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過去の展示

自然がささえる草原の食卓


新しい食べもの 小麦粉の利用
小麦粉がいつごろから遊牧民の料理に使用され始めたのかは、まだよく分かっていませんが、今日、肉、乳製品とともに日常の食卓には欠かせない食材となっています。
保存性が高く加工が簡単な小麦粉は、ヒツジ肉との相性もよく「ゴリルティショル」(肉うどん)、「ボーズ」(モンゴル風餃子)、「ボールツオグ」(揚げドーナツ)などがつくられています。
小麦粉の平均消費量は1日1人当り約100gで、年々増加傾向にあります。ヒツジやヤギの売買による現金収入で小麦粉を購入しています。
「ゴリルティショル」は小麦粉を練って短冊状に切り、沸騰した湯に入れて、ヒツジの肉と塩で味付けした料理です。肉の脂が適度に溶けだした温かい「ゴリルティショル」を食べると身体が温まり、夏でも冷えるモンゴルの夜には最適です。
「ボーズ」は中国語の「包子(パオズ)」がモンゴル風に発音されたもので、小麦粉を練り、1枚ずつ皮をのばし、そこに肉、内臓を入れて包んで蒸します。同じ材料で薄く延ばして油で揚げたものが「ホーショル」です。好みでチーズを入れることもあります。
小麦粉でつくるお菓子で、朝食としても食べるのが「ボールツオグ」です。小麦粉と水と少量の砂糖を混ぜ合わせてよく練って生地をつくります。この時よく膨らませるために「タラグ」(ヨーグルト)を加えることもあります。ヒツジの脂で揚げます。来客をもてなす時に「スーティツァイ」(乳茶)と一緒に、自家製乳製品と盛り合わせて出されます。
市場(ウランバートル市内)の小麦粉
市場(ウランバートル市内)の小麦粉
いまでは少なくとも1日1回は小麦粉を使った料理が食べられている
 
ゴリルティショル(肉うどん)
ゴリルティショル(肉うどん)
肉うどんで使う麺を準備しているところ。このあとヒツジ肉と一緒に茹でる
ボーズ(モンゴル風餃子)
ボーズ(モンゴル風餃子)
皮から全て手づくりで、内にヒツジの肉を細かく切ったものを入れ、蒸して食べる
ボールツオグ(揚げドーナツ)
ボールツオグ(揚げドーナツ)
自家製のドーナツをつくっているところ。油は保存しておいたヒツジの脂を使う
新しい食べもの