老舗鮨店にきく江戸前鮨のはなし 屋台の鮨再現!

講師

吉野 正敏 先生(「吉野鮨本店」五代目)
佐久間 一郎 先生(「繁乃鮨」三代目)
寳井 英晴 先生(「蛇の市本店」五代目)

2023年3月4日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は「吉野鮨本店」五代目 吉野正敏先生、「繁乃鮨」三代目 佐久間一郎先生、「蛇の市本店」五代目 寳井英晴先生をお招きし、「老舗鮨店にきく江戸前鮨のはなし 屋台の鮨再現!」をテーマに開催しました。

講習会のレポート

今回は東京・日本橋の魚河岸にゆかりのある老舗鮨店の3人が集結。江戸の粋と技を受け継ぐご主人たちが、江戸前鮨について、屋台の頃の鮨のことなどを楽しくトーク。そして、江戸時代後期の頃の鮨の図として有名な「与兵衛ずしの図」の鮨を再現いただきました。

再現した鮨は、小だい(チダイの幼魚)、白魚、みる貝、きす、ます、こはだ、あじ、赤貝、車えび、さば、あゆ、いかの印籠詰め(いんろうづめ)、かんぴょう巻き、玉子巻き、太巻きの15種類。正確なレシピは残っていないので、昔の本をひも解いたり、試作を重ね再現に取り組みました。鮨1かんのシャリ(すし飯)の量は、今の一般的な大きさより2~2.5倍であった考えられ、当時は鮨数かんで、ある程度お腹を満たせたのではと想像します。冷蔵庫のない時代、生の魚は塩で水分抜いて酢でしめたり、しょうゆや甘酢に漬けたりと、何かしら工夫が必要でした。今よりも多くの塩や酢でしめたり、漬ける時間も長かったでしょう。この時代にも抗菌作用のあるわさびや笹が用いられています。図には、現在の鮨の定番のまぐろはなく、しょうゆで漬けにしたますや、ゆでた白魚をかんぴょうで巻いたものがあったり、車えびのシャリにはのりとごまが混ぜてあります。あじは皮つきのまま酢でしめ、1かんに1尾使っています。さばやあゆは押しずしのような形で、握り鮨以前の押しずしだった時代の名残りが感じられます。

昔の鮨を実際につくってみるという試みから、鮨についていろいろな発見ができた講習会でした。

キッコーマン ホームクッキング

旬の食材をおいしく食べられるレシピを毎日更新!