青梅と香味野菜 季節を楽しむ和食
佐藤 圭悟 先生(「分とく山」副料理長)
2024年6月22日KCC食文化と料理の講習会は、「分とく山」副料理長の佐藤圭悟先生をお招きし、「青梅と香味野菜 季節を楽しむ料理」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
佐藤先生は高校の食物調理科卒業後、東京の日本料理店や企業のレストランに勤務。現在は東京・広尾にある「分とく山」で副料理長を務め、和食の特徴である素材の持ち味を生かし、自然や季節を表現・楽しむ料理をめざしています。
今回は青梅のしょうゆ漬け・砂糖漬けや香味野菜を使い、季節ならではの料理をご紹介いただきました。
- 青梅のしょうゆ漬けと砂糖漬け
青梅を使った保存食です。漬けた梅の実と漬け汁ともに料理に活用できます。どちらも保存容器に入れて1週間ほど漬けたら、汁だけを取り出し火にかけてアクを取り除き、その汁を戻して保存することがポイントです。
- 水だこのサラダ 青梅しょうゆドレッシング
旬の水だこと青梅のしょうゆ漬けを使ったサラダです。しょうゆ漬けの漬け汁とオイルを合わせるだけで、梅を生かしたドレッシングができます。きゅうりの芯をくり抜いて、6月の行事、夏越祓(なごしのはらえ)の茅の輪に見立てました。料理にこのような季節の演出を取り入れるのも和食ならではです。
- 鶏の梅煮
しょうゆ漬けの漬け汁を活用した一品。梅の酸味が加わることで夏にぴったりの煮ものになりました。色、味つけも軽くするかわりに、煮汁にとろみをつけています。煮る前に野菜と鶏肉をさっとゆでてアクを抜くことでより上品な味わいに。仕上げに数種の香味野菜を刻んで合わせた薬味を、たっぷりのせて夏らしさアップです。
- 青梅の氷菓
6月に食べる氷を模した和菓子「水無月」にならった料理。青梅の砂糖漬けの漬け汁に白ワインと青じそを混ぜ、冷やし固めてシャーベットをつくりました。梅ならではの香りと酸味がさわやかです。和菓子の「水無月」と同様に邪気祓いの意味のある小豆をのせました。砂糖漬けの梅の実も添えて。
和食ならではの料理で季節を楽しむ方法を習った講習会でした。
講習会のレシピ
青梅のしょうゆ漬け
青梅(種を取ったもの) | 500g |
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キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 青梅を容器に入れてひたひたにかぶる分量 |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 料理の清酒 | しょうゆの2割 |
- 1青梅は水をためたボウルに入れて水洗いし、乾いた清潔な布で水気をふき取る。
- 2青梅のヘタを竹串で取り除き、筋に沿って包丁で1周包丁目を深めに入れる。
- 3(2)の青梅を2つに割り、スプーンなどで種を取る。
- 4(3)の青梅を消毒した清潔な保存容器に入れ、しょうゆを青梅がひたひたにかぶる位注ぎ、1週間おく。
- 5(4)の青梅はそのまま容器に残してしょうゆだけを鍋に入れ、しょうゆの2割量の酒を加えて火にかけ、ひと煮立ちさせ冷ます。沸騰して出たアクは取り除く。
- 6(5)のしょうゆを元の青梅の入った保存容器に戻す。さらに1週間漬け込む。
※冷蔵保存すれば長期保存が可能。
水だこのサラダ青梅しょうゆドレッシング
水だこ(またはゆでだこ) | 約250g |
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きゅうり | 1/4本 |
サラダに合う好みの野菜 (トマト、ヤングコーン、水菜、青じそ、みょうがなど) |
適量 |
青梅しょうゆ漬けの実(薄切り) | 10g |
【青梅しょうゆドレッシング】 | |
青梅しょうゆ | 30ml |
デルモンテ エキストラバージンオリーブオイル | 15ml |
砂糖 | 5g |
玉ねぎ(おろし又はみじん切り) | 5g |
- 1水だこは一口大の薄切りにする。60℃の湯で30秒ほど火を入れ、氷水で冷やし水気を取る。(ゆでだこの場合は不要)
- 2好みの野菜は適宜切る。
- 3きゅうりは5mm程度の輪切りにし、芯を丸くぬき、茅の輪きゅうりにする。
- 4青梅しょうゆドレッシングの材料をよく混ぜ合わせ、ドレッシングをつくる。
