ブラジルの家庭料理 夏のクリスマス
いしづ あきこ 先生(料理研究家)
ゲスト:星 ナタリア 淳子さん





2024年11月9日KCC食文化と料理の講習会は、料理研究家のいしづあきこ先生とゲストに星ナタリア淳子(あつこ)さんをお招きし、「ブラジルの家庭料理 夏のクリスマス」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
いしづ先生は料理研究家に師事し独立した後、ブラジルに計4年間生活。現地で日本の家庭料理を伝えるかたわら、料理学校やブラジル人家庭で料理を学びました。帰国後は日本とブラジルの食の架け橋となる活動を続けていています。
ゲストのナタリアさんはブラジルのサンパウロ州出身。ブラジルの大学を卒業後、結婚を機に来日。現在は日本でブラジルに関するセミナーなどで、いしづ先生とともにブラジルの食文化などを紹介しています。
ブラジルのクリスマスの家庭料理、それらを通じてブラジルの食文化をご紹介いただきました。
- 豚肉のオーブン焼き オレンジソース
ブラジルではシュラスコ(串に刺した肉の炭火焼き)をはじめ、肉をよく食べます。今回は甘酸っぱいオレンジソースを添えた豚肉料理をご紹介。オレンジはブラジルの特産品でよく料理に使われます。付け合わせの<ファロッファ>は、タピオカの原料でもあるキャッサバ芋の根茎からつくられた粉を炒めたもの。ブラジルではポピュラーな食材でいろいろな料理に添えられます。
- ブラジルのクリスマスライス
ブラジルの有名な豆の煮込み料理フェジョアーダなどにもご飯を添えるように、ブラジルではご飯をよく食べます。ここではクリスマスらしくレーズンを入れ、いろいろな野菜と炒め合わせてカラフルに仕上げました。ぶどうは実がたくさんなることでお祝いの意味があり、クリスマスの料理にレーズンが使われます。
- 鶏肉と野菜のマヨネーズサラダ
ブラジルの代表的なチキンサラダです。鶏肉と野菜などをマヨーネーズで和えた日本人にも親しみのある味。ここでもクリスマス風にレーズンを入れました。じゃがいもの細いせん切りを揚げた、ブラジル風フライドポテトをトッピングするのがポイント。このBatata palhaはスナックとして食べるだけでなくよく料理にも使われます。
クリスマスのお菓子には、イタリアのクリスマスのパン菓子として知られるパネットーネが定番。多民族国家であるブラジルは、さまざまな国の食文化が反映されている食卓でした。
講習会のレシピ
豚肉のオーブン焼き オレンジソース
Lombo de Natal com molho de laranja
| 豚肩ロース肉(塊) | 800g |
|---|---|
| 【A】 | |
| にんにく(すりおろし) | 2かけ |
| 塩 | 小さじ1 |
| 粗びき黒こしょう | 少々 |
| キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 大さじ1 |
| オリーブオイル | 大さじ1 |
| ローズマリー(パウダー) | 小さじ1/2 |
| 【B】 | |
| オレンジの絞り汁 | 100ml(1~2個分) |
| はちみつ | 小さじ1 |
| マスタード | 小さじ1/2 |
| 塩 | 小さじ1/4 |
| こしょう | 少々 |
| コーンスターチ | 小さじ1 |
| 【付け合わせ】 | |
| ファロッファ(キャッサバ粉を炒めたもの) | 適宜 |
| ブラジルの唐辛子(酢漬け) | 適宜 |
- 1豚肉は冷蔵庫から出して1時間程おき常温に戻し、たこ糸で巻いて形をととのえる。
- 2(1)の豚肉を耐熱容器に入れてAを全体にもみ込む。アルミホイルで容器全体をおおう。
- 3200℃のオーブンで(2)を約1時間15分ほど中まで火が通るまで加熱する。
- 4(3)をオーブンから取りだし、アルミホイルをはずして焼き汁をスプーンですくって豚肉の上から数回かける。アルミホイルをはずしたまま、さらに20分ほど焼き色がつくまで焼く。焼き上がったら、オーブンから取りだし粗熱を取る。
