ニュースリリース No.16022

キッコーマン、 「醸造技術の革新による血圧降下ペプチド高含有醤油の開発」で 2016年度農芸化学技術賞を受賞!

2016年03月25日

キッコーマン株式会社は、公益社団法人日本農芸化学会より、「醸造技術の革新による血圧降下ペプチド高含有醤油の開発」に対して2016年度農芸化学技術賞(*1)を授与されることになりました。授賞式と受賞講演は、3月27日に日本農芸化学会2016年度大会(於 札幌市教育文化会館)にて行われます。

高血圧は脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、心臓病(冠動脈疾患、心肥大、心不全など)、腎臓病(腎硬化症など)および大血管疾患の強力な原因疾患であるといわれています(出典1)。日本において高血圧症有病者と正常高値血圧者の合計は5,490万人(出典2)にものぼり、国民の健康維持・増進の観点から、高血圧の発症予防あるいは症状改善を図ることが重要な課題となっています。

キッコーマンでは、おいしさを付与するという、しょうゆの調味料としての機能はそのままで、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチド(*2)を豊富に含有するしょうゆ(しょうゆ加工品)を開発し、ヒト試験においてその血圧降下作用を確認しました。また、本研究成果を応用することにより、しょうゆ類で初の「血圧が気になる方」に適する特定保健用食品(トクホ)として商品化しました。(*3)今回、これらの研究開発および実用化が評価され、2016年度農芸化学技術賞を授与されることになりました。

「健康日本21企画検討会・健康日本21計画策定検討会報告書」によると、国民の収縮期血圧水準が2mmHg低下すれば、脳卒中死亡率が6.4%減少すると推計されています。高血圧は日本国内だけでなく、世界各国においても問題となっており、今後、本技術を展開することにより、世界の人々の食生活と健康増進に大きく貢献することが期待されます。
キッコーマンは、これからも「食と健康」の分野で「お客様の生活を豊かにする」ためのサポートをしてまいります。

(出典1)「高血圧治療ガイドライン2014(日本高血圧学会)」より
(出典2)「平成18年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)」より

(*1) 公益社団法人日本農芸化学会が、農芸化学分野において注目すべき技術的業績をあげた正会員(個人または企業)に授与する賞です。対象の業績は実用的価値があることを要するとされています。
(*2) アンジオテンシン変換酵素(ACE)は、生体内に存在し、血圧を上昇させるホルモン(アンジオテンシンII)を産生することにより血圧を上昇させる作用があります。ACE阻害ペプチドは、ACEの作用を阻害し、血圧上昇を抑えるはたらきが知られています。なお、ペプチドとは、タンパク質を分解して得られる、アミノ酸がいくつかつながった成分のことです。
(*3) 「キッコーマン まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」を2013年に新発売し、

血圧降下ペプチド高含有醤油の開発の概要

近年、ACE阻害作用を有する食品由来のペプチドが血圧降下作用を発揮することが報告されています。従来のしょうゆにもペプチドが微量に含まれることが知られていましたが、ACE阻害作用については詳しくわかっていませんでした。キッコーマンでは2003年からしょうゆ中のACE阻害ペプチドの研究を開始し、独自の醸造技術(特許登録済)によってACE阻害ペプチドを豊富に含むしょうゆ様調味料(大豆発酵調味液)を2008年に初めて開発しました。合わせて、大豆発酵調味液から血圧降下作用に寄与の高い代表的なペプチドを発見し、正確に含有量を測定する技術も確立しました。
さらに、大豆発酵調味液を減塩しょうゆに配合し、だし等で味を調えた大豆ペプチド高含有減塩しょうゆを開発しました。これを用いて血圧が高めの方〔132人〕(*4)を被験者として試験を実施したところ、大豆ペプチド高含有減塩しょうゆ摂取群の血圧は,対照(通常の減塩しょうゆ)群と比較して有意に低下することが示されました。なお、被験食品に起因する有害事象は認められず、安全性も確認しました。

(*4) 「正常高値血圧」(収縮期血圧130~139 mmHg、または拡張期血圧85~89 mmHg)の方、および「I(イチ)度高血圧」(収縮期血圧140~159 mmHg、または拡張期血圧90~99 mmHg)の方

以上