京の料理人がつくる 現代家庭風 和のおせち
講師
高橋 拓児 先生(「木乃婦」三代目)








2018年12月11日のKCC料理講習会は、「木乃婦」三代目の高橋拓児先生をお招きし「京の料理人がつくる 現代家庭風 和のおせち」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
高橋橋拓児先生は京都の料亭の三代目。伝統的な日本料理を基本としながらも、最新の技法を取り入れた料理を展開しています。多くの海外の食のイベントに参加し、日本の食文化を積極的に紹介されています。その一方でテレビ、雑誌、料理教室でわかりやすく楽しく家庭料理を教え、人気です。
今回は、高橋先生に伝統は守りながらも、現代に合わせたおせち料理をご紹介いただきました。家庭でつくるからこそ家族の好みに合わせたり、健康を考えたおせちがつくれます。<煮しめ>にオリーブイルをプラスしたり、<たたきごぼう>のあえごろもをソース風にしたり、<ぶりの煮物>の煮汁をジュレにして添えたりと、海外の経験も豊富な先生のセンスが光るおせちでした。
講習会のレシピ
煮しめ
材料:つくりやすい分量
里芋(またはえびいも) | 4個 |
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にんじん(あれば金時にんじん) | 1/2本 |
干ししいたけ | 4枚 |
春菊 | 1/8わ |
米のとぎ汁 | 適量 |
デルモンテ エクストラバージンオリーブオイル | 少々 |
A; | |
干ししいたけのもどし汁 | 大さじ5 |
だし | 250ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ | 大さじ2 |
マンジョウ 本みりん | 大さじ2 |
マンジョウ 料理の清酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 小さじ2と1/2 |
つくり方
- 1干ししいたけは洗い、200mlの水に半日以上つけてもどす(もどし汁大さじ5はとっておく)。軸は切る。
- 2里芋は上下を落とし、切り口が六角形になるよう、六方にむく。(側面の一面をむいたら、反対側の面をむくようにするときれいにむける)竹串がスッと入るくらいまで米のとぎ汁でゆで、水にさらす。にんじんは長細い乱切りにし、カーブをとがらせるように端を切り落とし、細長い四角形のような形に切る。
- 3「1.」と「2.」とAを鍋に入れる。落とし蓋をし、やわらかくなるまで弱めの中火で10~15分間煮る。
- 4春菊はさっとゆでて水に取り、水気を絞って食べやすく切る。春菊を1カ所にまとめて鍋に加え、オリーブオイルをまわしかけて火を止め、そのまま冷ます。
たたきごぼう
材料:つくりやすい分量
ごぼう | 1/2本(100g) |
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白ごま | 適量 |
酢 | 少々 |
A; | |
だし | 250ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ | 大さじ1と2/3 |
マンジョウ 本みりん | 大さじ1と1/3 |
マンジョウ 料理の清酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1/2 |
B; | |
キッコーマン 無調整豆乳 | 大さじ1~2 |
白ごま | 5g |
砂糖 | 大さじ1/2 |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ | 小さじ1 |
つくり方
- 1ごぼうは長さを4cm、太さを2~4等分に切る。酢少々を加えた熱湯で、竹串がスッと入るくらいまでゆでる。
- 2鍋にAとごぼうを入れ、弱めの中火にかけて煮る。
- 310~15分間煮たら、ごぼうの1/3量と煮汁大さじ2を取り出し、冷ます。鍋に残ったごぼうは、指でつぶれるくらいまでやわらかく煮て取り出し、すりこ木でたたいて冷ます。
- 4「3.」で取り出したごぼうと煮汁、Bをフードプロセッサーで撹拌し、ごまソースをつくる。
- 5「3.」でたたいたごぼうをごまソースで和え、ひと口大ずつまとめて盛りつける。白ごま適量をふる。
ぶりの煮こごりのせ
材料:つくりやすい分量
ぶり (切り身) | 4切れ |
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しょうが (みじん切り) | 少々 |
粉ゼラチン | 3g |
A; | |
マンジョウ 料理の清酒 | 240ml |
水 | 200ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ | 50ml |
砂糖 | 50g |
あさつき (小口切り) | 適量 |
溶き辛子 | 適量 |
塩 | 少々 |
つくり方
- 1ぶりは半分に切り、塩をふって少しおき、出てきた水気をふき取る。熱湯にさっとくぐらせて氷水に取り、水で洗ってぬめりを取る。粉ゼラチンはヒタヒタの水でふやかしておく。
- ※表面がサッと白くなるくらいに「霜降り」することで、くさみを取る。
- 2鍋にAを合わせて火にかけ、沸騰したらぶりを加え、落とし蓋をする。中火で10~15分間煮て、煮汁につけたまま冷ます。
- 3「2.」の煮汁を100ml取り出してざるでこし、別の鍋に入れて火にかける。沸騰したら、しょうがと①のゼラチンを加えて溶かす。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、冷やし固める。
- ※ゼラチンでうま味を閉じ込める。煮汁は一度こすことで、仕上がりがきれいに。
- 4「3.」の煮こごりを細かくほぐし、ぶりに少しずつのせる。あさつき、辛子を添える。
えびのつや煮
材料:つくりやすい分量
車えび | 6尾 |
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A; | |
だし | 600ml |
マンジョウ 本みりん | 50ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ | 大さじ2と2/3 |
マンジョウ 料理の清酒 | 大さじ3 |
つくり方
- 1えびは殻の間から竹串で背ワタを抜き、ひげを料理ばさみで切る。
- 2鍋に湯を沸かしてえびを入れ、アクが出たら除きながら2~3分間ゆでる。氷水に取り、2~3分間ほどつけて冷ます。
- ※えびの頭はアクが多いので、下処理をおこたると後で黒ずんでしまう。しっかり下ゆでをして氷水につけてアクを除く。
- 3鍋にAを入れて沸騰させる。えびを加えて再び沸騰したら火を止め、煮汁につけたまま冷ます。
ふくさ卵
材料:15×20cm卵焼き器1台分
溶き卵 | 300ml |
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かまぼこ | 70g |
ゆり根 | 40g |
にんじん | 30g |
三つ葉(軸) | 少々 |
だし | 100ml |
キッコーマン いつでも新鮮しぼりたて うすくち生しょうゆ | 小さじ2 |
つくり方
- 1かまぼこ、ゆり根、にんじんは5mm角に切り、三つ葉は5mm長さに切って、ボウルに入れる。溶き卵、だし、うすくちしょうゆを合わせ、よく混ぜる。
- 2表面加工してある卵焼き器に、「1.」の半量を流し、混ぜながら八分ほど火を通す。別のボウルに取り出し、残りの卵液も同様に火を通す。
- 3「2.」で取り出した卵を卵焼き器に戻し入れて混ぜ、平らにならしてアルミ箔で表面をおおう。弱火にし、15分間蒸し焼きにする。
- ※あらかじめ火を通すことで、焼き時間を短くにする。半量ずつ火を通すので、作業しやすい。
- 4上下を返してさらに5分間焼き、冷ましてからひと口大に切る。

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