「新定番!家庭料理をおいしくするコツ」
加藤 巴里〈ぱり〉先生(料理家)
2022年6月13日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は、料理家 加藤巴里先生をお招きし、「新定番!家庭料理をおいしくするコツ」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
加藤先生はフランス・パリのフェランディー料理学校で学び、料理と製菓のフランス国家資格を取得しました。フランスに5年滞在しレストランやパティスリーで修業。帰国後は料理・菓子教室を主宰しテレビ番組などにも出演しています。母は料理家の脇雅世先生です。
料理家の母から娘への受け継がれる家庭料理の基本とコツをご紹介いただきました。姉の銀さんにもお手伝いに来ていただき、子どもの頃の食卓の思い出や、料理家の母ならではのエピソードなどの楽しいお話も伺いました。
- 野菜の揚げびたし
なすは皮の方から揚げると「茄子紺」と言われる美しい色に仕上がります。この漬け汁をつくれば、いろいろな野菜で季節ごとの揚げびたしが楽しめます。翌日味が染みた野菜はそうめんや冷やしうどんの上にのせたり、漬け汁は、片栗粉でとろみをつけ野菜にからめて食べたり、めんつゆや煮物をつくる時に利用したりできます。
- ポテトサラダ
ポイントは和がらしを使うこと。風味や辛味が強いので味わいに良いアクセントとなります。なめらかさや味の調整には、きゅうりをつけてしぼった塩水を活用。マヨネーズを足すと油っぽくなりがちですが、きゅうり水ならばじゃがいもの味をそのままに、塩味もととのえられます。残ったサラダはパンにはさんだり、春巻きの皮に包んで揚げたり、いぶりがっこ(たくあんの燻製)を加えればお酒のつまみにも変身します。
- ポークソテー
肉を焼く基本が満載。下ごしらえでは肉がそらないように筋を切り、塩をして、小麦粉をふってうまみを閉じ込めます。焼く時には必要以上さわらないこと。さわりたくなりますがそこは我慢。焼き上がりは肉汁を落ち着かせるために、ボウルなどをかぶせて時間をおいてから盛りつけます。これでパサつきのないおいしいソテーが出来上がります。「家庭料理は食材、調理手順、道具、すべてに無駄なく効率よく!」家庭料理ならではの良さを感じた講習会でした。
講習会のレシピ
野菜の揚げびたし
なす | 4本(320g) |
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ピーマン | 1個(35g) |
しょうが(すりおろす) | 1/4かけ |
揚げ油 | 適量 |
A; | |
だし汁 | 80ml |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 20ml |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み本みりん | 20ml |
砂糖 | 小さじ1 |
- 1なすはヘタを取り、縦半分に切る。皮面に斜めに3mm間隔の切り目を入れる。ピーマンは縦半分に切って種を取り、斜めに2等分に切る。しょうがはすりおろす。ボウルにAを入れて混ぜ合わせる。
- 2鍋に揚げ油を入れ、中火の170度に熱する。ピーマンを入れて裏表をひっくり返しながら1分ほど揚げる。油をきり、「1.」のボウルに入れる。
- 3揚げ油の温度を180度に上げる。皮を下にしてなすを入れ、1分ほど揚げる。なすを裏返し、さらに2~3分やわらかくなるまで揚げる。油からあげて油をきり、「2.」のボウルに加える。
- 4「3.」の粗熱がとれたら、なすとピーマンを汁と一緒に器に盛り、なすの上におろししょうがをのせる。冷やしてもよい。
- 翌日によく味が染みた野菜の揚げびたしは、そうめんや冷やしうどんのトッピングにする。
- 漬け汁を再度温めて片栗粉でとろみをつけて野菜にからめてもおいしい。
- 漬け汁はめんつゆや煮物をつくる時に活用。
ポテトサラダ
じゃがいも | 3個(330g) |
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にんじん | 1/2本(80g) |
きゅうり | 1本(100g) |
A; | |
水 | 50ml |
塩 | 小さじ1/2 |
玉ねぎ | 1/4個(50g) |
ハム | 3枚(35g) |
B; | |
マヨネーズ | 大さじ3 |
塩 | 小さじ1/4 |
こしょう | 少々 |
練りがらし(好みで) | 小さじ2/3 |
- 1じゃがいもは2cm角に切って、水にさらし水けをきる。にんじんは縦半分に切る。太ければ縦4等分に切る。
- 2鍋に「1.」を入れ、かぶる位の水を入れてふたをする。中火で熱し沸騰してから、じゃがいもとにんじんがやわらかくなるまで10分ほどゆでる。にんじんを先に取り出す。
- 3「2.」のじゃがいもに竹串がスーッと通ったら火を止め、ふたで押さえて湯を捨てる。再び火にかけ、鍋をゆすりながら余分な水分をとばす。鍋底にくっつき始めたら、火を止めて熱いうちにつぶし、粗熱をとる。
- 4「2.」のにんじんは冷めたら2~3mm厚さのいちょう切りにする。きゅうりは1mm幅の薄切りにし、ボウルに入れてAを加えてしんなりするまで10分ほどおく。水けをしぼり、しぼり汁はとっておく。玉ねぎは繊維に沿って1mm幅の薄切りにし、半分の長さに切る。ハムは7mm幅に切る。
- 5大きめのボウルに「3.」のじゃがいも、「4.」のにんじん、きゅうり、玉ねぎ、ハムを入れる。Bを加えて混ぜ合わせる。なめらかになるように、「4.」のきゅうりのしぼり汁を少しずつ加えて混ぜ合わせ、かたさを調整する。
- パンにはさんでソースをかける。春巻き皮で巻いて揚げる。
- “いぶりがっこ”(たくあんの燻製)を加えるとお酒のつまみに変身。
ポークソテー
豚ロース厚切り肉 | 2枚(125g×2、厚さ1.5cm) |
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塩 | 小さじ1/2 |
小麦粉 | 小さじ2 |
サラダ油 | 小さじ2 |
こしょう | 少々 |
付け合わせ | サラダ野菜、ベビーリーフなど |
- 1豚肉は盛りつける時に下にした面の筋を10カ所ほど切り、室温で15分ほどおく。
- 2「1.」の豚肉の両面に塩をふり、小麦粉を薄くまぶす。
- 3フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、「1.」の豚肉を入れ、1分半さわらずに焼く。もし肉が反ってきたら、キッチンばさみで筋を切る。
- 4豚肉からの水分で表面の小麦粉がにじんできたら裏返す目安。裏返したらさらに1分半さわらずに焼く。
- 5豚肉を取り出し冷めないように、ボウルを逆さにかぶせたりして3分おく。
- 6仕上げにこしょうをふり、付け合わせをのせた皿に、脂身を奥にして盛りつける。
- デルモンテ リコピンリッチトマトケチャップ…大さじ2
- キッコーマン デリシャスソース ウスター…大さじ1
「5.」で休ませた肉を切る。フライパンの油をペーパータオルなどで吸い取り、トマトケチャップとウスターソースを加え、
切った肉をもどし入れ、肉にからませる。
- 市販のピクルス(食べやすい大きさに切る)…100g
- ピクルスの漬け汁…50ml
- 砂糖…小さじ1
- 酢…好みの量
「4.」肉を裏返したら、ピクルスの漬け汁、砂糖、酢を加えて強火で水分を飛ばし、ピクルスを加え、軽く炒め合わせる。
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