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過去の展示

食文化に見るしょうゆの包装・容器 その2


しょうゆ容器としての陶磁器・ガラス容器

しょうゆの輸出 ―コンプラ瓶とケルデル壜がオランダへ―
江戸時代は 『鎖国』 の時代と言われていますが、日本とオランダの間には、通商関係がありました。しょうゆも、長崎を窓口として東南アジアを経て、オランダへ輸出されていたのです。(当センターの前々回展示『長崎商館仕訳帳などにみる江戸時代のしょうゆの海外輸出』において説明致しました。)その際、コンプラ瓶・ケルデル壜は、輸出しょうゆの容器として、オランダへ渡ったのです。

17~18世紀の日本・オランダ貿易航路
17~18世紀の日本・オランダ貿易航路 17~18世紀の日本・オランダ貿易航路
17~18世紀の日本・オランダ貿易航路 17~18世紀の日本・オランダ貿易航路
出典 佐賀県立九州陶磁文化館 編 『土と炎-九州陶磁の歴史的展開-』(九州陶磁文化館 1996年)

コラム 2 長い輸送期間で しょうゆは劣化しなかったの?
しょうゆがバタビア(現在のジャカルタ)を経てオランダに到着するまでには数ヶ月を要し、また、熱帯である赤道付近を航行したため、しょうゆの保存にはたいへん厳しい輸送環境でした。輸送の間に、しょうゆは劣化しなかったのでしょうか?微生物対策(防菌)として、しょうゆを煮沸してからコンプラ瓶に詰め、木の栓でしっかり閉めて瀝青で固めた、という19世紀のスウェーデンの植物学者ツンベルクの記録があります(『日本紀行』)。しかし、実際それだけではしょうゆの酸化劣化は避けられなかったと考えられます。
当センターでは、当社商品開発室の協力を得て、各種容器(磁器のコンプラ瓶、陶器の徳利、ガラス壜、PETボトルの4種類)に詰めたしょうゆの保存試験を行ないました。「Panel-11」にその結果をまとめましたので、ご覧ください。


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