高血圧などの予防が期待されます。造血作用のある葉酸も含まれており、貧血予防や葉酸を多く必要とする妊婦の方にも適しているようです。ビタミンCは風邪予防や美容効果が期待されていますが、栗のビタミンCはでんぷん質に包まれているので熱による損失はそれほどないといわれています。
 栗の果肉の黄色はカロテノイドに由来します。栗はビタミンAとしてはたらくα-カロテンとβ-カロテンを含んでおりますが、主たるカロテノイドはルテインです。 ルテインは目の網膜中心部にあるカロテノイドの1つで、抗酸化成分として紫外線等の酸化ストレスから目を守る働きをしているのではないかと考えられています。
 また、栗の渋皮はポリフェノールを豊富に含み、α-アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼなどの糖質分解酵素を阻害するため、糖吸収抑制効果と血糖値上昇抑制効果があることが確認されています。

保存は冷蔵庫のチルド室で

 

 栗は保存がききません。時間が経つと水分が飛んで実が縮んで味が落ちたり、虫に食べられたりするので早めに調理しましょう。保存するときは乾燥を防ぐためポリ袋に入れて冷蔵庫へ。できればチルド室がおすすめです。
栗は低温におくとでんぷんが糖に変わるため、鮮度のよい栗は冷蔵庫のチルド室で数日間保存すると甘味が増します。
 キッコーマンでは、ホームクッキングで栗を使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「栗」のおすすめレシピ

 

 繊細な栗の味わいを生かす、薄味仕立て。炊飯器で手軽に旬の味が楽しめます。