豚汁

豚肉とごぼう、
それぞれの旨みを引き出します

豚汁は、ごぼうと豚バラ肉の旨みでできているといっても過言ではありません。この2つの旨みを存分に引き出せれば、だし汁を使わなくてもおいしく仕上がります。先に豚肉を炒めるレシピが多いのですが、今回は、はじめに野菜のだしをとるために、「ごぼう→その他の具材→豚肉」の順で炒めていきます。それぞれの食材をおいしく仕上げるための順序です。

主役である豚肉は、はじめに炒めてしまうと出来上がるころには硬くボロボロになってしまいます。肉は高温にしないほうがやわらかな肉質と脂の旨みを味わえるので、後から加え、野菜を介してじんわりと熱を加えていくようにします。逆にごぼうは先にごま油でしっかりと炒めて、香りや味わいを引き出します。その他の具材は大きめ、厚めに切り、それぞれに存在感を出します。これらを炒める段階でも一つずつ加え、具材から香りと旨みを引き出すように熱を加えていきます。

みそは最後に入れて長く煮込まないのが鉄則です。みそが入る前に、具材の香りとうまみ、だし、豚バラ肉の脂のコク、しょうゆによる下味から味のベースをつくっておくことで、すべての食材がおいしい絶品の豚汁が完成します。

  • ●ごぼう→その他の野菜→豚肉の順で鍋に入れる
  • ●肉にゆっくり火を通す
  • ●しょうゆで下味をつける

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・3~4人分

  • 豚バラ肉(薄切り)…200g
  • 大根…1/5本(200g)
  • ごぼう…1/2本(80g)
  • にんじん…1/4本(50g)
  • しいたけ…4枚
  • ごま油…大さじ1
  • 水…5カップ
  • マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ2
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
  • みそ…大さじ2~3
  • 長ねぎ…1/4本(25g)

つくり方

1. ごぼうを切る

ごぼうは泥を落とし、皮や黒い部分をこそげ落とす。幅4~5mmの斜め切りにして、5分ほど水にさらす。

ほかの具材よりやや薄めに

ごぼうの風味を無くさないために、洗うときにごぼう本体を削らないようにします。加減しながら洗える「たわし」が1個あると便利です。皮はむきすぎないようにして黒い部分が気になるときはスプーンでこそげ落としましょう。ごぼうは火が通りにくいので、ほかの具材よりもやや薄めに切るのが大事なポイントです。

2. 他の食材を切る

大根、にんじんは厚さ8㎜のいちょう切りにする。しいたけ、長ねぎは幅5㎜ほどに切る。豚バラ肉は幅5~6㎝に切る。

火の通りが均一になるように

それぞれが存在感のある具になるよう、全体的にやや大きめに切ります。火の通りも均一にするため厚みを考えて切りましょう。しいたけは小さかったら厚めに、豚バラ肉も加熱して縮むことを考慮してやや大きめに切ります。

3. ごぼうから炒める

鍋にごま油を中火で熱し、ごぼうを2分炒める。大根、にんじん、しいたけを加え2分炒める。

はじめにごぼうの香りや旨みを引き出します

鍋は直径20cmくらいがおすすめです。ごぼうは水気をふき取ってから炒めます。先にごぼうだけ炒める理由は、ほかの具材に比べて火が通りにくいから、そして、ごぼうの香りや旨みをしっかり引き出したいからです。具材は、ひとつずつにしっかり熱を行き渡らせるイメージで炒めます。旨みを引き出しながら、水分を抜くことで、味が入りやすくなります。また、このあと肉を入れると温度が下がるため、全体が熱々になるまで炒めておきましょう

4. 豚肉を加える

豚肉を加えて、炒める。

「間接的なゆっくり加熱」がおいしさにつながります

豚肉は重ならないようほぐしながら加えます。肉は鍋底に直接あてず、野菜から間接的に熱をもらうようにゆっくり火を入れます。豚肉は100℃にならないように注意することで、脂の旨みを閉じ込め、やわらかい食感を保てます。肉の色がピンクからゆっくり白色に変わっていくように炒めていきます。

5. 煮立たせる

酒、みりん、水を加え、煮立たせる。アクを取る。

味のマイナス要素を取り除きます

水を加えたら、しっかり煮立たせることが大切です。みりんのアルコール分を飛ばし、煮立てることで出てくるアクを取り除きます。

6. しょうゆを加えて煮る

しょうゆを加えて、弱火にする。12~15分煮る。

しょうゆで下味つけをして味の輪郭をつくります

みそを加える前にしょうゆが素材にしみ込むことで、味がしっかりと決まります。このしょうゆの下味つけの工程がないと、全体的に味がぼんやりしてしまいます。

7. みそを加えて煮る

みそを煮汁で溶き、加える。ねぎを加える。弱火のまま1~2分煮る。

みそは煮汁で溶いてから加えましょう

ボウルに煮汁を入れ、みそを溶いて、鍋に加えます。旨み、風味、コク、酸味が加わり厚みのある味に仕上がります。ねぎは食感と香りの良さをプラスする役目です。

(1人分熱量289kcal/塩分2.4g/調理時間約40分)

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ヘルシーポイント

豚バラ肉の量を減らしたり、脂の少ない肩ロースに替えたりすることでカロリー減に。減塩する場合はしょうゆを2/3量に減らし、水溶き片栗粉でとろみをつけ塩分を感じやすく仕上げます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日