葡萄の品種について 白

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ヴィオニエViognier

1990年代初頭から非常に流行した葡萄で、この品種で造られる有名なワイン、コンドリューに魅力があってしかも少量しか造られなかったことから広まったようです。

濃い黄色の果実で、この葡萄からできるワインはアルコールが高く、杏、桃また花を思わせる非常に特徴的な良い香りを持っています。

フランス全体としてみれば、この品種栽培の面積がやや減少傾向にありますが、ラングドック&ルーション地域では多く栽培され、他の品種とのブレンドに使われています。ローヌでの評判に刺激されたせいか、カリフォルニアでも人気が出てきました。オーストラリアや他の地域でも増加の兆しが見えています。

か行

ゲヴュルツトラミネルGewürztraminer

この品種は、トラミナー種の変異種の中で最も多く栽培されている葡萄です。アルザス地方のワインを産み出す品種の一つとして広く知られています。

ワインは非常にはっきりした、独特の豊かで複雑な香りを持っています。例えば、バラやライチのような花やフルーツの香りと、スパイスの香りを持っています。口に含むと濃厚でコクがあり、当たりはまろやか。深い色合いと芳醇さ、どの白ワインと較べてもフルボディーである点など、この品種ならではのものです。

「ゲヴュルツ」は、ドイツ語の「スパイスが利いた」という意味そのままに受け取られてきましたが、香り高い、あるいは芳香のある、ぐらいに考えるべきとされています。

甲州Koshu

この葡萄は、日本に非常に古くから定着している品種です。国産白ワイン用の葡萄として、最も多く使用されているのがこの甲州種。

この葡萄にまつわるいくつかの伝説はありますが、日本への伝来ははっきりしていません。

しかし、この葡萄の起源は、紀元前のカスピ海沿岸に自生していたという、カスピーカ亜系ヴィティス・ヴィニフェラ種にまでさかのぼることができます。それがシルクロードを経て中国へ、そして半島を超えて日本へ伝えられたと考えると、大変興味深い葡萄ということになります。

なお、最近のDNA解析の結果、日本に伝来する過程で中国の野生種と一部交雑したことが推定されました。これが日本の風土に適応することに役立ったとも考えられています。

その後、栽培法の工夫、醸造法の研究などによって、この葡萄が持つ上品で繊細な持ち味を活かしたワインが産み出されるようになりました。

マンズワインはその創業期にグラスライニングの大型タンクと優良酵母菌株を用いた、低温発酵によって、それまで並酒しかできないといわれていた甲州種から高品質のワインを造りあげました。 甲州種から造ったワインを10年以上酸化を防ぎながら熟成させた「ソラリス 古酒甲州」は内外で高い評価を受けています。

さ行

シャルドネChardonnay

写真:シャルドネ

この品種は栽培される土壌や、気候、あるいは醸造の仕方、熟成などによって多彩な表情を見せる品種です。また、ワインを飲み始めたばかりの人にも愛好家にも人気があるというのもこの葡萄の特長です。ということで、シャルドネ種は栽培者にも、ワインを醸造担当者にも、ワインの飲み手にとっても、ありがたい品種といえます。

その人気を支えているのは、この葡萄で造られるブルゴーニュの偉大な白ワインが貴族的で、繊細かつ上品、そして複雑であることでしょう。モンラッシェをはじめ、コルトン・シャルルマーニュ、ムルソーなどコート・ドールの銘酒やシャブリがこの品種で造られています。その素晴らしさが、シャルドネ種で造られる全てのワインの名声を支えているといって過言ではありません。

また、シャンパンの原料としても重要な地位を占めているほか、カリフォルニア、オーストラリアをはじめとするニューワールドでも広く栽培されいます。そして、マンズワインの「ソラリス 信州小諸シャルドネ 樽仕込」、「ソラリス 信州シャルドネ 樽仕込」、「ソラリス 信州シャルドネ・マセラシオン・リミテ」などは、日本の代表的辛口白ワインといえます。

現在、この品種は世界で最も需要の高い品種といっていいでしょう。

ソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc

写真:ソーヴィニヨン・ブラン

ボルドーの白ワイン用葡萄の品種として、またロワール地域のサンセールや、プイイ・シュール・ロワールなどでも広く栽培されよく知られています。房は比 較的小さく円錐形。粒も小さく卵形、完熟すると美しい黄金色になります。

この葡萄からは、緑の草やグレープフルーツなどのトロピカルフルーツの香り、かすかに燻製のような香りを持つワインができます。カシスのようなアロマがあるともされ、この品種を使ったすっきりした味わいのワインがフランス国内だけではなく、例えばチリのような世界のワイン地帯で造られ、現代人の嗜好にマッチして人気を得ています。

「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種名は、青葉を傷つけたような特徴的な香りを持っていることから、「sauvage・野生の」という語が元になっているという説があります。

シュナン・ブランChenin Blanc

ロワール河中流域などで非常に優れた白ワインを生み出す葡萄です。

この葡萄からは、様々なタイプのワインが造られます。気候に恵まれ最高の品質に達すると貴腐ワインを産み出し、また独特の個性を持つやや甘口のワインも辛口ワインもできます。辛口から甘口までのスパークリングワインさえ造られます。

南アフリカで最大の収穫量を持つこの葡萄は、1655年にオランダ人によってヨーロッパからケープタウンにもたらされたと考えられています。南アフリカで長い間「Steen/スティーン」と呼ばれていた葡萄が、1965年科学的な調査の結果「シュナン・ブラン」であることがわかってから、それまでにも増して多く栽培されるようになりました。

