里芋の煮ころがし

ぬめりを生かして、
こっくり甘辛味をまとわせます

里芋のぬめりは煮くずれの原因になり、味のしみ込みも防いでしまうため、通常は下ゆでや塩もみ、乾かすなどの下ごしらえをします。しかし今回は、このぬめりを最大限に利用して、中まで味を含ませることよりも、表面にとろみをつけ、こっくりと味をまとわせるようにして仕上げていきます。

里芋は皮むきに手間がかかりますが、秋口の新物や小ぶりのものであれば、たわしでこすり洗いするだけでも皮がむけるので、そのままでもいいでしょう。包丁でむくときは、煮ころがしやすいように丸くむきます。

味つけは、ややしっかりめの甘辛味です。「しょうゆ×甘み」で味わいをつくるとき、甘みを「みりん」にするか、「酒+砂糖」にするかの2つの選択があります。

しっかりインパクトのある味は、しょうゆ×「酒+砂糖」
まろやかで上品な味は、しょうゆ×「みりん」

と覚えておくと便利です。今回は、里芋の表面に味をまとわせて仕上げるしっかり味です。味に深みを出すために、煮る前に一度炒めて香ばしさをまとわせるのがこのレシピのポイントです。

  • ●ぬめりを生かして味をまとわせる
  • ●煮る前に炒めて香ばしさをプラス
  • ●味つけはしっかり

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

  • 里芋(小)…8~10個(350~400g)
  • サラダ油…大さじ1
  • 〈A〉
    • 水…1と1/4カップ
    • マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…1/2カップ
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
    • 砂糖…大さじ2

つくり方

1. 切る

里芋は泥を落とし、たわしで皮をこする。皮が残っていたら包丁でむく。ペーパータオルで泥や汚れを取る。大きければ半分に切る。

斜めに切って表面積を増やします

里芋は小さめで丸いものが向きます。洗いやすく、火の通りがムラになりにくい形です。通常であればぬめり対策としてペーパータオルでしっかり水気をふき取りますが、今回のレシピは皮の汚れを落とす程度にします。全体の大きさをそろえたいので、大きいものは切ります。切るときは斜めに切り、表面積が増やして、味をまといやすくします。

2. 炒める

鍋に油を熱してから里芋を入れる。2~3分炒める。

煮る前に油で炒める理由

ぬめりのある里芋は鍋肌にくっつきやすいので、油が熱されてサラサラになってから入れて、油が里芋の表面にまんべんなく行き渡るようにヘラで転がします。煮る前に炒めておくことで、香ばしい風味が出るとともに、調味料をしっかり加熱することができて全体の味わいに深みが出ます。シンプルな味つけの料理なだけに、この香ばしさがおいしさを左右します。

3. 煮る

火を止めて〈A〉を水から順に加える。中火で煮立てる。ひと煮立ちしたら、ぬらしたペーパータオルをかぶせる。中火のまま20分煮る。途中で上下を返す。

ぬめりをたっぷり引き出してから煮詰めます

水から入れて、里芋のぬめりを引き出します。煮汁が多めな理由も、ぬめりを引き出したいからです。ふたをせず水分を飛ばしながら煮詰めていきます。

4. 煮ころがす

ペーパータオルを外し、火を強めてへらで返しながら水分が少なくなるまで煮る。

ここからが煮ころがしの本番です

ヘラで混ぜながら、強火で煮汁を煮詰めていきます。とろみが焦げやすいので、絶えずころがしながら強火で水分を飛ばしていきましょう。煮汁が大さじ2残るくらいが出来上がりの目安です。

(1人分熱量260kcal/塩分2.5g/調理時間約30分)

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ヘルシーポイント

しいたけやしめじなどのきのこ類を加えてカサ増しすると、よりヘルシーな一皿になります。加えるときは「煮る」タイミングで。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年4月28日