料理人が伝える 家庭でつくるおせちの魅力
林 亮平 先生(「てのしま」店主)
2023年12月10日KCC食文化と料理の講習会は、「てのしま」店主の林亮平先生をお招きし、「料理人が伝える 家庭のおせちの魅力」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
林先生は大学卒業後、京都の料亭に勤め、その間、国内外の和食普及イベントに多数参加しました。独立後、2018年東京・青山に「てのしま」を開店し、2020年よりミシュラン1つ星を獲得。日本料理の技法と海外での経験をいかし、新しい日本料理のかたちを求めて活動しています。店名は自らのルーツがある瀬戸内海の離島から命名。
今回は家庭でおせちをつくって欲しいという思いから、おせちの伝統を踏まえながらも、気軽につくれる料理をご紹介いただきました。普段の材料でできる定番にしたいレシピです。
- 根菜鴨ロース
鴨肉に根菜の香りを合わせた一品。おせちに肉が入ると世代を超えてよろこばれます。皮目をじっくりと焼いた鴨肉を、沸かした汁に漬けて置くだけで、程よく肉に火が入ります。汁にごぼうとにんじんを入れて根菜の香りと、にんにく1かけを隠し味に加えました。鴨肉の他にも牛肉でもおいしくできます。
- 蕪と金時人参 金柑のなます
おせち定番のなますです。白いかぶ、鮮やかな赤色の金時にんじんと、黄色の金柑で、おめでたい色合いです。スライサーを利用すれば簡単に薄切りにできます。袋に材料を入れ、その重量の10%の塩をして水分をしぼり、水分をしぼった材料の重量の5%の酢、10%の砂糖を加えてもみ込みだけで簡単になますがきます。この方法で他の野菜でもおいしい甘酢漬けができます。
- 袱紗玉子(ふくさたまご)
出し巻き玉子などは手間がかかりますが、これは普段のおかず感覚でつくれる卵料理。中に入れる野菜は油で炒めるとコクが増します。残っている野菜を活用すれば、さらに家庭料理ならではの一品に。混ぜる具で彩りを華やかにしたり、えびやかになどを入れれば味わいもぜいたくに。よりおせちらしい一品になります。
- 海老の甘酢
腰が曲がるまでという長寿の願いが込められるえび。手に入りやすい無頭の冷凍えびを使いました。えびが“つ”の字になるよう竹串を打ってゆで、腰が曲がったように見立てます。甘酢に漬けることで、よりえびの赤い色が映えます。
普段のおかずにもなる料理を、お皿や盛りつけ方を工夫し、お正月らしく華やかに盛り込めば、立派なおせちになります。
講習会のレシピ
根菜鴨ロース
鴨むね肉 | 2枚(450~500g) |
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ごぼう | 9cm(30~40g) |
にんじん | 5cm(40~50g) |
にんにく | 1かけ |
溶き辛子 | 適量 |
【A】 | |
水 | 500ml |
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 | 150ml |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 125ml |
砂糖 | 60g |
- 1鴨肉は冷蔵庫から出して1~2時間おいて、完全に室温に戻す。皮目に包丁目を入れる。
- 2ごぼうは4.5cmの拍子切りに、にんじんは5mm程度の厚さに切る。にんにくは皮をむく。
- 3(2)のごぼうとにんじんを耐熱容器に入れ、ラップフィルムをして600Wの電子レンジで1分30秒加熱する。
- 4フライパンで(1)の鴨肉の皮目を弱火でじっくりこんがりと焼き、裏返して肉の色が変わるまでさっと焼く。
- 5Aの材料とにんにく、(3)のごぼうとにんじんを鍋に入れて火にかけ、アルコールが飛んだら火を止め、(4)の鴨肉を入れる。キッチンペーパーを落とし、ふたをしてそのままコンロの上に60~80分おく。冷めたら容器に移し、冷蔵庫で一晩おく。
- 6(5)の鴨肉を適宜切り、溶き辛子を添える。
- ※保存:冷蔵庫で煮汁に漬けたままで3~4日程度
蕪と金時人参、金柑のなます
かぶ | 300g |
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金時にんじん | 80g |
きんかん | 6個程度 |
塩 | 約8g(材料の2%の塩) |
酢 | 約30g(水分をしぼった材料の重量の10%) |
砂糖 | 約15g(水分をしぼった材料の重量の5%) |
ゆず(あれば) | 盛りつけの時にゆず釜にする |
- 1かぶとにんじんは皮をむき、それぞれスライサーで薄い輪切りにする。
- 2(1)をポリ袋に入れ、 (1)のかぶとにんじんの重量の2%の塩を入れ全体になじませる。軽くもんでいると水分が出始め、徐々にしんなりしてくる。空気を抜いてしっかり袋の口を結ぶ。10分程して全体に塩がなじんだらしっかり水分をしぼる。
- 3(2)の水分をしぼった野菜の重量の10%の酢、5%の砂糖を加えて混ぜ合わせ、15分程度おいて味をなじませる。
- 4きんかんの種を取り、輪切りにして(3)に加え軽く和える。
- 5あればゆずの内側をくり抜き、ゆず釜にして(4)のなますを盛りつける。
- ※保存:冷蔵庫で4日程度
袱紗玉子(ふくさたまご)
卵 | 6個 |
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だし汁 | 80ml |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 大さじ2 |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ | 小さじ2 |
にんじん | 50g |
玉ねぎ | 50g |
三つ葉 | 20g |
油 | 適量 |
塩 | 少々 |
- 1にんじんと玉ねぎは粗みじん切りにして、油で炒め、うすく塩をふる。全体がしんなりしたら冷ます。
- 2三つ葉は葉を含め、1.5cmのざく切りにする。
- 3卵とだし汁、みりん、うすくちしょうゆをボウルに入れてよく混ぜ、(1)と(2)を混ぜ込み、耐熱容器や流し缶に流して180℃のオーブンで20~30分程度焼く。
- ※保存:冷蔵庫で3~4日程度
海老の甘酢漬け
冷凍えび | 8尾 |
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【甘酢】 | |
水 | 200ml |
酢 | 100ml |
砂糖 | 70g |
塩 | 3g |
赤唐辛子(輪切り) | 少々 |
昆布 | 3cm×3cm |
- 1甘酢の材料を鍋に入れて火をかけ、砂糖が溶けたら火を止めて冷ます。
- 2えびの背ワタを竹串で取り除き、「つの字」になるよう関節の間に竹串を刺す。
- 3鍋に湯を沸かし、酢少々(分量外)を加ええびを2分湯がき、ざるに上げる。
- 4(1)の甘酢に串から抜いた(3)のえびを半日以上漬ける。提供する時にえびの殻をむき、端を切り揃えて盛りつける。
- ※保存:冷蔵庫で3~4日程度
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