なすの煮びたし

少ない油で上手に焼いて、
まるで揚げたようなコク深さに

なすと油は相性抜群の組み合わせです。油によって旨みが引き出されるだけでなく、なすが色よく仕上がります。油で調理する場合はアクを感じづらいのでアク抜き不要なのもいいところ。少ない油を上手に行き渡らせて旨みたっぷりの煮びたしをつくりましょう。

ポイントは、油を上下からまとわせるようにして揚げ焼きすること。スポンジ状の果肉、紫の皮は意外と火の通り、油のなじみ、味のなじみが良くないので、細かく切り込みを入れておくことがポイントです。また、大量の油を使わなくても、低温でじっくり揚げ焼きにすることで少ない油でも中まで火を通すことができ、果肉がとろりとなりおいしく仕上がります。

油でコクが出たなすは、甘辛の煮汁で煮込んで仕上げます。じっくり煮含める煮汁の比率は「しょうゆ:みりん:だし(または水)=1:1:10」です。

  • ●皮目に細かい切れ目を入れる
  • ●低温の油で揚げ焼きにする
  • ●「しょうゆ:みりん:だし=1:1:10」の煮汁でじっくり煮る

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • なす…3~4本(320g)
  • ごま油…大さじ4
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
  • 〈A〉
    • 煮干し…5~6本
    • 水…1と1/2カップ

つくり方

1. だしを取る

煮干しは頭とワタを取り除き、水につけて、30分置く。

ワタを取らないと苦みが残ります

煮干しのワタは、脂が酸化して苦くなっているため取り除きます。

2. なすを切る

へたをとり、縦半分に切る。皮目に斜めの細かい切り目を入れる。

味も見た目も左右する細かな包丁仕事です

皮に幅1〜2mm、深さ7mmの切り目を入れます。ここで細かく切り目を入れておくことで、味のしみ込みと火の通りが良くなります。ゆっくりでいいのでていねいに入れましょう。

3. 焼く

フライパンにごま油の半量を中火で熱する。皮目を下にしてなすを並べる。残りのごま油をなすにふりかける。4~5分焼き、返して2~3分焼く。油をきって取りだす。

ひと切れずつ、上下から油が行き渡るように

ごま油を使うのはコクと香りを加えるためです。少量の油でおいしく仕上げるには、半量の油を熱してなすの皮を下にして並べ行き渡らせること。そして、残りの油は冷たいままやわらかな果肉にふりかけるようにすることです。これは、スポンジ状の果肉の上で冷たい油が下からの火でゆっくり加熱されることで、一気に果肉に吸われてしまうことなく徐々に全体に広がり、なすの旨みを引き出されるため。皮の焼き色がついたら、返して果肉にもしっかり焼き色をつけます。箸ではさんでやわらかさを感じたら焼き上がりです。

4. 煮汁をつくる

火を止めてフライパンの油をふき取る。〈1〉のだし、しょうゆ、みりんを加え、中火にかけ、ひと煮立ちさせる。

煮立ててアルコール分をとばします

調味料を煮立てると、アルコール分がとんで苦味が残りません。煮干しもそのまま加えて、具にします。

5. 煮る

皮目を上にして、なすを入れる。再び煮立ったら弱火にし、ぬらしたペーパータオルをかぶせ、15分煮る。

煮汁をまわしてじっくり煮込みます

煮るときは、皮目を上にして果肉にしっかりと味を入れていきます。ペーパータオルをかぶせることで少ない煮汁でも全体に行き渡ります。

(1人分熱量208kcal/塩分1.3g/調理時間約20分)※調理時間にだしを取る時間は含まれません。栄養計算値は3人分とした場合の値です。栄養計算値はつゆを70%摂取した場合の値です。

なすの煮びたしのレシピだけ見る

ヘルシーポイント

なすと同じ夏野菜のパプリカやピーマンを加えれば、一皿でいろいろな野菜をとれます。どちらも味が入りにくいので、なす同様に皮に切れ目を入れましょう。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年10月14日