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過去の展示

食文化に見るしょうゆの包装・容器 その1


展示の趣旨
ふだん何気なく使っている「容器」(Package)-皆さんは容器を改めて見つめ直し、考えてみたことがありますか?一般的には、中身にだけ注目して、入れ物には注意を払わないものです。でも容器がなかったら、数々の食品は皆さんの手元には届きませんし、また容器の性能が優れていないと食品は日持ちしないのです。容器が存在しなければ現代の食生活が成り立ちません。食品と容器は密接な関係にあるのです。

容器は、人類の長い歴史の中から必然的に生まれた知恵であり、科学の進歩を取り入れて発達してきた生活技術の一つです。原始時代以来発達してきた土器、中世以来戦後まで用いられてきた樽(たる)・桶(おけ)、戦時食料として開発された缶詰技術、容器の軽量化を実現させたプラスチック技術、宇宙食のために開発された レトルト技術など、容器は新しい時代のニーズに応えるべく、時代に合わせて開発され発展してきました。これらの“パッケージ革命”なくして、今日の豊かな食文化は成り立ちません。

現代では容器に対する課題は実に大きなものがあります。食品衛生・食品保持性という機能の向上、流通への貢献、また環境保護という観点からは、生態系への負担が低くリサイクルしやすい容器の開発などが必須となっています。

当センターは、上記のような諸点に着目して、改めて「容器」という視点から食文化を考えてみます。今回は包装・容器の意義を考察した上で、しょうゆ容器の略史を概観し、江戸時代以来しょうゆ容器の代表格だった「樽」について詳しく見ていきます。


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