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過去の展示

食文化に見るしょうゆの包装・容器 その2


まとめ

今日私たちの身の周りには、陶磁器やガラス容器が普及していますが、その一方で、私たちはその歴史や作り方、さらにはしょうゆ容器としての使われ方について、それほど気にかけたことはなかったのではないでしょうか。今回の展示から、食文化の重要な要素である「容器」について、理解を深めていただけたことと思います。 陶磁器・ガラス容器は、人々の食生活に欠かせないしょうゆの容器として活躍してきました。前回の展示でご紹介した「樽」は、近年ほとんど使われなくなりましたが、陶磁器・ガラス容器は現在に至るまで、私たちの食生活の中で広く使用されていることがお分かりいただけたことと思います。

明治以後、ガラス容器が普及していく中で、しょうゆ容器にもガラスが用いられるようになりました。ガラス容器は、食品の保存性や内容物の視認性という点で優れた容器であることが、その主な要因であると考えられます。しかし、陶磁器は材料や焼成温度を変えることによって陶磁器特有のデザインや色が可能であり、そのことが、現在までさまざまな食器として、さらにはしょうゆの卓上容器としても広く愛されている理由となっているのでしょう。

ガラス容器が再利用できることは周知のことですが、陶磁器もそうでした。江戸時代では、陶磁器は何度も繰り返し使用され、割れたときにも「焼きつぎ屋」といわれる職人によって修理し、再利用されていたのです。

一つひとつに味わいがあり、再利用できる陶磁器・ガラス容器は、先人が私たち現代人にもたらしてくれた大いなる発明といえるでしょう。環境問題の解決が人類にとって重要な課題となっている今日、陶磁器・ガラス容器の見直しがなされてもいいのではないかと思います。




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