肉じゃが

肉より先に
じゃがいもから炒めます

肉じゃがは、肉とじゃがいもが主役の家庭料理の定番です。この2つのおいしさが引き立つつくり方をご紹介します。ポイントは炒める順番です。肉からではなく、じゃがいもから先に炒めます。炒めたじゃがいもとたまねぎの旨み・香りが味のベースになり、味わい深い肉じゃがになります。また、肉をあとから入れることでゆっくり火が通り、肉がやわらかく煮上がるのです。肉に下味を付けることもポイントです。下味によって、じゃがいもと肉の味わいにメリハリが出て、食べたときにグッとおいしさを感じます。

食材は大きめに切ります。万が一じゃがいもが多少煮くずれても、大きいことで煮汁に溶けだすことが少なくて済みます。たまねぎも大きめに。くし切りにして最後まで姿を残すと、食べたときにたまねぎの甘さを楽しめます。

最後に鍋を火から外して置いておくのも大切な調理工程のひとつです。煮る時間は最小限にして、余熱で蒸らしながら仕上げます。味が入りにくいいも類にも、冷めていく途中で味がしみ込んでいきます。

  • ●じゃがいもから先に炒める
  • ●具材を大きめに切る
  • ●最後は火から外して冷ましながら仕上げる

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • じゃがいも…3~4個(400g)
  • 豚薄切り肉(肩ロース)…150g
  • たまねぎ…1個(200g)
  • にんじん…80g
  • サラダ油…大さじ1
  • 水…1カップ
  • 〈A〉
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
  • 砂糖…大さじ1
  • 〈B〉
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3
  • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ3
  • 砂糖…大さじ1

つくり方

1. 肉に下味をつける

肉に〈A〉を加えて下味をつける。

手でもみ込みむと味がよくなじみます

肉が大きければ6~7cmに切ってください。肉に下味をつけるときには、手でもみ込むとよくなじみます。

2. 野菜を切る

じゃがいもはよく洗って皮をむき、3等分に切り、水にさらす。たまねぎは8等分のくし切りに、にんじんは8mmのいちょう切りにする。

たまねぎを大きく切るには理由があります

たまねぎを大きく切ることで、たまねぎの甘みがしっかり引き出されます。これもおいしさのカギです。くし切りにする際には、おしりの部分を切り離さず、ひとつのくし切りがつながったままにしておくと、仕上がりもきれいです。彩り役のにんじんは厚めのいちょうに切るとバランスが良く仕上がります。

3. じゃがいも、たまねぎを炒める

鍋に油を中火で熱し、水気をふいたじゃがいもを30秒炒める。たまねぎを加え、2分ほど炒める。

はじめに必ずじゃがいもだけを炒めます

まずじゃがいもだけをしっかり炒め、旨みと甘みを引き出します。これが重要です。じゃがいもの表面に油をコーティングするように、転がしながら炒めましょう。次に、たまねぎを加えて炒めます。じゃがいもの旨みに、たまねぎの旨みと甘みが加わり、肉じゃがの味のベースをつくります。

4. 肉、にんじんを加える

肉を加えて、さらに炒める。肉の色が変わったら、にんじんを加えてさっと炒める。

じゃがいもの熱で肉にじんわり火を通します

じゃがいもが熱くなっていることを確認して、肉を広げるようにして加えます。じゃがいもは表面が透き通ってきたら、しっかり加熱できている証。もし、さわれるようであれば、指先でじゃがいもが熱くなっていることを確認してみてください。じゃがいもの熱を利用してゆっくり火を通すことで、肉がやわらかく仕上がります。にんじんには油が絡む程度で大丈夫です。にんじんを大きく切った場合には、肉の前に加えて炒めます。

5. 煮立ててアクを取る

水を加えたら強火で煮立て、アクを取る。

ぐつぐつ煮立てましょう

中途半端な煮立て加減ではアクが出てきません。一度しっかりとぐつぐつとさせるようにして煮立てます。こうすることでアクがまとまって、取り除きやすくなります。

6. 調味料を加える

〈B〉を加え、再び煮立ったら、ぬらしたペーパータオルかぶせる。ふたをずらして、弱めの中火で12~15分煮る。

「ずらしぶた」で味なじみを加速させます

ふたをずらして煮込むと、水分の蒸発が進むため、調味料が濃厚な状態で素材にしみ込んでいきます。煮くずれしやすいじゃがいもに短時間でしっかり味をなじませたいときには「ずらしぶた」が有効です。表面が乾いてしまわないよう、ぬらしたペーパータオルをかぶせることも忘れずに。

7. 蒸らす

火からおろし、ふたをしたまま10分以上蒸らす。

冷めていく間にさらに味が入ります

火から外して置いておく最後の蒸らしも調理のひとつです。味の入りにくいいも類は冷めていく時間を使って味をなじませましょう。

(1人分熱量326kcal/塩分2.4g/調理時間約30分)※3人分の場合

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ヘルシーポイント

にんじんの代わりにしらたきを使うとかさ増ししながらカロリーを抑えられヘルシーに。調味料のしょうゆとみりんを2/3(大さじ2)まで減らしても、おいしくいただけます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2023年2月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。