食材を無駄なく!シェフがつくるおしゃれなフレンチ
國長 亮平 先生(「トワヴィサージュ」シェフ)





2025年5月15日KCC食文化と料理の講習会は、「トワヴィサージュ」シェフの國長亮平先生をお招きし、「食材を無駄なく!シェフにならうおしゃれなフレンチ」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
國長先生は、フレンチレストラン「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇シェフのもとに9年間勤めた後、フランスで経験をつみ帰国。2022年「トワヴィサージュ」のオープンにあたりシェフに就任し、2024年ミシュランの一つ星を獲得しました。伝統的な料理をベースに食材を最大限に生かす料理を提供。自ら畑を耕し、持続的なフードロス削減の活動にも向き合っています。
フードロスの改善をめざすシェフに、食材を無駄なく使うアイデアでフランス料理をご紹介いただきました。
- 新玉ねぎのポットパイ
新玉ねぎを使ったスープのパイ包みです。フランスではよく前日に残った野菜などを合わせ、ミキサーにかけてスープにリメイクします。ここでは新玉ねぎのみでつくりましたが、余った野菜があればプラスしてつくりましょう。パイ包みにするだけで見た目も味わいもごちそう感がアップ。パイのリッチなバターの風味とサクサクとした食感がスープを引き立てます。
- シューファルシ
フランス定番の家庭料理、キャベツロールです。中の具はさまざまで地域でいろいろなシューファルシがあります。余った野菜を加えるのはもちろんのこと、豆腐やごはんなどを入れてもいいですね。主役はキャベツなのでたっぷりと使い、じっくりと時間をかけて煮込むのがポイント。うま味たっぷりのスープで煮込まれたキャベツは格別です。好みで仕上げに生クリームをかけ、ハーブを添えればよりおしゃれな一品に。
- ミロトン
ハヤシライスの原型ともいわれる料理。肉や野菜をじっくり炒めた玉ねぎとトマトで煮込み、酸味を加えるのが特徴です。ここではコルニッション(きゅうりのピクルス)を加えて酸味をプラスしました。フランスでは煮込み料理のポトフの余った肉や野菜を再利用したのが始まりと言われています。豚肉でもおいしくでき、肉の切れ端や残った野菜も活用できます。ご飯にも合う味わいです。
講習会のレシピ
新玉ねぎのポットパイ
新玉ねぎ(薄切り) | 500g |
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オリーブオイル | 10g |
バター(無塩) | 20g |
塩 | 4g |
パイ生地(冷凍) | 100g×2枚 |
卵黄 | 2個 |
- 1新玉ねぎはバター、塩3g、水適量を加えて、色をつけないように透き通ってしんなりするまで、ゆっくり時間をかけて炒める。
- 2(1)をミキサーに入れてなめらかになるまで回し、オリーブオイル、塩1gと水を合計400mlになるように適量入れて、濃度を調整する。
- 3パイ生地は盛りつける耐熱の器に合わせて切ってのばす。
- 4(2)のスープを耐熱の器に入れ、(3)のパイ生地で器の表面を覆う。
- 5(4)のパイ生地に溶いた卵黄を塗って、200℃に熱したオーブンで、パイ生地に焼き色がつくまで15分程焼く。
シューファルシ
キャベツ | 小1個 |
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合い挽き肉 | 400g |
玉ねぎ(みじん切り) | 1個(150g) |
小松菜(みじん切り) | 1束(100g) |
しいたけ(みじん切り) | 4個(100g) |
バター(無塩) | 20g |
オリーブオイル | 20g |
デルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップ | 20g |
塩 | 3g |
黒こしょう | 少々 |
鶏ガラスープの素 | 8g |
※お好みで | |
生クリーム | 適量 |
ハーブ | 適量 |
- 1玉ねぎ、小松菜、しいたけをバターとオリーブオイルで、水分が出るように炒め、ふたつまみの塩(分量外)を加えて、バットなどに広げて冷ます。
- 2合いびき肉に塩、黒こしょうを入れて粘りが出るまでよく混ぜ、さらにトマトケチャップを入れて混ぜる。(1)で炒めて冷ました野菜も加えて混ぜ合わせ、俵状に8等分に分ける。
- 3キャベツを丸のまま芯を取り、大きな鍋でキャベツをゆでる。バラけてきたら取り出して氷水で冷やす。
- 4(2)の8等分にした肉だねを(3)のキャベツの葉で包んで形をととのえ、なるべく鍋にきっちりと敷き詰め、ヒタヒタの水(約1.5リットル)と鶏ガラスープの素を入れて火にかける。
巻ききれないキャベツは、上に落としふたのようにのせる。1時間半から2時間、弱火でゆっくり煮込む。
※好みで生クリームをかけ、刻んだハーブを添えてもよい。
ミロトン
牛肉(切り落としなど) | 400g |
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玉ねぎ(薄切り) | 2個(300g) |
コルニッション | 50g |
バター(無塩) | 70g |
オリーブオイル | 大さじ1 |
塩 | 6g |
デルモンテ 完熟カットトマト | 1箱(388g) |
水 | 400ml |
※お好みで | |
グリーンアスパラガス | 適量 |
スナップえんどう | 適量 |
ご飯 | 適量 |
- 1鍋にバターと玉ねぎを入れて、玉ねぎがあめ色になるまでゆっくり時間をかけて炒める。
途中で水少々を足しながら色づくまで炒める。 - 2牛肉にオリーブオイルと塩2gをまぶしてバラバラにほぐす。
- 3別の鍋で(2)の牛肉を強火で香ばしく炒めるように焼く。
- 4(3)を(1)の鍋に加え、カットトマト、水400ml、塩4gを入れて弱火で約15分煮込む。仕上げに小さく切ったコルニッションを加える。
※好みでゆでて炒めたグリーンアスパラガスやスナップえんどうを彩りに添えたり、ご飯を添えてもよい。

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