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過去の展示

四季を巡る江戸庶民の行事と暮らし
冬 鞴(ふいご)祭
冬 鞴(ふいご)祭 江戸は武家を中心とした新興の都市で、全国各地から商人や出稼人が集まってきた。発展途上の町であり、一方、「火事と喧嘩は江戸の花」といわれるほど火事が多く、絶えず槌音響く町であった。
江戸は又、職人の町でもあった。江戸城造営や武家屋敷建築のために働いた職人集団は、職名をそのまま町名として住みついている例がみられる。大工町、木挽町、白壁町、畳町、具足町、鞘町、鉄砲町、鍛冶町、鍋町、桶町、瀬戸物町、箔屋町、紺屋町、呉服町などである。江戸の年中行事の中でも特筆されるのは、職人の行事である。
旧暦11月8日は「稲荷のお火焚き」ともいわれ、全国の鍛冶師や鋳物師たちが火防の稲荷神を祭り、「鞴祭り」と稱した。鞴とは火を起し、火気を強める送風機でスースーと息を切らすような音を出す。
「吹革祭、鍛冶鋳物師、餝白金細工、すべて吹革をつかふ職人、此日稲荷の神を祭る。俗にほたけ(火焚)と云。此夜子供あまた鍛冶が軒にあつまり、ほたけほたけとはやせり。柿蜜柑をなげて子供にあたふ」(『続江戸砂子』)とある。
鞴(ふいご)祭
お供物(くもつ)/鞴(ふいご)祭
鞴祭