研究開発本部発!
食べ物が持つ健康パワー

食品の機能性について研究を行っているキッコーマン研究開発本部の農学博士が、食べ物が持つ健康パワーをおすすめ
レシピとともにわかりやすく解説します。

 

第68回「菜の花」

奈良時代から食用に

 「菜の花」は「菜花(なばな)」や「花菜(はなな)」とも呼ばれるアブラナ科の野菜で、若くてやわらかな花茎や葉、つぼみを食用にします。菜の花は地中海沿岸が原産地とされ、日本には奈良時代以前に伝来し、食用にされてたと考えられています。16世紀には油を取るための栽培も行われていたようで、江戸時代には照明などにナタネ油が使われていました。明治時代には西洋種の菜の花が導入され、昭和になると食用としての品種改良が進み、広く食べられるようになりました。
 菜の花には和種と西洋種の2タイプがあり、和種は花茎とつぼみと葉を利用し、西洋種はおもに花茎と葉を食べます。平成26年の菜の花の収穫量は2,332tで、主な産地は三重県706t、東京都218t、福岡県174tです。

βカロテンなど栄養豊富

 

 菜の花はβカロテンの含有量が多く、骨の健康維持に欠かせないカルシウムやビタミンKも豊富に含んでいます。βカロテンは体内で必要な量だけビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を保護したり、活性酸素を除去するなどのはたらきがあり、免疫力を高めたり、風邪やがん予防などに効果があるといわれています。そのほか、造血作用のある葉酸や、整腸作用のある食物繊維も多く、高血圧予防によいとされるカリウムも多めで、さまざまな栄養を豊富に含むすぐれた野菜といえます。
 また、菜の花などのアブラナ科野菜には種々のグルコシノレートと呼ばれる成分が含まれています。最近の研究で、グルコシノレートの分解物は辛味成分であると同時に、がんの抑制作用が期待される成分でもあることがわかってきました。アブラナ科野菜にはブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、大根、白菜、小松菜などがありますが、菜の花はこのグルコシノレート類を多く含んでいることが分かりました。グルコシノレートは50~60℃の加熱で最も減少しますので、その温度帯での時間を少なくするよう調理すれば、減少を抑えることができるそうです。

炒め物でβカロテンを上手に摂取

 菜の花は、特有のほろ苦さがありますが、ゆでると甘味が出るのでおひたしや和え物などに向きます。そのほか、炒め物、揚げ物、漬け物、汁の実、パスタなどもおすすめです。
 塩をひとつまみ入れた熱湯でゆでて、冷水に取って水気をきっておひたしに。ゆでる時は、茎の太い部分を先に、後からやわらかい葉の部分を鍋に入れると均等に加熱できます。少し歯応えが残るくらいのかたさでお湯から上げるとよいでしょう。
 菜の花はβカロテンが豊富なので、油で炒めると効率よく摂取できます。アクが気になるようならサッと下ゆでしてから炒めましょう。
 キッコーマンでは、ホームクッキングで菜の花を使ったレシピを公開しています。家庭で簡単に調理できますので、ぜひお試しください。

「菜の花」のおすすめレシピ

 

 オリーブオイルで炒めてかつお節で仕上げた1品。菜の花のほろ苦さ、甘さを味わってください。