さつまいもの甘煮

適切な温度でゆっくり煮て
さつまいもの甘みを引き出します

さつまいものでんぷんは、60~70℃で甘みに変わります。この温度帯でゆっくり煮ることで甘みを引き出すのが、さつまいもの甘煮をおいしくつくる秘訣です。「ゆっくり煮る」。この目的に合わせて、切り方や煮汁の配合も決まってきます。

まず、さつまいもは長時間煮てもやわらかくなりすぎないよう、大きめに切ります。輪切りにすることで煮崩れしにくくなります。また、途中で水分がなくならないよう、煮汁は「しょうゆ:みりん:水=1:2:10」と水多めの配合です。

甘煮とはいえ、おかずになる一品として仕上げたいので、さらに2つの工夫をします。はじめにさつまいもを1分ほどでゆでこぼし、表面のでんぷんを流します。こうすることで口当たりがスッキリした味に仕上がります。さらに調味料には、素材の甘みを引き出しつつもおかずらしい風味を加えられるしょうゆを使います。そして甘みはみりんで。煮崩れを防ぎながら、さつまいもの香りと甘みを引き出すことができます。

  • ●大きめに切り、多めの煮汁で、ゆっくり煮る
  • ●一度、ゆでこぼす
  • ●しょうゆでおかずらしい味わいに仕上げる

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料

  • さつまいも…350g
  • 〈A〉
  • 水…2カップ
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ4

つくり方

1. さつまいもを輪切りにする

さつまいもは1.5~2㎝の輪切りにする。5分水にさらす。

火の通りを考えて幅を変えます

太い部分は1.5cm幅、細い部分は2cm幅を目安に、やや大きめの輪切りにします。切った後に水にさらす理由は、切り口から出るでんぷん質が煮汁をにごらせるのを防ぐため。もうひとつは、切り口が空気にふれて褪色するのを防ぐためです。

2. ゆでこぼす

鍋に入れ、水(3カップ)を加えて中火で煮立て、1分たったらざるに上げる。

すっきりした口当たりと鮮やかな色のために

一度ゆでこぼすことによって、さらに表面のでんぷんが取れます。これですっきりとした味わいになり、鮮やかな色に仕上がります。

3. 調味料をひと煮立ちさせる

鍋に〈A〉を注ぎ、中火で煮立てる。

アルコール分をしっかり飛ばします

みりんのアルコール分を飛ばすために、煮立てます。アルコール分が残っていると苦味が出てしまいます。

4. 60~70℃で煮る

火を止めて、さつまいもを並べる。再び中火にし、煮立ったら弱火にする。濡らしたペーパータオルをかぶせて、ふたをしないで20~25分煮る。

適切な温度を保ちながらゆっくり煮汁を回します

一度火を止めて、あわてずにきれいに並べましょう。ふたをしないで煮るのは、熱をこもらせず60~70℃の温度帯でゆっくりと煮たいからです。濡らしたペーパータオルが落としぶたの役目になり、まんべんなく煮汁を回してくれます。表面が出るほどに煮汁が減ったときは、水を足しましょう。

5. ふたをして味を含ませる

竹串で固さを確認し、火を止める。ふたをして15分ほど置く。

表面が煮汁から出ていたら上下を返します

竹串で固そうな端の部分、または、厚い部分を刺して火の通り具合を確認します。煮汁が減り表面が出ていたら、上下を返します。キッチンペーパーをかぶせ、ふたをしたまま、余熱でじっくり味を含ませます。

(1人分熱量319kcal/塩分2.5g/調理時間約30分)※調理時間にふたをして味を含ませる時間は含まれません。

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ヘルシーポイント

食物繊維が豊富なさつまいもをたくさん食べられるレシピです。塩分を控えるならば、しょうゆを半量に減らします。その場合はレモンなどの柑橘類を入れて味にアクセントをつけると物足りなさを感じません。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日