江戸前の魚とグローバルにみた水産資源の未来について
柳原 尚之 氏
岩本 公宏 氏
手塚 良則 氏
2022年2月5日、KCC食文化と料理の講習会特別企画 トーク&クッキングサロン<地球においしい食の未来~私たちができる食のサステナビリティ>を開催しました。第2回のトークメンバーは、近茶流嗣家・柳原料理教室副主宰 柳原尚之氏、「日本橋 いづもや」三代目 岩本公宏氏、「大森海岸 松乃鮨」四代目 手塚良則氏の3名です。テーマは「江戸前の魚とグローバルに見た水産資源の未来について」でした。
講習会のレポート
トークでは、現在の魚や水産資源について感じていること、これからの食の未来についてお話をいただきました。
- 柳原氏
「魚の種類や量が減っている。世界規模の魚の取り合いが起きている。Mottainai(もったいない)に続く、Harahachibu(腹八分)を実践したい。」
- 岩本氏
「うなぎ屋としては水産資源の問題は避けられない。海の資源を守りながら漁獲を確保できる仕組みを考えることが必要。魚を含め食材を無駄にしないことが大切。」
- 手塚氏
「魚の獲れる時期や場所がずれてきている。魚種の個体数も減っている。グローバルな視点で見ると日本の水産業のすごさがわかるのでそれを世界に伝えたい。」
そして3人から「日本の魚の食文化は世界に誇れること。受け継がれてきた食文化を未来へつなげたい。漁師さん、農家さんをはじめ、食材が手元に届くまでに関わる人たちのことを考え、食べものを無駄にしないことが大切。」というメッセージをいただきました。
料理では、柳原氏からは昔から伝わる調理法であり、魚と野菜を無駄なく使う<ぶり大根>と<大根の皮のしょうゆ漬け>、岩本氏からはうなぎの廃棄部分からつくったうなぎの魚醤を使った<うなぎのチャーハン>、手塚さんからはサステナブルな江戸前の技法を使った<まぐろの漬け>をご紹介。魚を愛する3人のトーク&クッキングで、身近かに水産資源や食の未来を考える機会となったサロンでした。
講習会のレシピ
ぶり大根(柳原尚之氏)
ぶりのあら | 300g |
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大根 | 1/2本 |
しょうが(薄切り) | 15g |
塩 | 大さじ1 |
米のとぎ汁または米粒 | 適量 |
だし | 600ml |
マンジョウ こだわり仕込み 料理の清酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1と1/2 |
キッコーマン いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ | 大さじ2と1/2 |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 大さじ1 |
- 1大根は皮を厚めにむき、大きめの乱切りにし、米のとぎ汁または米粒を入れて細串が入るまで下ゆでする。
- 2ぶりのあらは一口大に切って、塩をかけて10分おき熱湯に入れて霜ふりアクを抜く。
- 3鍋に「1.」の大根とだしを入れて火にかけて温め、「2.」のぶり、酒、しょうがを入れる。沸いたら砂糖、3分後にしょうゆ、みりんを入れて落としぶたをして10分ほど中火で煮る。
※大根の皮のしょうゆ漬け(残った大根の皮を活用)
大根の皮 | 適量 |
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キッコーマン いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ | 大さじ1 |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 大さじ1 |
唐辛子(種を抜く) | 1本 |
- つくり方
- 大根の皮は1cm程の幅で切る。小鍋にしょうゆ、みりんを入れて火にかけ、一煮立ちしたら、大根の皮にかけて唐辛子を入れる。10分程浸ける。
うなぎチャーハン(岩本公宏氏)
ご飯 | 500g |
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うなぎ(1~2cm角に切る) | 好みの量 |
卵 | 4個 |
ねぎ(みじん切り) | 1/4本 |
油 | 大さじ3程度 |
うなぎの魚醤 | 少々 |
塩 | 少々 |
こしょう | 少々 |
キッコーマン いつでも新鮮 旨み広がるだししょうゆ | 少々 |
- 1ボウルに卵を入れて溶き、塩、こしょう、うなぎの魚醤を入れて混ぜ合わせる。ご飯も入れて混ぜ、味つきの卵がけご飯のようにする。
- 2大きめのフライパンまたは中華鍋に油を入れ、中火から強火で熱し、少し煙が立ってきたら、ねぎを入れて炒める。
- 3「2.」のねぎの香りがしてきたら、「1.」のご飯を入れてしゃもじやヘラなどを使って切るように手早く混ぜる。
- 4「3.」がある程度火が通ってパラパラになってきたら、うなぎを入れて形がバラバラにくずれないように、やさしく混ぜながら炒める。
- 5最後にだししょうゆで味をととのえる。
まぐろ漬け(手塚良則氏)
まぐろの赤身(サク) | 適量 |
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漬け汁; | |
マンジョウ こだわり仕込み 料理の清酒 | 300ml |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 150ml |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 100ml |
かつおぶし | 少々 |
- 1沸騰した湯の中にまぐろをサクのままくぐらせ、表面が白っぽくなり、うっすら赤身が見える位で湯からすぐに上げ、氷水に入れる。
- 2鍋に酒とみりんを入れて火にかけ、アルコール分を飛ばし切る。約300mlになるしょうゆを入れ、再度沸騰したら、かつおぶしを入れて沸騰したら火を止め、濾し器で濾す。
- 3「1.」のまぐろの水気を取り、「2.」の漬け汁に半日から一晩漬け込む。
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