プロにならう フライパンひとつで肉料理
講師
大石 義壱 先生(「北島亭」シェフ)
2018年11月14日のKCC料理講習会は、「北島亭」シェフの大石義壱先生をお招きし「プロにならう フライパンひとつで肉料理」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
「北島亭」は骨太な料理で人気のフランス料理店。素材のよさを引き出した豪快な料理は根強いファンが多く、肉を焼くその技術は、多くの賞賛を得ています。大石義壱先生はシェフとして腕をふるい、店の持つ技とエッセンスを受け継ぎながら、新しいメニューにも挑戦しています。
今回は、大石先生から、3種類のかたまり肉をフライパンで焼く方法をならいました。肉の特徴に合わせた焼き方が大切です。鶏1羽は部分によって、フライパンへの置き方や時間を考えたり、牛肉は肉の下に野菜を敷いてボウルをかぶせ、低温の蒸し焼きにしたり、仔羊肉はアルミホイルに包み、転がしながら焼いたり。「おいしいものをつくろうと思えば、食材はちゃんとこたえてくれますよ」という先生の言葉通り、どれもジューシーでおいしい肉の仕上がりでした。
講習会のレシピ
プーレ ロティー ~鶏丸ごと一羽ローストチキン グランメール添え
材料:鶏1羽分
丸鶏 | 1羽(約1.2kg) |
---|---|
鶏の脂(そうじした時に取りおく) | 適量 |
しいたけ(軸を取る) | 4個 |
ぎんなん(皮をむく) | 12個 |
にんにく(みじん切り) | 3片 |
エストラゴン(生) | 4本 |
バター(無塩) | 100g+適量 |
塩 | 適量 |
A: | |
玉ねぎ(くし切り) | 1個 |
じゃがいも(1cm厚さ輪切り) | 2個 |
にんじん(1cm厚さ輪切り) | 1本 |
さやいんげん(筋を取る) | 12本 |
れんこん(1cm厚さ輪切り) | 1節 |
つくり方
- 1丸鶏は、塩を適量ふり、2時間ほどおき、水洗いをする。
- 2「1.」の形を整え、ひもで結び、全体に塩を適量ふる。
- 3熱したフライパンに油(分量外)少量を入れ、右足をフライパンの底に当たるようおき、弱火でゆっくり焼く。きつね色に焼けたら、右むね→左足→左むねの順に、同じ手順で焼く。
- 4「3.」が全体に焼けたら、首のつけ根を立てて焼き、最後に背中を焼く。
- 5鶏を焼いている間に、フライパンのすき間に、Aの野菜を広げて並べおき、同時に焼く。
- 6「4.」の時点、鶏の火の入り方を確認し、足りなければ、野菜の上におき、ボウルをかぶせて蒸し焼きにする。
- 7「6.」の野菜を取り出す。鶏は水洗いし取りおく。洗った水は残しておく。
- 8「7.」のフライパンにバター適量を入れて、取り出した野菜としいたけ、ぎんなんを入れて加熱し、にんにくを加えて仕上げて取り出す。
- 9「8.」のフライパンに鶏の脂を入れて炒め、余分な脂を切り、「7.」の水を入れて少し煮てからこし、再度火にかけ、バター100gとエストラゴンを入れて、ソースにする。
- 10「7.」の鶏を切り分け、中心部分には塩をし、フライパンで皮目をパリッと焼き上げる。「8.」のつけ合わせの野菜と「9.」のソースを添える。
※2種ソース「きのこのクリームソース」
つくり方
鶏ブイヨンに乾燥セップを入れて、火にかけて煮詰め、とろっとしてきたら、生クリームを加えてさらに煮詰め、塩で味をととのえる。仕上げにバターを加える。
※2種ソース「ぽんずとみりんのソース」
つくり方
キッコーマン しぼりたて生ぽんずと、マンジョウ本みりん、同量を鍋に入れて火にかけ、煮詰める。とろっとしてきたら、仕上げにバターを加える。
和牛いちぼ肉のロースト ~生黒粒こしょう添え しょうが香るジュのソース
材料:
牛いちぼ肉(常温にもどす) | 1kg |
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玉ねぎ(みじん切り) | 1/6個 |
牛脂(そうじした時に取りおく) | 適量 |
しょうが(すりおろし) | 5g |
こしょう(生黒粒・つぶす) | 3粒 |
パセリ(みじん切り) | 適量 |
じゃがいも(粗く刻む) | 2個 |
牛乳 | 適量 |
バター(無塩) | 適量 |
塩 | 適量 |
つくり方
- 1牛肉はすべての面に塩をし、熱する前のフライパンに脂身を下におき、ボウルをかぶせ、火にかけ、脂をきつね色に焼く。
- 2「1.」の脂が焼けたら、肉の下に牛脂を敷いて、再びボウルをかぶせ、弱火で加熱する。
