和風ハンバーグ

牛肉を多めにすると和風の味わい。
指先で混ぜてふっくらジューシーに

ジューシーな和風ハンバーグを成功させるポイントは3つあります。肉の配合、混ぜ方、焼き方です。

1つ目はひき肉。合いびき肉ではなく、牛ひき肉と豚ひき肉を別々に買って混ぜ合わせましょう。和風ハンバーグは「牛肉:豚肉=3:2」の牛肉多めがおすすめです。すき焼きを思わせる和の味わいに仕上がります。ちなみに、今回のレシピでは玉ねぎを炒めません。その理由は、炒めることで生まれる玉ねぎの甘みが洋風の味わいに感じやすいからです。ソースはしょうゆとみりんでつくります。

2つ目は混ぜ方。ひき肉は脂が出やすく、手のひらの体温の熱だけでも溶け出してしまいます。脂と赤身のそれぞれのおいしさを保ったまま混ざり合ってこそジューシーなハンバーグになります。指先だけを使い、できるだけ体温を肉に伝えないように混ぜ合わせるのが秘訣です。調理する直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。

3つ目は焼き方。肉の温度が低いうちに焼き始め、ゆっくり火を通していくことでふっくらジューシーに焼き上がります。途中で上下を返したらふたをして焼くのも、やわらかく仕上げるコツです。

  • ●合いびき肉は「牛肉:豚肉=3:2」の自家製で
  • ●指先を使って手早く混ぜる
  • ●低温からゆっくり火を通す

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

  • 牛ひき肉…180g
  • 豚ひき肉…120g
  • 塩…小さじ1/2
  • こしょう…少々
  • パン粉…1/2カップ(約20g)
  • 玉ねぎ…1/2個(100g)
  • 卵…1個
  • サラダ油…小さじ2
  • 大根おろし…100g
  • 〈A〉調味料
    • 水…1/3カップ
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
    • キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ1
    • 酢…小さじ1

つくり方

1. 玉ねぎ、ひき肉の下準備をする

玉ねぎはみじん切りにする。ひき肉は冷蔵庫でよく冷やしておく。

玉ねぎの水分を出さないように細かく切ります

玉ねぎを2~3mm角の細かいみじん切りにします。よく切れる包丁、これが意外と大事なポイントです。包丁が切れないと、叩きつぶすようになり玉ねぎから水分が出過ぎてしまいます。みじん切りは、玉ねぎの奥1cmほどを残し垂直方向に2~3mm幅に切り込みを入れ、玉ねぎを90度回転させて水平方向に切り込みを入れてから、また垂直に切ります。水平の切り込みは多少粗めでも問題ありません。残った部分の玉ねぎも同じ要領でていねいに細かく切ります。最後につぶれないように刻んで、大きさを整えます。ひき肉の牛と豚の割合は写真くらいで牛が多めです。調理前に冷やしておく理由は、混ぜているあいだに肉の温度を上げたくないからです。

2. ひき肉に下味をつける

ボウルに、ひき肉、塩こしょうを入れて、指先で約1分混ぜる。

指先だけを使ってつまみ混ぜます

体温が肉に伝わらないよう指先だけでざくざく混ぜます。肉と塩こしょうを混ぜ合わせるのが目的なので、ここでは練りません。つまみ混ぜる感覚です。ひき肉に塩と香りをつけ、2種類のひき肉を一体化させます。

3. たねを練る

ひき肉の上にパン粉、玉ねぎ、卵をのせて、先に指先を使って3つを混ぜる。混ざったら、ひき肉と混ぜ合わせ、約2分練って2等分にする。

肉の脂を出さずに指先だけで練り上げます

肉に熱が伝わらないよう初めは指先だけで手早くざくざくとつかむようにしてまとめ、その後は指先を広げてくるくると手首を回すようにして練ります。表面につやが出てきてしまった場合は、脂が溶け出してきたサイン。ボウルを氷水にあてる、または、一度たねを冷蔵庫で冷やしましょう。最後は押しつけて空気を抜くようにして練り、糸を引くように肉がつながってきたら練り上げ完了です。

4. たねを成形する

手のひらに油(分量外)を塗る。約20回、左右の手のひらで打ちつけて、厚さ2cmの平らな楕円に成形する。

手のひらの熱を伝えないように手早く整えます

手に油を塗っておくとたねがくっつきません。打ちつけながら左右の手のひらを行ったり来たりさせるのは、空気をぬくだけでなく、手のひらの熱を肉に伝えないためでもあります。最後は指先で肉と玉ねぎが一体化するように表面をなめらかにし、油でコーティングするようになでて仕上げます。火の通りを均一にするための凹みづくりは、この後で。

5. 中火で焼く

フライパンに油を中火で約30秒熱し、全体にいきわたらせる。肉を置き、中央を凹ませる。中火で5~6分焼く。余分な脂や水分はペーパータオルでふき取る。

肉だねの下に常に油があるように

油は少し熱して肉の下に広がるようにします。肉をフライパンにのせたら、下の油をつけるように軽く押して、中央を凹ませます。はじめの1~2分はそのまま触らず焼きます。肉から脂が出てきたらフライパンを傾け、焦げにつながりやすい汚れや余分な脂をふき取ります。その後も時折フライパンを傾け油が肉の下にある状態を保ちます。おいしそうな焼き色がついたら上下を返すタイミングです。

6. 上下を返し、弱火で焼く

上下を返す。ふたをして弱火で6~7分焼く。竹串を刺し、中まで火が通っていることを確認する。皿に盛り余熱で火を通す。

フライパンの縁を使って返します

肉を返すときはフライパンの縁の立ち上がりを利用します。ここではなんといっても肉をくずさないことが第一です。フライパンを180度回転させ、利き腕で返しやすい体勢をつくり、ていねいに返しましょう。ふたをするのは肉の水分を保ち肉汁を逃さない状態で中まで火を通したいからです。竹串を刺して、赤い肉汁が出なければ中まで火が通った合図。あとはお皿の上で肉を休ませながら、余熱で仕上げていきます。

7. ソースをつくる

フライパンの汚れを軽くふき取り、〈A〉の調味料を入れて強火で煮立てる。ヘラで混ぜながらさらに1~2分、ゆるいとろみがつくまで煮る。

肉汁を利用して和風ソースをつくりましょう

肉汁は残しつつ、黒い焦げや汚れだけをふき取ります。加熱された脂の多い肉汁に水分の多い調味料を加えると一気にはねる恐れがあるので、調味料を入れて油とよくなじませてから火をつけてください。煮立ったらヘラで鍋底をこそげながら混ぜます。付け合わせの大根おろしは、ペーパータオルの上で形を整えると自然に水気がきれます。

(1人分熱量534kcal/塩分2.9g/調理時間約40分)※調理時間にひき肉を冷蔵庫で冷やす時間は含まず。

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ヘルシーポイント

赤身の多いひき肉を選ぶとカロリーを抑えられます。ハンバーグの大きさを小さくすると量を調整しながら食べられます。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年4月28日