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過去の展示

洋食 欧米食と和食との融合

西洋料理から洋食まで 洋食文化の夜明け
食生活における近代化の第一歩は明治政府が明治5年(1872年)正月24日の『新聞雑誌』に報じた「我朝ニテハ中古以来肉食ヲ禁セラレシニ恐多クモ天皇無謂 いわれなき ニ思召シ自今肉食ヲ遊バサルゝ 旨宮内ニテ御定メ之アリタリト云」の一文からはじまった。これは天武天皇4年(675年)以来続いていた「肉食禁止令」に終わりを告げ、同時に牛鍋の自由化を告げる大ニュースでもあった。巷では堂々「御養生肉」と朱色で染め抜いたフラフ(のぼり)が風にそよぎ、牛鍋一色に染まったといっても過言ではない。官民挙げての食の近代化はこうしてスタートしたのである。開港場には相次いで西洋料理店が開店する。その西洋料理は明治30年(1897年)頃になると、アレンジに天才的才能を発揮する日本の料理人によって、早くも和洋折衷料理という日本独特の料理を編み出す。それはやがてカツレツ、カレー、コロッケ、チキンライス、オムライス、カツカレー、カツ丼といった他国に類を見ない、すばらしい「洋食」として発展することになる。
それから約1世紀が過ぎた昭和45年(1970年)、ケンタッキーフライドチキンをはじめとする一連のファーストフード、アメリカ式立ち食い文化が上陸した。それは新世代の人々に歓迎され、その是非はともかく、日本人は国際人として生まれ変わるのである。
肉食解禁の記事『幕末明治新聞全集第六巻上』 明治初め頃の牛肉店(『牛店雑談安愚楽鍋』)
肉食解禁の記事
『幕末明治新聞全集第六巻上』
明治初め頃の牛肉店(『牛店雑談安愚楽鍋』)
西洋料理から洋食まで
和洋折衷料理
コロッケからカツレツそしてトンカツまで