シェフがならった南イタリア・シチリアの家庭料理
樋口 敬洋 先生(サローネグループ統括料理長)




2022年10月10日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信はサローネグループ 統括料理長 樋口敬洋先生をお招きし、「シェフがならった南イタリア・シチリアの家庭料理」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
樋口先生は都内のレストランに勤務後、イタリアへ渡りシチリア・パレルモのリストランテなどで3年間修業。シチリアの食文化や料理に魅せられました。帰国後、イタリアンレストランを展開するサローネグループに入り各店舗のシェフをつとめ、現在は統括料理長として店全体をまとめています。
先生が愛するシチリアでならった家庭料理を、プロのコツとともにご紹介いただきました。ご家庭でも気軽にシチリアの味を楽しめる2品です。
- 焦がしなすのカポナータ
なすを使った代表的な野菜料理。シンプルでいながら味わい深い一品です。ポイントは、なすを焦げ茶色になるまで、油でじっくりと揚げて香ばしさを出すこと、甘酸っぱく仕上げることです。なすは揚げて、玉ねぎは炒め、セロリはゆでて食感の違いを出します。出来上がりすぐでも1~2日おいてからでも、それぞれのおいしさが楽しめます。
- カジキマグロのパスタ パレルモ風
シチリアはマグロ漁で有名。カジキマグロを使ったパスタです。香草のスペアミントを使ってパレルモ風に仕上げました。カジキマグロとミントに組み合わせが新鮮です。にんにくは皮つきで、オリーブオイルの中で決して色がつかないようにじっくりと熱し、オイルに香りをうつします。先にトマトを炒めその後にカジキマグロを炒めると、マグロがトマトで蒸されるようになり、パサつきをおさえられます。シチリアのパスタ“カーサレッチェ”を使いましたが、他にもソースがよくからむ形のショートパスタがおすすめです。
修業先のイタリア人シェフからビデオーメッセージも届き、シチリアの旅気分も味わえた講習会でした。
講習会のレシピ
焦がしなすのカポナータ
| なす | 400g |
|---|---|
| 玉ねぎ | 60g |
| セロリ | 30g |
| サラダ油(揚げ用) | 適量 |
| デルモンテ エキストラバージンオリーブオイル | 20g |
| A; | |
| ケッパー(酢漬け) | 10g |
| グリーンオリーブ(4等分にする) | 30g |
| トマトペースト | 6g |
| 塩 | 1.6g |
| 砂糖 | 10g |
| デルモンテ 完熟あらごしトマト | 100g |
| 白ワインビネガー | 5g |
| 塩 | 適量 |
- 1なすはヘタを取り、皮をしましまに所々むいて8等分に切る。玉ねぎとセロリは1.5cm角に切る。
- 2なすは200℃のサラダ油で、かりんとうの香りがするまで、黒く色づくまで揚げて油をきり、ボウルに入れて塩少々ふる。
- 3セロリは1%の塩を入れた湯で2分ゆでる。
- 4鍋にオリーブオイル、玉ねぎを入れて中火で炒める。玉ねぎが透き通ったら、Aを入れて軽く煮る。
- 5「4.」の火を止めて白ワインビネガー、「3.」のゆでたセロリを入れて、再び火にかけてひと煮立ちさせて火を止める。
- 6「5.」に「2.」のなすを入れて軽くあえてボウルに移し、別の氷をはったボウルにつけて冷やす。一晩冷蔵庫で休ませる。
カジキマグロのパスタ パレルモ風
| カジキマグロ | 100g |
|---|---|
| トマト | 100g |
| なす | 100g |
| サラダ油(揚げ用) | 適量 |
| にんにく(皮つき) | 2かけ |
| マンズワイン・白 | 20g |
| デルモンテ エキストラバージンオリーブオイル | 40g+適量 |
| 塩 | 適量 |
| こしょう | 適量 |
| スペアミント | 4g |
| ショートパスタ(カーサレッチェ) | 160g |
- 1カジキマグロとトマトは2cmの角切り、なすは皮をしましまに所々むいて8等分する。
- 2なすは200℃のサラダ油で、こんがりと色づくまで揚げる。
- 3鍋にオリーブオイル40gを入れ、つぶした皮つきのにんにくを入れて中火にかけ、オイルに香りが移ったらにんにくが色づく前に取り出す。
- 4「3.」にトマトを入れて中火で炒め、さらにカジキマグロを入れて炒めて、塩、こしょうをふる。
- 5パスタをタイミングを見て、塩を加えた湯で硬めにゆでる。ゆで汁はソースに使用する。
- 6「4.」にワインを入れ、アルコールを飛ばしながら、木べらなどでカジキマグロを軽くつぶす。「5.」のパスタのゆで汁を適量加えて中火で煮る。
- 7「6.」にちぎったミントと「2.」の揚げたなすを入れて軽く煮る。味見をしてゆで汁を加える。(塩が強い時は水を加える)
- 8「7.」にゆでたパスタを加え、中火で煮る。煮詰まってきたら、味見をして塩で味をととのえ、皿に盛りつけ、仕上げにオリーブオイルをふる。

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