赤飯

水加減は少なめに。
もち米の量は3合以内で炊くのが秘訣

赤飯に使う豆は「ささげ」です。小豆に比べてしっかりとした食感があり、皮が破れにくい特徴があります。赤色に染まった赤飯はお祝いごとにふさわしい一品。豆が割れることは縁起が悪いとされ、割れにくいささげが使われます。手に入らない場合は小豆で代用します。

赤飯に使うもち米のでんぷんは、粘りが強いのが特徴です。蒸し器でつくる場合には、事前にしっかり浸水をしますが、炊飯器で炊く場合は、炊きながら浸水していくのであらかじめ浸水する必要はありません。また、もち米は1合につき水150mlと白米よりも少な目の水加減が基本のところ、炊飯器で炊く場合は水分の蒸発が少ないので、それよりも減らすとほどよい炊き上がりになります。もち米はやわらかいため炊き上げる途中に重みでつぶれてしまわないよう、一度に炊く量は最大3合までにするのが大事。炊き上がったらすぐに底からしゃもじで返し、重みから開放してあげることも大切な調理のひとつです。

今回は、もち米の甘みを引き立てるために塩を、特有の苦みを抑えるために酒を加えて炊いていきます。

  • ●割れにくい「ささげ」を使う
  • ●浸水せず、水加減も少なめ
  • ●炊き上がったらすぐにしゃもじで底から返す

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・つくりやすい量

  • もち米…3合(450g)
  • ささげ(または小豆)…1/3カップ(50g)
  • 塩…小さじ1/2
  • マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ2

つくり方

1. ささげを戻す

割れた豆を取り除く。軽く水洗いする。ささげがかぶるくらいの水を注ぎ、1時間浸けて水をきる。

割れ豆がないかチェックします

水洗いはサッとほこりを流すくらいのイメージです。1時間ほど浸けると豆が少し膨らみます。水面に浮いてくる豆もありますが、問題ないのでそのまま使います。

2. ささげをゆでる

鍋に水3カップ、ささげを入れ、強火にかける。煮立ったらふたをして弱火にし、20分ゆでる。火を止めて、そのまま粗熱を取る。

ささげのアクは色と味のうち

煮汁は炊飯するときの水加減に使います。ささげの色を出したいので水3カップをきちっと計量しましょう。ふたを閉めて煮て、そのまま粗熱を取るとふっくらします。

3. もち米を洗う

もち米にかぶるくらいの水を注ぐ。指先で軽く洗い、水けをきる。これを2回くり返す。

割れやすいもち米はやさしく洗いましょう

もち米は割れやすいので、勢いよく研がずに指先をくるくると30回ほど回し、やさしく洗います。表面についた汚れが取れればいいので、水を取り替えて計2回洗えば十分です。もち米は浸水も不要なので、すぐに炊いても問題ありません。

4. 豆とゆで汁に分ける

ささげをざるに上げ、ゆで汁と分ける。ゆで汁に水を足し、2カップ(400ml)の量にする。

ささげのゆで汁が大事です

もち米に色をつけるため、ささげのゆで汁を捨てないように注意しましょう。ゆでてやわらかくなった豆が破れないよう、ざるにあげたらゆすったりせずに水をきります。

5. 炊く

炊飯釜にもち米、ささげのゆで汁、塩、酒を入れる。軽く混ぜながら表面をならす。ささげを散らしてのせて炊く。炊き上がったら、しゃもじで底から返す。

ささげを散らして重さを集中させないこと

ゆで汁などを注いだら塩や酒が混ざるように軽く指先で混ぜ、もち米の表面が平らになるようにならします。ささげはまんべんなく散るように入れます。炊きあがったら、すぐに底から返すのも、底のほうのもち米が重さで潰れないようにするためです。仕上げにしゃもじで上下をきるように全体を混ぜます。

(1人分熱量428kcal/塩分0.6g/調理時間約30分)※栄養計算値は4人分としたときの値。調理時間にささげを水に浸ける時間、炊飯時間は含まず。

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ヘルシーポイント

ささげの煮汁も合わせて丸ごと食べる赤飯は、赤色のもとであるアントシアニンをもれなく摂れます。自然とよく噛んで食べることになるのも、もち米の良さです。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年8月8日