<年末年始はおウチでごちそう!>第2回 おウチでつくる年越しの“蕎麦と天婦羅”

講師

堀井 良教 先生(「総本家 更科堀井」九代目)
新井 均 先生(「天孝」二代目店主)

2022年12月3日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は「総本家 更科堀井」九代目の堀井良教先生と「天孝」の二代目店主の新井均先生をお招きし、「おウチでつくる年越しの“蕎麦と天婦羅”」をテーマに開催しました。

講習会のレポート

今回は老舗そば店と天ぷらの名店のご主人がコラボで、家庭でいかせるプロのコツをご紹介。お2人の楽しいトークとともにお届けしました。

「総本家 更科堀井」は1789年創業。堀井先生は大学卒業後、八代目の父とともに一時途絶えた家業を再興。総本家として「更科そば」の伝統を守り続け、九代目として現在にいたっています。海外にも支店を出し、歴史あるそばの味を海外にも広めています。
「天孝」は今では珍しいお座敷天ぷらのスタイルを守り、新井先生はその二代目として江戸前の技と味を継承。その一方で海外のイベント等にも参加し、国内外で日本の食文化としての天ぷらの魅力を紹介しています。

堀井先先生からはそばつゆの元となる<だし>と<煮返し>をご紹介。<だし>は厚削りのかつお節とさば節を使い、煮出して取ります。<煮返し>はしょうゆ、砂糖、水で簡単につくれ<だし>と合わせる割合で、江戸風のしょうゆをいかした様々な料理ができます。乾麺のそばは、ゆでる前に水に数分浸すのがポイント。ゆで時間が短くてすみ、そばの香りや成分が逃げません。温かいそばでも、ゆで上がったらそばを必ず流水でよく洗って氷水でしめ、熱湯をかけ温めてから使います。

新井先生からは<えび天ぷら>をご紹介。カリッと揚げるには、天ぷら衣にグルテン出さないように、全ての材料をよく冷やし混ぜ過ぎないことが大切です。ホイッパーを使って、軽くたたくように混ぜるのがおすすめ。油は綿実油とごま油を合わせて使用。江戸前天ぷらはごま油を使うのが特徴です。ごま油の量はお好みで。新井先生には特別に天ぷらそば用に、普段お店ではつくらない衣が厚めのえび天ぷらを揚げていただきました。

そして「更科堀井」主人がつくるそばの上に、「天孝」主人の揚げたえび天ぷらがのった天ぷらそばが完成。名店コラボの年越しそばが実現した講習会でした。

講習会のレシピ

煮返しとだし

材料:つくりやすい分量
煮返し
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 500ml
てんさい糖 85g
50ml
だし
2リットル
かつお節 40g
さば節 30g
煮返しとだしのつくり方
煮返しのつくり方
  1. 1小鍋にてんさい糖と水を合わせ、火にかけて加熱しシロップにする。
  2. 2別の鍋にしょうゆを入れ、「1.」のシロップを入れて軽く煮て火を止める。
  3. 3「2.」を一晩ねかせる。
だしのつくり方
  1. 1鍋に水2リットルを入れて沸かし、かつお節とさば節を加えてに煮る。
  2. 2「1.」のアクを取りながら、中火で6分ほど煮てこす。
煮返しの使い方(江戸料理のコツ)
煮返し1:みりん1 焼き物のたれ
煮返し1:だし1:みりん1 煮魚のベース
煮返し1:だし3 そば汁・丼つゆ
煮返し1:だし4 天つゆ・おひたし
煮返し1:だし5 おでん・鍋物の下地
煮返し1:だし6 ぶっかけ汁・野菜の煮つけ
煮返し1:だし7 葱鮪鍋(ねぎまなべ)・つみれ汁
煮返し1:だし8 かけ汁

えび天ぷら

材料:つくりやすい分量

えび

才巻海老(さいまきえび)

  • 車えびの 10cm 前後の大きさのものを呼ぶ
  • ご家庭では手に入りやすいバナメイエビなどでも。
天衣(つくりやすい分量)
薄力粉(ふるいにかける) 200g
卵黄 1個分
冷水 360ml
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 10ml
揚げ油
綿実油(菜種油) 8割
ごま油 2割
つくり方
  1. 1えびは殻をむき尻尾を切って、腹側に包丁で切れ目を3~4カ所入れてのばす。
  2. 2氷につけて冷やしたボウルに、卵黄と冷水を入れて泡立たないように混ぜる。薄力粉を入れて、グルテンが出ないように大きくさっくりと混ぜる。
  3. 3揚げ油は170~180度の高めの温度に熱し、えびに天衣をつけて油に入れてサッと揚げる。
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