五目豆

調味料を2回に分けて入れ
香りを重ね、味わい深く

五目豆は、文字通り5種類の具材をあわせた煮物です。基本は具材の大きさをそろえることにあります。見た目も味わいも、全体のバランスを意識してつくっていきましょう。

今回はだしを使わずに、味わい深く仕上げていくレシピです。ポイントは、調味料を2回に分けて加えること。しょうゆとみりんは、煮詰め具合で異なる味わいや香りを放ちます。5分煮たフレッシュ感と20分煮たコクのある香りや味わいはまったく違います。この2つを重ねることで、同じ調味料を使いながら、奥行きのある味を出すことができます。味付けは「しょうゆ:みりん:水=1:1.5:10~12」と水が多めの薄味ですが、2回に分けて調味料を入れることで味がぼんやりしません。また、昆布がだしの代わりにうま味を補い、味に奥行きを加えてくれます。

五目豆のように具材の数が多いものは、少量よりも多めの分量でつくったほうが、全体の味がまとまり、おいしく仕上がります。味もよくなじんでいくので、常備菜におすすめです。

  • ●具材のサイズ感を揃える
  • ●2回に分けて調味料を入れる
  • ●多めにつくる

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料

  • 大豆の水煮…150g
  • にんじん…1/2本(80g)
  • れんこん…100g
  • こんにゃく…1/2枚(100g)
  • 昆布…2枚(5×7cm)
  • 水…1と1/2カップ
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3

つくり方

1. 大豆、にんじん、れんこんの下ごしらえをする

大豆は缶汁をきり、熱湯をかけて、水気をきる。にんじんは皮をむき、厚さ1cmのいちょう切りにする。れんこんは1cm角に切る。

食材の特徴にあわせて切ります

大豆に熱湯をかけるのは、豆の周りについているサポニンなどの成分や缶汁をしっかり落とし、くさみを取るためです。にんじん、れんこんは皮をむいてから切ります。にんじんは彩りや飾りでもあるため、いちょう切りにしますが、やわらかくなりやすいので、形が崩れないよう大きめに切ります。れんこんは、厚めに切って穴の形や大きさに気をつけながら同じ大きさになるように切ると仕上がりがきれいです。

2. こんにゃくの下ごしらえをする

こんにゃくは1cm角に切り、塩をふってよくもむ。塩が完全に溶けたら、流水で洗い、ざるに上げて水気をきる。

アク抜きをしながら下味をつけます

下ゆでする代わりに、塩もみでアクを抜きます。味の入りにくいこんにゃくにうっすら下味をつける狙いもあります。

3. 昆布の下ごしらえをする

昆布は大きなまま水に入れ、約10分おく。やわらかくなったら1cm四方に切り、水に戻す。

最初と最後に水にさらす理由は違います

最初に水にさらすのは、硬い昆布をやわらかくして切りやすくするためです。包丁で切りにくいときはキッチンバサミを使っても良いでしょう。その後で小さく切ってから水にさらすのは、うま味を出すためです。断面積が増えさらにうま味がしみ出します。

4. 1回目の調味料を入れて煮立てる

鍋に昆布と水、半量の調味料を入れる。中火で煮立てる。

みりんのアルコール分を飛ばします

ここで1回目の調味料の投入です。具材を入れる前にひと煮立ちさせるのは、みりんのアルコール分を飛ばすためです。飛ばす前に具材を入れると、具に苦みが残ってしまいます。

5. 具材を入れて煮る

中火のまま、大豆、にんじん、れんこん、こんにゃくを加える。煮立ったら弱火にする。水で濡らしたペーパータオルをかぶせる。ふたをして10分煮る。

5種類の具材の旨みや風味をひとつの味に

煮汁が少なく感じますが、煮るうちににんじん、こんにゃく、れんこんから水分が出てきます。その水分を昆布や大豆が吸って、さらにそのうま味を他の具材が吸収します。こうして5種類の具材が、旨みや風味を交換し合いながら全体の味をつくっていきます

6. 2回目の調味料を入れて煮る

残りの調味料を加える。ペーパータオルを戻し、ふたをして、さらに15分煮る。火を止め、ふたをしたまま20分ほど置く。

ふたをして煮汁をじっくり含ませます

ペーパータオルの落としぶたをすることで、煮汁が対流しやすくなります。最後までふたをしておくのは、戻した昆布や大豆に煮汁を含ませふっくらさせたいからです。

(1人分熱量226kcal/塩分3.2g/調理時間約40分)※調理時間に昆布を戻す時間、ふたをして煮汁を含ませる時間は含まず。

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ヘルシーポイント

五目豆は、こんにゃく、昆布、大豆などヘルシーな食材ばかりです。具材が小さいため、一粒ずつ口に運んで時間をかけて食べることになります。満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日