研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第65回「セロリ」

ギリシャ、ローマ時代は薬用植物

 セロリはにんじんや三つ葉と同じセリ科の野菜で、紀元前からヨーロッパの山岳地帯の湿地に広く自生していました。古代ギリシャやローマでは薬や香料として利用されるなど、薬用植物としての歴史が長く、食用としての栽培がヨーロッパ南部で始まったのは17世紀に入ってからだそうです。
 日本へは16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰ったといわれています。一般に普及したのはずっと後、食生活が洋風化した昭和30年代頃です。
 セロリは茎葉の色の違いによって、黄色種、緑色種、中間種、赤色種、白色種に大別されます。多くの産地で作付けされている「コーネル619」は、米国のコーネル大学で育成された品種で、大株のものが多い「中間種」の代表品種です。また「トップセラー」は、小型に栽培されることが多い「緑色種」の代表品種です。平成27年のセロリの出荷量は3万600tで、主な産地は長野県1万3,400t、静岡県6,170t、福岡県3,230t、愛知県2,650tです。

高血圧予防、精神を安定させる作用も

 古来より薬用として用いられていたセロリは、カリウム、ビタミンKなど、ミネラルやビタミンをバランスよく含んでいます。
 カリウムは、体内の余分な塩分の排泄を促して血圧を下げ、高血圧予防効果が期待されます。また、ビタミンKにはケガや内出血を起こした時に止血するはたらきがあります。セロリは特有の強い香りがありますが、これは、茎や葉に含まれる香り成分によるもので、精神を安定させる作用があり、イライラや不安感、不眠症などの解消に効果があるといわれています。
 チキンブロスをつくる際に野菜を加えると風味が増しますが、最近の研究でセロリにその効果が大きいことが確認され、その成分としてセロリの特徴的な香気成分フタライド類が寄与していることが明らかになりました。また、セロリにはアピゲニンやルテオリンなどのフラボノイド類や、カフェ酸などのポリフェノールが多く含まれていることが確認され、それらの抗酸化成分による健康効果も期待されています。

シチュー、スープに加えておいしさアップ

 

 日本ではサラダ需要の増加に伴い、肉厚で繊維が少なく香りもほどよい「中間種」のセロリが好まれ、流通の大半を占めています。欧米は加熱して食べることが多いので、肉厚で香りの強い「緑色種」が主流です。最近は日本でも本来のセロリの香りがする「緑色種」の消費が増えています。
 新鮮なセロリは茎の外側の筋が固いので、この部分を取り除いてから料理しましょう。その際は、茎の根元を上にして包丁をあて、葉の方に向かって手前に筋を引くようにして取り除きます。特有の香りとシャキッとした食感を生かし、茎の部分をサラダや和え物にして生で食べるほか、煮込み料理の香味野菜としても活用できます。カレーやシチュー、スープなどを煮込む際にセロリを加えると、風味が増して深みのある味に仕上がります。また、肉や魚などと一緒に炒めれば、くさみが取れてさわやかに仕上がります。
 キッコーマンでは、ホームクッキングでセロリを使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「セロリ」のおすすめレシピ

 

 セロリの風味で味に深みが増します。里芋や大根など、素材本来のおいしさを味わいましょう。