- 5器に(1)のたこ、(2)の野菜、(3)のきゅうり、青梅のしょうゆ漬けの実を盛りつけ、(4)のドレッシングをかける。
鶏の梅煮
鶏もも肉 | 1枚 |
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新れんこん | 100g |
新ごぼう | 100g |
しいたけ | 4枚 |
水溶き片栗粉 | 適量 |
塩 | 2つまみ |
【煮汁】 | |
水 | 350ml |
青梅しょうゆ | 50ml |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 80ml |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 10ml |
【合わせ薬味】 | |
青じそ | 5枚 |
みょうが | 2個 |
わけぎ(ねぎの青い部分、細ねぎでもよい) | 2本 |
貝割れ大根 | 1/2パック |
しょうが | 30g |
- 1合わせ薬味をつくる。青じそは軸を取りせん切り、みょうがは縦に半分に切り端から薄切りにする。わけぎは小口切り、貝割れ大根は根元を取り3等分の長さに切る。しょうがは皮をむき、粗めのみじん切りにする。
- 2水を入れたボウルに(1)を入れて軽くアク抜きをし、ザルに上げしっかりと水気をきる。
- 3鶏肉は一口大に切り、塩をふり5~10分おく。れんこんは薄切り、ごぼうは斜め薄切り、しいたけは軸を切り大きければ半分に切る。
- 4鍋に湯を沸かし、ザルにれんこんとごぼうを入れて熱湯に浸し、後からしいたけを入れて1分程度おき、ザルに上げて水気をよくきる。
- 5鶏肉も別のザルに入れて(4)の熱湯で、表面が白っぽくなるまで霜降りし、氷水につけて水気をきる。
- 6別の鍋に(4)の野菜と煮汁を加えて落としぶたをして火にかけ、沸騰したらアクを取り、弱火にして7~8分煮る。
- 7(6)の野菜に火が通ったら、(5)の鶏肉を加え中火にして5分くらい煮る。
- 8器に鶏肉と野菜をもりつけ、残った煮汁に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけかける。仕上げに(2)の合わせ薬味をたっぷりのせる。
水 | 400ml |
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梅ペースト(梅肉) | 40g |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ | 10~15ml |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 50ml |
青梅の砂糖漬け
青梅(種を取ったもの) | 500g |
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上白糖 | 250g |
- 1青梅は水をためたボウルに入れて水洗いし、乾いた清潔な布で水気をふき取る。
- 2青梅のヘタを竹串で取り除き、筋に沿って包丁で1周包丁目を深めに入れる。
- 3(2)の青梅を2つに割り、スプーンなどで種を取る。
- 4(3)の青梅を消毒した清潔な保存容器に入れ、上白糖の半量(125g)を入れ1週間おく。
- 5(4)の青梅はそのまま容器に残してシロップだけを鍋に入れ、残りの上白糖(125g)を加えて火にかけ、ひと煮立ちさせ冷ます。沸騰して出たアクは取り除く。
- 6(5)のシロップを元の梅の入った保存容器に戻す。さらに1週間漬け込む。
※冷蔵保存すれば長期保存が可能。
青梅氷菓
青梅の砂糖漬けのシロップ | 100ml |
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水 | 100ml |
マンズワイン・白 | 30ml |
青じそ | 5枚 |
青梅の砂糖漬けの実(食べやすい大きさにカットしておく) | 2個分 |
- 1青じそは刻み、水にさらしてアクを抜く。
- 2青梅砂糖漬けのシロップ、水、白ワイン、(1)の青じそを混ぜ合わせ、冷凍可能な容器に入れ、冷凍庫で凍らせる。
- 3(2)をフードプロセッサーに入れて、均一になるまでまわし、再び冷凍庫で凍らせる。
- 4(3)を削って器に盛りつけ、青梅の砂糖漬け、ゆであずき蜜煮を添える。
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