- 3「2.」の牛脂がきつね色になったら、牛脂と肉を取り出し、フライパンに網をおき、その上に肉をのせ、ボウルをかぶせ加熱する。時々網から肉をおろし、「2.」の作業を繰り返す。また時々、火を止め、お休みタイムを取る。
- 4「3.」の肉の厚みの一番薄い所、または端をさわり、弾力が出てきたら、火入れが完了。
- 5フライパンに、「3.」のきつね色の牛脂と玉ねぎを炒め、水を入れて少し煮る。塩で味を調えてこし、しょうがを加えてソースにする。
- 6鍋にじゃがいもを入れ、ひたひたの水と塩を加えて煮る。じゃがいもに竹串を刺し、スッと通ったら、水分を捨て水気をとばして裏ごしする。バターと牛乳を加えて仕上げる。
- 7「4.」の肉を切り分け、生粒こしょうとパセリを上にふり、「6.」のじゃがいものピュレーを添えて、「5.」のソースをかける。
仔羊のホイル包み焼き ~ドフィノアグラタン添え 春菊のソース
材料:4人分
仔羊肉(背肉-骨、脂に分けた肉の部分) | 約600g |
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タイム(生) | 2本 |
黒こしょう | 適量 |
じゃがいも(5mm厚さの輪切り) | 200g |
グリュエールチーズ | 適量 |
まいたけ、ぎんなん(フライパンで焼く) | 適宜 |
A: | |
塩 | 4g |
白こしょう | 少々 |
エシャロット(みじん切り) | 10g |
にんにく(みじん切り) | 2g |
牛乳 | 200ml |
生クリーム | 60ml |
B: | |
春菊(さっとゆでる) | 60g |
ゆで卵 | 1/2カップ |
デルモンテ エキストラバージン オリーブオイル | 10ml |
塩 | 適量 |
つくり方
- 1肉にしっかりと塩、黒こしょうをふり、タイムとともにアルミホイルに包む。
- 2鍋に少量の油(分量外)を入れ、「1.」を少しずつ角度を変えながら転がす。全面転がし終えたら、網の上にのせ、蓋をして休ませる。
- 3別鍋に、じゃがいもとAを入れて火にかけ、水分が煮詰まり、じゃがいもがまだ少しかためのところで火を止め、耐熱皿に移し、チーズをふり、オーブンで焼き上げる。
- 5ミキサーに、Bを入れてなめらかになるまでまわし、塩で味を調える。
- 6「2.」の肉が7~8割火が通ったら取り出し、熱したフライパンに油(分量外)を入れ、表面を焼いて、香ばしさを加え、筋に火を入れる。
- 7器に「5.」の肉と「3.」のグラタン、まいたけとぎんなんを盛りつけ、「4.」のソースを添える。
仔羊のクスクス
材料:4人分
仔牛肉(羊背肉-骨、脂の部分) | 約800g |
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にんじん(適宜切る) | 小1本 |
大根(適宜切る) | 1/10本 |
玉ねぎ(適宜切る) | 1個 |
デルモンテ 完熟カットトマト | 1箱(388g) |
サラダ油 | 適量 |
塩 | 適量 |
こしょう | 適量 |
スムール(クスクス)※ | 適量 |
唐辛子ペースト(あればアリッサ) | 好みで |
A: | |
しょうが(皮をむいてすりおろす) | 小1片 |
にんにく(皮を取って丸のまま) | 大2片 |
赤唐辛子 | 1本 |
クミンシード | 小さじ1 |
デルモンテ リコピンリッチ トマトピュレー | 1パック(150g) |
つくり方
- 1肉の骨と脂の部分に、塩大さじ1とこしょうをふる。
- 2フライパンを熱し、油(分量外)を入れ、「1.」の脂のついている面を下にして焼き始める。しっかりと焼き色がついたら、上下を返し、全体にまんべんなく焼き色がついたら、脂を切りながら、鍋に移す。
- 3フライパンの脂を捨て、水適量入れて沸かし、フライパンについたうま味を取る。
- 4「2.」に「3.」と合わせて、ひたひたなる位の水とAを加え、火にかけ、沸いて脂とアクが出てきたら、しっかりと取り除き、コトコトと煮立つ位の弱火で30分程煮る。
- 5「4.」ににんじん、大根を加えて15分煮たら、玉ねぎ、カットトマトを加えて煮る。仕上がり前に万願寺とうがらしを加える。スムールと、好みで唐辛子ペーストを添える。
- ※スムール(クスクス)のつくり方
ボウルに、スムール400gと水を全体になじむ程度入れてしばらくおく。水分を吸ったらほぐし、また水を加えて混ぜるを繰り返す。(水は約300ml)塩、こしょう、オリーブオイル各適量を入れて混ぜる。ボウルを蒸し器に入れて蒸す
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