きんぴらごぼう

ごぼうの切り方ひとつで
味わいも盛り姿も変わります

シンプルな料理ですが、ごぼうの切り方にコツがあります。火が通りづらく、味が入りにくいごぼうに、味を入れつつ、ほどよい食感を残すために、斜めに切ってから細切りにします。この切り方を「なます切り」といいます。お正月に大根なますをつくるときの切り方です。なます切りの利点は、食材の繊維を斜めに断ち切れることです。断面から火が通りやすく、さらに味も入りやすくなり、ほどよい食感が残ります。また、細切りになった1本1本の両端に皮が残るのも魅力です。仕上がりに表情が出て、盛り姿が美しくなります。

ごぼうの味わいは、だしに匹敵するほど豊かです。その味わいや風味を逃さないよう、皮をむきすぎない・細く切りすぎない・水にさらしすぎないことも大切です。香りを引き出すために、調味の前にしっかり焼きます。水分を飛ばしておくと味も入りやすくなります。

和食のおかずの甘辛味は、しょうゆ:みりん=1:1をベースにすることが多いのですが、このレシピはみりんを増やし、しょうゆ:みりん=1:2で味付けします。みりんを煮立てながらアルコール分をゆっくりとばして甘みを凝縮し、その間にごぼうに味をしみ込ませます。

  • ●皮をむきすぎない・細く切りすぎない・水にさらしすぎない
  • ●ごぼうを「なます切り」にする
  • ●しょうゆ:みりん=1:2で調味

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • ごぼう…1本(120g)
  • にんじん…30g
  • ごま油…大さじ1
  • ごま油(仕上げ用)…小さじ1
  • 〈A〉
  • キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ1
  • マンジョウ 国産米こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
  • 赤唐辛子…1/2本

つくり方

1. ごぼうを切る

ごぼうは泥を落とし、スプーンで皮や黒い部分をこそげ落とす。5mm幅の斜め切りにし、さらに5mm幅に切る。5分ほど水にさらす。

やや太めの「なます切り」には意味があります

ごぼうの風味を無くさないために、洗うときにはごぼう本体を削らないように加減します。手加減しながら洗える「たわし」が1個あると便利です。皮はむきすぎずに、黒い汚れなどが気になるところはスプーンでこそげ落としましょう。そして、斜めに切ってから細切りにする「なます切り」に。やや太めに感じる5mm角に切る理由は、食感のためと、焼き時間を長めにして旨みを引き出すためです。細すぎると焼くときに旨みが出る前に焦げたり硬くなったりしてしまいます。あく抜きの水は少なめで、全体がかぶるくらいに。風味が抜けすぎないよう、さらす時間は長くても5分程度にします。ごぼうの白さを保ちたいときには酢水にさらしますが、きんぴらは水で十分です。

2. にんじん、赤唐辛子を切る

にんじんは皮をむき、5mm幅の斜め切りにし、さらに5mm幅に切る。赤唐辛子はぬるま湯でふやかして小口切りにする。

唐辛子はふやかしてから切ります

にんじんもごぼうと同様に「なます切り」にします。赤唐辛子はぬるま湯でふやかしてから切ると、きれいな小口切りができます。

3. ごぼうを焼く

フライパンにごま油を入れて中火で熱し、水をきったごぼうを2~3分焼く。

焼くことで香りや旨みを引き出します

ごぼうだけを先に焼きます。焼く理由は2つ。ごぼうの香りや旨みを引き出すため。もうひとつは、水分をとばして調味料をごぼうの中に入りやすくするためです。フライパンに広げたら2~3分、そのまま触らずに焼くのが大事。触ると温度が下がり、熱がなかなか通らず、香りや旨みが十分に引き出せません。片面に焼き色がついたら全体をかるく混ぜます。

4. にんじんを加えて炒める

にんじんを加えて、2分ほど混ぜながら炒める。

火の通り具合はごぼうの色で見極めます

にんじんを加えたら、混ぜ続けながら2分ほど炒めます。ごぼうの色が透き通ってきたら火が通った合図です。

5. 調味料を加える

合わせておいた〈A〉の調味料を加える。

はじめにみりんのアルコール分をとばします

中火のまま、フライパンの中央をあけ、合わせておいた調味料を入れます。みりんのアルコール分をとばすために、混ぜずにそのままでふつふつさせます

6. 炒める

2~3分全体を混ぜるように炒める。最後に仕上げ用のごま油を回しかける。

香りだしで仕上げるようにごま油をひとまわし

水分がなくなるまで調味液を絡めながら2~3分炒めます。最後にごま油をかけます。仕上げのごま油は、香りだしのような役割で味に深みを与えてくれます。

(1人分熱量164kcal/塩分1.2g/調理時間約20分)

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ヘルシーポイント

食物繊維が豊富なごぼうをたっぷり食べられるレシピです。にんじんの代わりにしいたけを使ったり、ごぼうを半量にしてこんにゃくを加えたりすることで、よりヘルシーにアレンジできます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日