- 5小鍋にBを入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして2~3分してとろみがついたら火を止めて容器に移す。
- 6(4)の肉を食べやすい大きさに切って器に盛りつけ、(5)のソースをかける。ファロッファを添える。
ブラジルのクリスマスライス
Arroz de Natal
| インディカ米(長粒種) | 200g |
|---|---|
| オリーブオイル | 大さじ1と1/2+小さじ1 |
| にんにく(みじん切り) | 2かけ |
| 湯 | 300ml |
| 塩 | 小さじ1/4 |
| レーズン | 30g |
| ブロックベーコン(7~8mm角切り) | 70g |
| 玉ねぎ(みじん切り) | 1/4個(50g) |
| にんじん(7~8mm角切り) | 1/2本(70g) |
| パプリカ(7~8mm角切り) | 1/2個(70g) |
| ピーマン(7~8mm角切り) | 2個(70g) |
| 【A】 | |
| オレガノ(パウダー) | 小さじ1/2 |
| キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち 生しょうゆ | 大さじ1 |
| こしょう | 少々 |
| イタリアンパセリ(みじん切り) | 適量 |
- 1米はすすぐ程度にさっと洗い、ざるに上げて水気をしっかりときる。
- 2鍋にオリーブオイル大さじ1と1/2、にんにくを入れて中火にかけ、にんにくの香りが出てきたら(1)の米を加えて混ぜる。
- 3(2)に湯300mlと塩を加えてひと混ぜし強火にする。沸騰したら弱火にしてふたを少し開けた状態で10分ほど加熱する。
- 4(3)の水分がなくなったらレーズンを散らし、再びふたをして火を止める。そのまま5分ほど蒸らす。
- 5大きめのフライパンにオリーブオイル小さじ1を入れて中火にかけ、ベーコン、玉ねぎ、にんじん、パプリカ、ピーマンの順に加えて炒め、しんなりしてきたらAと(4)を加えて全体に味が均一になるまで炒める。味をみて塩(分量外)で味をととのえる。
- 6(5)を器に盛り、イタリアンパセリを散らす。
鶏肉と野菜のマヨネーズサラダ
Salpicao de frango
| 鶏むね肉(皮なし) | 1枚(300g) |
|---|---|
| じゃがいも | 1個(150g) |
| にんじん | 小1本(100g) |
| りんご | 1/4個(80g) |
| デルモンテ ホールコーン はじける贅沢 | 120g |
| グリーンピース缶詰 | 1/2缶(30g) |
| レーズン | 50g |
| 酢 | 大さじ1 |
| 【A】 | |
| マヨネーズ | 大さじ4 |
| 生クリーム | 30ml |
| オリーブオイル | 大さじ2 |
| 塩 | 小さじ3/4 |
| こしょう | 少々 |
| ※Batata palha(砕いたポテトチップスで代用可) | 適宜 |
- 1鶏肉は10~12等分のそぎ切りにして耐熱容器におき酢をかける。ふんわりラップフィルムをして電子レンジ(600W)で6分加熱し、取りだしてそのまま冷めるまでおく。フードプロセッサーに5秒ほどかけてパラパラにする。
- 2じゃがいもは皮をむき1cm角に切る。鍋にじゃがいもを入れてかぶるくらいの水を加えて強火にかけ、沸騰したら弱火にして火が通るまで4~5分ゆで水気をきる。にんじんは皮ごとスライサーでせん切りにする。りんごは皮ごと1cm角に切る。コーンとグリーンピース缶詰はザルにあげて水気をきる。
- 3大きめのボウルに(1)と(2)の材料とレーズン、Aを加えてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
- 4器に盛り、食べる直前にBatata palhaを上にのせる。

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