セミヨンSemillon

写真:セミヨン

南西フランスの黄金色の葡萄品種です。この葡萄は果皮が薄く貴腐菌が繁殖しやすいので、ボルドー、ソーテルヌの素晴らしい甘口ワインの原料として重要な位置を占めています。そのことによって、世界的に名声を馳せ、多くの国々で広く栽培されるようになりました。しかし、最近は、辛口ワインの需要が高くなって、この品種は斜陽の品種になってきています。

善光寺Zenkouji

写真:善光寺

1970年代の前半、当時のマンズワイン社長茂木七左衛門が長野市の湯福神社近くの旧家にあるこの葡萄を見つけて、研究した結果、ヨーロッパのワイン用葡萄と起源を同じくするカスピーカ亜系ヴィティス・ヴィニフェラ種であることが確かめられた葡萄です。

ほとんど絶滅寸前だったこの葡萄を甦らせ、日本の葡萄の原料にするためにマンズワインで育成が始められました。千曲川流域に開かれた畑で栽培されるこの品種からは、日本の風土そのもののような繊細で、気品のある香りのワインが産み出されています。

シルヴァナーSilvaner

中央ヨーロッパに広く植えられ、東欧では長い歴史を持った葡萄です。

この品種の名前「シルヴァナー」は、ローマ神話の森の守護神、シルヴァヌス(Silvanus)にちなんだ名前とされ、森林地帯の原産であることを示唆しています。

この葡萄は東方からドイツに入り込んだものと考えられ、中世ドイツの葡萄畑には広く植えられました。1659年に、オーストリアからフランケン地方に到達したことは記録されていて、その地域ではいまでも2番目に多く栽培されている品種です。

ドイツではこの葡萄の約半分がラインヘッセンで栽培され、残りはフランケンとファルツで栽培されています。フランケンではリースリング種が成熟しにくく、この品種が栽培されています。土壌の香りを持った、はじけるような味わいの、とても素晴らしいワインがここで生産されています。

ドイツ以外では、フランスのアルザスで広く栽培されているほか、スロヴェニアで比較的重要に扱われ、東欧全域で栽培されています。

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ビノ・グリPinot Gris

名前からもわかるように、ピノ科に属するアルザス地方で多くワインに使われる品種です。

この葡萄は収穫率も低く、「気むずかしく」て栽培が難しいといわれています。この品種からはアルコール分が高く、コクのある、力強い腰のしっかりした白ワインができます。よくできた年のワインは上品に仕上がり、快適で柔らかな口当りの楽しいワインになります。

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ミュラー・トゥルガウMüller-Thurgau

この葡萄は交配品種です。スイスのトゥルガウ州で生まれて、ドイツのガイゼンハイムにある葡萄栽培研究所で仕事をしていたヘルマン・ミュラー博士によって開発された品種です。

当初の目的は、リースリングの良さに、シルヴァナーの早熟性を持たせることにありました。交配の一つの目的である早熟性は確かに持ち合わせていて、人気も高いのですが、やや個性的な魅力に欠けるという評価を受けています。

ミュスカMuscat

生食とワインの両方に用いられる偉大な品種の一つ。「マスカット」と呼ばれる葡萄と同じ品種です。ミュスカ種は色々な果実を持つ少なくとも四つの主な品種があり、葡萄そのものの味がするワインになる数少ない葡萄のうちの一つです。

マスカット・ハンブルグ種「Muscat Hamburg」とマスカット・オブ・アレキサンドリア種「Muscat of Alexandria」は、ワイン用と生食用の両方のために栽培されています。ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン種「Muscat Blanc a petits grains」は最も古く、最も優れたもので、凝縮された味わいのワインになります。もう一種類はミュスカ・オットネル種「Muscat Ottonel」という葡萄。葡萄の中で最初に識別され、確認されたのがミュスカ種とみられ、何世紀にもわたって地中海周辺で栽培されてきました。

ラングドック&ルーション地方のミュスカ種からは、非常に豊かな香りが特長の甘口ワインが、アルザスのミュスカ種からは辛口白ワインが造られます。

ミュスカデMuscadet

“ムロン・ド・ブルゴーニュ/ Melon de Bourgogne”とも呼ばれるフランスの品種。現在はほとんどナント地域だけで栽培されていますが、この名前でわかるように、原産地はブルゴーニュとされています。ミュスカデワインは、この葡萄だけが使われます。

ナントでは重要な葡萄で、発酵が終わったあとのワインからオリを除かないで、樽かタンクの中で熟成させる伝統的な方式「シュール・リー」方を用いることで、ワインに個性を与えています。辛口で、酸味が際立ったワインになります。新鮮さとまろやかさをあわせ持ち、デリケートな香りにも特徴があります。

ら行

リースリングRiesling

写真:リースリング

白ワイン用の偉大な品種です。「リースリング種といえばドイツ」と思い浮かべるほど密接に結びついてはいますが、東欧やニューワールドでも栽培されています。

リースリング種で造るワインは長命で、他のワインとはっきり違う独特の個性を持っています。栽培される土壌の特徴をワインに取り込む能力という点でも世界的に重要で、良質の白ワイン用葡萄といえます。

いまは、リースリング種で造られるワインの平均残留糖分は次第に減ってきてはいますが、アイスヴァインや、ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼ、その他ドイツ以外のワインであっても、この品種は優れた甘口ワインを産み出すという個性が際立っています。

甘口という言葉で誤解されやすい傾向がありますが、リースリング種は果実味あふれる天然の酸を多く含んでいて、残留糖分とのバランスの良さが身上といえます。

この葡萄は耐寒性を持っていて、比較的冷涼な土地でも栽培できます。

フランスのアルザスでは、この葡萄から辛口ワインを造り、よく知られています。アルザスのリースリング種は、魅惑的香りをもちつつアルコールの強い(12%強)極辛口の味わいに仕上がっています。