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広がるしょうゆの種類と汎用性 ~明日からの食卓が変わる、しょうゆの楽しみ方~

東京本社 2017年8月6日

概要

講師

杉村啓先生

 みなさんの家庭には、しょうゆはどれくらいあるでしょうか。一般に、関東の家庭では1種類か2種類を使っていることが多く、関西の家庭では複数種類を使い分けることが多いと言われています。それはポン酢の方がより顕著に表れていて、関東では1種類か2種類に対して関西では3種類以上の家庭も多いのです。
 なぜそのような差が生まれたのでしょうか。これは、「濃口しょうゆが美味しすぎる」ことが原因だと考えています。主に関東で広まった濃口しょうゆは美味しすぎる調味料であるため、濃口しょうゆの文化圏ほど他の調味料を使わなくなってしまう傾向があるのです。
 たとえば味噌、たまりしょうゆ、魚醤は、昔は調味料として多く使われていたものの、現在では用途が限定されています。濃口しょうゆにとって変わられてしまったと言えるでしょう。
 そもそも濃口しょうゆは江戸時代に誕生したしょうゆで、江戸の水(硬水)に合わせて進化してきたという歴史があります。魚の生臭みを抑えるために、香りも強く、味わいも強く進化していきました。江戸の料理、寿司や天ぷらや蕎麦との相性は抜群です。

 ところが現在は、根本的に水質が向上しています。極端な硬水ではありません。さらに、寿司や天ぷら、蕎麦だけにしょうゆを使っているわけでもありません。ということは、濃口しょうゆだけにこだわらなくてもいいのではないでしょうか?
 現在ではしょうゆは大きく分けると濃口しょうゆ、淡口しょうゆ、たまりしょうゆ、さいしこみしょうゆ、白しょうゆがあります。さらに、しょうゆ加工品も充実しています。これらを使い分けるだけでも、食卓が豊かになるのではないでしょうか。
 さらにいえば、料理の味わいというのは素材の味と調味料と調理方法で決まるものです。このうち、お手軽に変化させられるのは調味料です。いつもより少し旨味の強い調味料を使うだけで、料理の旨味が増えます。しょうゆはそれほど価格も高くなく、それでいて使用頻度が高い調味料です。料理が苦手な人でも、つけしょうゆやかけしょうゆとして使う機会が多いでしょう。そんなしょうゆを少し変えるだけでも、普段の食事が少しおいしく変化するのではないでしょうか。

 現在のしょうゆは進化し続けています。基本となる5種類のしょうゆも進化していますし、流通や技術の進歩によって、今までは味わえなかったようなしょうゆが味わえるようになっています。しょうゆ加工品はますます多彩になり、魚醤も面白いものが増えてきました。いくつか紹介していきます。
 まずは、キッコーマンの『いつでも新鮮しぼりたて生』は、空気に触れない容器に入っているため、いつも生しょうゆを味わえる大ベストセラーです。味わいが変わらず、生しょうゆを味わえるのは技術の進歩の賜物と言えます。
 また関西の大手しょうゆメーカーからは毎年数量限定の特別な淡口しょうゆが登場しています。さいしこみしょうゆでもキッコーマンの『御用蔵生』のような、限定でありながら生しょうゆが登場しています。たまごかけご飯専用しょうゆも多彩なものが生まれていますし、アイスにかけるしょうゆ、パンにかけるしょうゆ、ヨーグルトにかけるしょうゆといったスイーツに合わせるものもあります。さらにキッコーマンの『サクサクしょうゆ』のような食べるしょうゆまであるのです。
 こういったしょうゆを集めて、使い分けていくだけでも食卓は豊かになるのではないでしょうか。是非、みなさんもさまざまなしょうゆを使ってみてください。

以上

2017年8月6日
キッコーマン国際食文化研究センター